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【 放射線科学の世界的権威が明らかにする・日本の黒い塵、その正体 】《第4回》

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所要時間 約 9分

子供たちを守りきる、そのためには対策を徹底して行う必要がある
日本政府は派生的に発生している問題の対応に忙しく、対応が非常に難しい本質的な問題の解決については、その入り口にすら立っていない

フェアウィンズ 7月10日

汚染01
ガンダーセン : お話を伺っていて思い出したことがあります。
2年前の10月、アメリカ公衆衛生協会の依頼によるあなたの文章が新聞に掲載されたことがありました。
記事中には、子供のスニーカーの写真が掲載されていました。
あなたがおっしゃっていることはまさにこれなのですね。
子どものスニーカーの靴ヒモなどにこの物質が付着してしまう。この子は家に帰り、靴ヒモをほどいて靴を脱ぎ、家に入る。すぐに手を洗えばいいのでしょうが、子供たちの行動がそんな秩序だったものであるはずがない。
帰ってきたそのままの手で食べ物をつかみ口の中に放り込む。それでこの物質が子供の体内に入ってしまうことになります。
ただ、吸入という可能性は低い…

カルトフェン : そうです、期間をそのまま通過する程小さくはありません。
ここでしっかりと認識しておかなければならないことは、私たちの手元には100ミリグラムのサンプルしかないものの、ワーチェスター工芸研究所の物理学者たちはこの中から非常に興味深いものを数多く見出した、という点です。
そして平均的な、屋外で遊んだり運動したりする子供たちの口には、100~200ミリグラム程度の砂埃やその他、土壌に関連する物質が入り込む可能性は極めて高いと言わなければなりません。
この事実は、私たちが真剣に考えなければならない問題だと思います。

ガンダーセン : 確かに考え込まざるを得ない問題です。
この現実を前に、行政機関は『除染が完了した』とされる地区でも、その後の放射性物質の移動という事が可能性としてある訳ですから、監視の目を緩めてはならないということになります。
放射性物質自体に自治体ごとの境界線でとどまるなどと言う『自覚』など、あるはずがないのですから。

浪江04
カルトフェン : 今私たちが問題にしているこの黒い物質が、どういう条件でどのように移動するか、モデル化するための方法が複数あります。
ですから、実際にこの物質のサンプルが手に入ったということが、大きな意味を持ってくることになります。
問題の物質の構成と構造が解れば、最終的にどういう場所に溜まりやすいのか、どんな場所が放射線量が高くなるか予測することが可能になります。そうすれば除去するための効率的な方法を検討することかできるようになり、人々に不用意な被ばくを指せないようにできるのです。

司会 : お話はよく解りました。
物質についての分析と検討を進めることで、より効率的な除染を行う機会を手に入れられるという事ですね。
では具体的に、線量の高いホットスポットから、どうすればこの物質を取り除くことが出来るのでしょうか?

カルトフェン : 私は放射性物質に関わる問題を解決するための土木技師としても充分な経験を積んできましたが、こうした場所の除染と土壌改良のための技術はすでに存在しています。
建設現場、開発現場、あるいは不動作取引の際、放射性物質の存在が問題となる現場で、解決のための手順はすでに確立しており、実際に良好な結果を得た例も多数あります。

しかし、この取り組みを成功させるにはある条件が必要です。
全権を持った人が、この処理を実行するという事を隅々まで理解させる、トップダウン・アプローチが必要なのです。
つまり、政治的な決断が必要だという事です。
そうでなければ必要な技術すべてを、現場に投入することが出来ません。

082904
関わっているすべての人々が根本的な除染が必要だという事を認識すること、そして政府が実施するための前提条件をすべて整える必要があるのです。

ガンダーセン : その問題については、私も昨年来機会がある度お話してきました。
日本政府を動かさなければならない、実はそれこそが最も大きな問題なのです。

本当に解決しなければならない大きな問題、その問題と日本政府が正面から取り組もうとしているようには、私には見えません。

福島第一原発の事故収束作業に関して、日本政府は派生的に発生している問題の対応に忙しく、対応が非常に難しい本質的な問題の解決については、その入り口にすら立ってはいない、私はそう考えています。

カルトフェン : 私は日本政府の政策について論評する立場にはありません。その問題について私は門外漢です。
しかしこの問題がいつまで手付かずのまま、先送りして良い問題ではないことぐらいは解ります。
この問題は国全体、世界全体で取り組まなければならない問題なのです。

〈 第5回につづく 〉

http://fairewinds.org/podcast/japans-black-dust-with-marco-kaltofen
  + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

今回のシリーズは明日掲載の第5回で完結します。
明後日5日・土曜日は休載とさせていただきます。
6日・日曜日新たな翻訳記事をアップいたします。
よろしくお願いいたします。

  + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

【 2013年・宇宙カメラマン・オブ・ザ・イヤー作品集 】《後篇》

アメリカNBCニュース 9月28日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

Astro16
[グリーン・エネルギー]ノルウェー : フレドリック・ブロムス
異動するオーロラが、地球の複雑な磁場によって千変万化する様子をとらえています。(写真上)

[宇宙空間での整列 : 彗星レモン、GC 47巨嘴鳥座、SMC]アルゼンチン : イグナシオ・ディアス・ボビリョ
彗星レモン、GC 47巨嘴鳥座として知られる球状星団、そして小マゼラン星雲
を一枚に収めた、非常に珍しい銀河系の写真です。(写真下・以下同じ)
Astro17
[磁場のメールストロムの旋渦]アメリカ : アラン・フリードマン
太陽の黒点とその周囲の表面の様子を詳細にとらえた写真です。磁場の中心である写真の小さな黒い点の実際の大きさは地球と同じ程度で、それぞれの磁場は地球の10倍ほどの大きさがあります。
Astro18
[金星の太陽面通過、キツネ狩りをする人々の墓所、ウェールズの高地]イギリス : サム・コーンウェル
太陽の右上、太陽が欠けたようになっている部分が金星です。
Astro19
[不等辺四辺形星団と周囲の星雲]ハンガリー : ラスロ・フランシス
不等辺四辺形星団がその中心にあるオリオン星雲は、別名「星の保育園」とも呼ばれています。雲状のちりとガスの噴出により、絶えず大小の星が無数に生み出されていることから、この名がつけられました。
Astro20
[天を塗る絵具 : Sh2 - 239]アメリカ : アダム・ブロック
宇宙では2,000~3,000年以上かかって、星雲の中にある星が発射する放射線により、ゆっくりと消滅して行きます。
しかし宇宙の時間感覚から見れば、ほんの一瞬の出来事に過ぎません。
Astro21
[月の影]オーストラリア : マーク・ジー
昇る月に対して輪郭を映し出したシンプルな写真ながら、無数の物語が秘められているような錯覚を憶えます。
Astro22
[コロナの花びら : 2012]中国 :マン・トウフイ
Astro23
http://www.nbcnews.com/id/53097406/displaymode/1247?beginSlide=1

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ほんとうの「今」を知りたくて、アメリカCNN、NBC、ABC、CBS、英国BBC、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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