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【福島の事故後、変わるドイツと再生可能エネルギー〈後編〉】原子力発電はそれだけのリスクに明らかに見合わない

読了までの目安時間:約 7分

動画【 複数の専門家が、福島の事故はチェルノブイリを上回ると指摘 】

ロイター John C.K. Daly / アラブ・ニュース(英語版)2011年9月9日

しかしもっと驚くべきは、国内で悲惨な原子力災害が発生したにもかかわらず、何ら決断らしい決断をせず、ひたすら模様眺めをしている日本という国についてです。


日本は世界をリードする技術を持つ一方、いまだに福島第一原子力発電所の事故に直面しています。
一方のベルリンは、この国の技術開発が自然災害の偶然によって左右されてよいものではない、と結論しました。
日本と同様にドイツは人口密度の高い状態にありますが、原子力事故とそれに付随する深刻なトラブルを見て、原子力発電はそれだけのリスクに明らかに見合わない、という結論を出しました。


大瓦解の方ではなく、機会を得た方の変化を見てみると、メルケル首相は以前は2036年の後半までに、ドイツにある原子力発電所の閉鎖を予定していました。
結果としてドイツは再生可能エネルギー開発競争において、優位な地位を得ることとなりました。
「真の工業化が最も早く達成される国家の一つとして、私たちは豊かな再生可能エネルギーに向け、大きな変革を成し遂げることが可能です。それにより私たちは大きな輸出ビジネスを作り上げ、新しい技術と雇用機会を手にすることになるでしょう。」と述べました。


一方、福島第一原子力発電所の事故の結果として、数兆ドル(100兆円以上)ではきかない損失を抱え、日本の原子力産業界は未だに事故処理に追われています。


しかし、いくつかの広範な問題の輪郭が明らかになってきました。
再生可能エネルギーへの転換によって、ドイツの成功だけがヨーロッパでは際立つことになります。
他のEU諸国の原子力発電計画の見直しについては、間違いなくより慎重になることでしょう。


しかしドイツの決定により、原子力産業界はエネルギー不足の問題を抱えるトルコ、リトアニア、ブルガリア、中国、インドなどの発展途上の国々での活動を活発化させる可能性があります。
温室効果ガスの排出を減らす手段として、原子炉の設計を見直すなどして、あらゆる手をつくし、活路を求めていくことでしょう。


エネルギー不足の国は、2~3年の間に原子力発電所を建設し、電力不足を解消するか、ドイツの変化がもたらす 再生可能エネルギーの開発を進めるのか、これから厳しい選択を迫られることになります。


多くは、ベルリンの努力によることになります。
どのような未来が目の前に広がることになるのか、それは誰にもわかりません。
そして世界的な原子力ロビーは、静かな夜の静寂を壊さないよう、行い正しくふるまうことなど、まずありえないのです。    

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記事の方は、いち早く再生可能エネルギーの開発に進路を切り替え、『機会を得た』ドイツが今後大きなビジネスチャンスを迎える一方、『大瓦解の方』原発にしがみつく日本の未来の危うさを指摘します。
動画の方は中東のテレビ局、アルジャジーラの「福島第一原発の結果放出された放射線量の合計は、チェルノブイリ事故の際に放出された放射線量をすでに超えてしまっている、という内容です。
アルジャジーラは一連の中東紛争の際、アメリカの利害に束縛されない報道内容で国際的に注目されましたが、
当然、福島第一原発事故の報道については、日本の利害に束縛されることはありません。
「中東だから」という理由で、報道の信憑性が低い、などという評価は当たらないでしょう。こちらは通信社ではなく自社の特派員の報告です。

リード部分を訳しましたが、本編の中に出てくるのが、またもや[Downplay]です。
「日本政府の調査チームは、放射線の危険性について事実よりも過小に国民に伝えています。」
となっており、また、福島県に『適用された』20mSv/年の値に対しては、世界中の専門家からそれ以下の値でも充分にガン発症などの危険がある、と指摘されていると伝えます。

しかし、日本の10歳の女の子に明らかな放射線障害が現れている、という報道内容は本当に痛ましい限りです。
「関節炎や下痢、倦怠感などの症状」とありますが、この子の将来を考えると言葉がありません。
いち早く住んでいた場所を引き払った、という事ですが、できるだけ早く症状が消失するよう祈るばかりです。

いつも書いている事ですが、もう一度いわせてください。
この国の子どもたちこそ、この国の未来です。
政財界人の中にいる一部の醜い老人たちが口にする「我が国の繁栄」から子どもたちを守るために、私たちは目を光らせ、声を上げていか無ければならない。
このビデオを見て改めてそう思いました。

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動画【 複数の専門家が、福島の事故はチェルノブイリを上回ると指摘 】
[福島第一原発の事故ではすでに、チェルノブイリ事故の際放出された放射線を上回る量の放射線が漏れだしている、と専門家が試算]

アルジャジーラ(英語版)2011年8月

3月の地震と津波により制御不能に陥っている福島第一原発からは、災害から5ヵ月たった今も、1日あたり少なくとも10億ベクレルの放射線が漏れ出しています。
複数の専門家は、漏れ出した放射線量の合計が、結果的には1986年にウクライナで発生したチェルノブイリ事故から放出された量を超えてしまっている、と指摘します。

これが事実であれば、世界の原子力事故災害史上、福島の事故は最悪である、ということになります。

アルジャジーラ特派員スティーブ・チャオが、東京からお伝えします。

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