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「危険過ぎる」「金がかかり過ぎる」欧米は10年以上前に撤退
ワシントン·ポスト 1月31日
〈もんじゅの事故現場〉
もんじゅはその不名誉な歴史ゆえに、人々が嘲笑を向けるべき格好の標的になっています。
日本の技術者が高速増殖炉開発を始めたのは1960年代のことです。
彼らは高速増殖炉を1980年代には商業用に実用化したい、と考えていました。
しかし今やその目標は2050年までずれ込んでしまっています。
▽ 「危険過ぎる」「金がかかり過ぎる」欧米は10年以上前に撤退
元々ある批判、そして核監視団体は、もんじゅは日本にある原子炉の中でウランよりも致死性の高いプルトニウムを燃料としている点、そして水と接触すると爆発する性質を持つナトリウムで原子炉を冷却している点から、最も危険な原子炉である、としています。
アメリカ合衆国とその他の国は、高速増殖炉は危険な上、開発費用が膨大になる、との理由から数十年前にすでに撤退しました。
日本だけが1995年にナトリウムの漏出事故があったにもかかわらず、開発を続けようとしているのです。
1995年には施設の職員が事故を隠ぺいしようとした事実と相まって、もんじゅの開発が14年間凍結されました。
2010年5月に開発が再開された3か月後、今度は3.3トンの機械部品が原子炉内に脱落する事故があり、さらに計画を遅延させることになりました。
脱落した部品は取り除かれましたが、以来、もんじゅは稼働していません。
▽ 改革と悔恨
昨年発生した福島第一原発における三基の原子炉のメルトダウンが、日本の原子力発電の安全性に対する評価を損ない、さらにはこの国の原子力寄りの政策全体が見直しを迫られることになり、もんしゅ再開の可能性はさらに低いものとなりました。
事故以来、停止中の日本の原子炉は、再稼働について地元自治体の了承が得られずにいます。
幾人かの専門家は、日本はそのエネルギー政策見直しと反省を一般国民に示すため、高速増殖炉プロジェクトを取りやめにする可能性がある、と語っています。
閉鎖中の核燃料サイクルに対応するための試みの一環として、日本は北部の青森県においてウラン濃縮と再処理工場の開発を行おうとしました。
この施設は日本の軽水炉から出される廃棄物の再処理を行い、高速増殖炉用のプルトニウム・ウラン混合燃料を作る予定でした。
しかし再処理センターの構想は何十回もの遅れと、際限も無く膨らみ続けるコスト、そしてそもそも高速増殖炉というものが実現できるものなのかどうか、その疑問から、撤回されることになりました。
これに対し、日本原子力研究開発機構の近藤氏がこう語りました。
「私は国民が原子力の安全性を懸念していることを理解していますし、政治家が国民の意見に耳を傾けなければならないことも理解しています。」
「しかしそれと同時に、なぜ高速増殖炉の研究が始められたのかの理由についても考えなければなりません。この計画は来たるべき時代の、日本のエネルギー構想の一翼を担うものなのです。感情的な決定により、廃止されるべきものではないのです。」
〈完〉
http://www.washingtonpost.com/world/japan-losing-hope-for-its-pricey-dream-reactor/2012/01/26/gIQAktERTQ_story.html
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またも出ました「感情的」。
しかし、人間としての当たり前の感情の発露は、国家の正しい選択にはむしろ必要なのではないでしょうか?
福島を始め、今東日本大震災の被災地には何十万という単位で、今も苦しんでいる人々がいます。
放射能汚染が子どもたちの未来を脅かしています。
今はまず限られた国の予算を、これらの人々を守り、救うために使われるべきだという意見は「国家100年の計」を誤らせるものなのでしょうか?
それとも「小の虫を殺し、大の虫を生かす」とでも言うつもりなのでしょうか?
アメリカ・ヨーロッパの開発に携わった人々が言っているのです、「危険過ぎる」と。
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【 国際社会の利害の狭間に死に逝くシリア市民 】
アメリカNBCニュース 2月25日
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