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【 原子力発電所の稼働、その先にある最大の難関、最悪の課題 】[ドイチェ・ベレ]

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所要時間 約 7分

なぜこんなものを作ってしまったのか…
莫大な金額に上る原子力発電所の廃炉費用、電力会社の積立金では賄えず
使用済み核燃料をどこに保管するか、場所の選定だけで2,800億円の費用

クラウス・ドイズ / ドイチェ・べレ(ドイツ国際放送) 2月18日

廃炉01
ドイツの原子力発電所を廃炉にするための費用は、天文学的な金額に昇ることになりそうです。

専門家は原子力発電所の廃炉、放射性核廃棄物の処理費用としてこれまで準備してきた金額内に収まるかどうか、この点について懸念を深めています。

ドイツ国内の原子力発電所を全廃することは、すでに政策として決定されたことであり、計画では2022年までにすべての原子力発電所が稼働を停止します。

再生可能エネルギーへの転換が電力料金をすでに押し上げている現状に加え、この政治決断に伴いさらに数十億ユーロ(数千億~数兆円)の費用が必要になります。
さらには原子力発電所が稼働を停止した後、これらを解体し、すべての原子炉を廃炉にするため一体いくら費用がかかるか、具体的な金額は不明なままです。

専門家は、この目的のために電力会社がこれまでに準備してきた、340億ユーロ(約4兆7,600億円)と言う金額の中ではとても納まらないことを確信しています。

Gorleben01
ドイツ政府は、現在9か所の原子力発電所が現在電気を供給していると正式に公表しています。
8基の原子炉については、福島第一原子力発電所の事故後稼働を停止しています。
さらに16か所の原子力発電所が現在長期間を要する廃炉プロセスに入っています。

合計で33カ所の施設について、原子炉の廃炉、放射性核廃棄物の処分を行われなければなりません。

解決すべき問題は、金額的なことだけではありません。
いったいどこに使用済み核燃料を保管するのか、この問題も見通しが立っていません。

ドイツ連邦政府は、使用済み核燃料をどこに保管するのか、その場所を決定するためだけで、これから15年間に20億ユーロ(約2,800億円)の経費が必要になることを2013年4月に明らかにしました。

回復できない蓄え

Reactor 4
福島第一原発の事故が発生する以前から、ドイツ国内の電力会社は使用中の原子炉を将来廃炉にするための費用を積み立ててきました。
しかし各企業はもっと長期間原子力発電を続けることを計画していたため、稼働停止から廃炉に至るプロセスはもっとずっと先に予定していました。

ドイツの原子力発電Forum(DAtF)は、これまでの準備金がおよそ340億ユーロとなると見積もっています。
報告書によれば、このうち180億ユーロが電力会社のEon、100億ユーロがRWEに、36億ユーロがファッテンフォール(Vattenfall)内に留保されています。

すでに原子力発電所の解体と原子炉の廃炉作業が開始され、中には予定を上回るペースで作業が進んでいる施設もありますが、それぞれが準備した資金で間に合うかどうかは疑問視されています。

エネルギーの専門家は、より高額に昇るはずの費用を正確に算定する必要があると述べています。

廃炉05
RWEは、ラインラント‐プファルツ州でミュールハイム・カーリッヒ原子力発電所の閉鎖を完了するためには7億5000万ユーロ(1,050億円)かかると計算しています。
ドイツの議会の原子力発電に反対する緑の党も、原子力発電所を廃棄するためには莫大な費用がかかることを認識しています。

さらに問題があります。
実際にこの金額を支出しようとしても、電力各社が『積み立てた』340億ユーロは銀行の口座には無いのです。
各電力会社とも、この金額をすでに投資に回してしまっているのです。
RWEの場合、廃炉費用に充てられるべき現金は、オランダと英国の発電所への投資に回ったままなのです。

▽ 誰が負担するのか?

問題はまだあります。
現在廃炉作業を行っているビブリス原子力発電所の一連の訴訟の例でも分かる通り、RWEは原子力発電部門において一切損失を被るつもりが無いという態度を明確にしています。
裁判所において最終判断が下され、RWEは勝訴し、国に対し賠償を求める途が開かれました。
企業内部の関係者は、損害金額は1億8700万ユーロにのぼる可能性があると語っています。

廃炉08
ドイツがエネルギー政策を大きく転換したために、原子力発電を運営し、長期間その施設を使い続けるつもりであった各企業は、自分たちが依って立つ財政基盤が大きく縮んでしまったことに気づきました。

一部の政治家は、原子力発電所を経営して来た企業が破綻に直面した場合には、原子力発電所の廃棄・廃炉のために積み立ててきた資金の流用を許されることになるかもしれないと語っています。

残された原子力発電所を廃炉に確実するため、公的な資金を積み上げることは有効な手段の一つのようにも見えますが、それをすれば原子力発電所を運営してきた企業がさらに窮地に追い込まれる可能性があります。
RWEを例に取ると、現状を見る限りこの基金に支払わなければならない負担分については、同社は新たに多額の借り入れを行わなければなりません。

ドイツの原子力発電所を完全廃炉にするためには、一か所あたり数十億ユーロの資金が必要であり、その金額は当初の見積もりをはるかに上回ってしまいました。

そしてまだまだ問題があります。
その高額な費用を、最終的に負担するのは誰なのでしょうか?

http://www.dw.de/scrapping-nuclear-plants-to-cost-billions/a-17439221
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誤解しないでいただきたいのは、原子力発電所の廃炉をするから多額の費用を必要とするという事では無いという点です。
年限が来れば廃炉しなければならないのは、原子力発電所にとっての必然です。

その原子力発電所を野放図に国中に建設してしまったがために、ドイツの今の苦しみがあるという事です。

私たち日本人は『重要なベースロード電源』という利便性の裏に、巨額の廃炉費用、引き受け手の無い使用済み核燃料という、果たして完全解決が可能なのかどうか、それすらわからない深刻な問題が潜んでいることを常に念頭に置く必要があると思います。
そして『ベースロード電源』として使えば使うほど、この問題は拡大を続け、将来の世代の苦痛と負担も際限も無く拡大していくことになるのです。

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ほんとうの「今」を知りたくて、アメリカCNN、NBC、ABC、CBS、英国BBC、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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