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ほぼ毎日ランニングを行っている人の死亡率は、していない人より30%低い
走る距離や時間にはほとんど関係なく、走るという習慣さえあれば死亡率・疾病率が下がる
グレッチェン・レノルズ / ニューヨークタイムズ 7月30日
運動と死亡率の関連を調べる大規模な研究調査の結果、1日あたりたった5分間のランニングにより、早死にする危険性を大幅に減少させることが明らかになりました。
研究結果は例え短い時間であっても適度な運動を行うことが、専門家が考える以上の効果がある事を示唆するものです。
特にここ数年間、速歩などの適度な運動を行うことが、運動科学や健康指導の面でどれ程役に立つか集中的に研究が行われてきました。
アメリカ政府による2008年の公式なガイドラインは、成人の場合一日あたり30分間の適度な運動をほぼ毎日行わなければならないとしています。
その後、一日当たりの運動時間は15分でも、同様の効果が得られるとこのガイドラインには訂正が加えられました。
しかしどのぐらいの運動量が病気の発生率を抑え、寿命を延ばす効果があるのかについては、これまでそれほど多くの研究が行われてきたわけではありません。
そして短い時間の運動によって、十分な健康増進・老化防止の効果が得られるとする研究結果はこれまでほとんど明らかにはされていませんでした。
これに対し7月28日月曜日、アメリカ心臓学会の機関雑誌に新たな研究結果が掲載されたのです。
アイオワ州立大学、サウスカロライナ大学、ルイジアナ州バトンルージュにあるペニントン・バイオメディカル研究センターその他の研究機関のメンバーからなる研究チームは、テキサス州ダラスにあるクーパー・クリニックとクーパー研究所が持つ膨大な量のデータベースに着目しました。
これまで何十年もの間、双方の機関の研究者たちは検査のため訪れた何万もの男女に対し、その健康状態について具体的に調査・記録し続けてきました。
どれ程の頻度で行っているか、どれぐらい早く走れるかなど、運動習慣と運動能力に関する詳細なアンケートを行い、その結果を記録し続けてきました。
今回の研究ではこのデータベースの中から、この15年間に検査のため訪れた18~100歳の健康な男女55,137をサンプルとして選び出しました。
この集団の中で、走る距離やスピードは様々でしたが、24パーセントの人が日常的にランニングを行っていると判断しました。
研究チームは次にこれらの人々の現在の存命状況について追跡調査を行いました。
検査を受けてから15年以内に約3,500人が死亡してましたが、死亡原因の第一位は心臓疾患でした。
しかしランニングをしている人々は、していない人と比べると明らかに存命率が高いことが解りました。
あらゆる死亡原因を総合すると、日々ランニングを行っている人の死亡率はしていない人より30%低いことが判明しました。
死亡原因を心臓疾患に限ればその値は45%です。
この数値の算出する際には、喫煙習慣の有無、肥満の有無について調整を行っています。
そしてランニングを行っている人々の平均寿命は、運動しない人々を3年上回りました。
しかし意外であったのは、走る距離や時間にはほとんど関係なく、走るという習慣さえあればこうした恩恵が得られるという調査結果でした。
1週週間あたり合計で150分以上のランニングをする、あるいは1マイル(約1,600メートル)を6分以内に(時速16km以上で)走る人々は、ランニングをしない人に比べ、平均寿命は明らかに長くなっていました。
「この報告を聞いてそれなら自分も、とお考えになる方が多いのではないでしょうか?」
こう語るのは今回の調査研究を共同主宰したペニントン研究所のティモシー・チャーチ教授です。
今回の研究はペニントン研究所のヘルス・ウィズダムのジョン・S・マックルヘニー・エンダウド・チェアーによって行われたものです( http://www.pbrc.edu/research-and-faculty/faculty/?faculty=3238 )。
「私たちはもちろん、マラソンランナー並みのトレーニングをしろと言っている訳でも無く、わずか5キロのマラソンですら要求していません。」
「一日たった5分のランニングなら、ほとんどの人が生活の中に取り入れることが可能です。しかしどんなに忙しい人であっても、それによって回避できる死亡リスクには注目せざるを得ないと思います。」
チャーチ教授は今回の研究は、ランニングがどのような作用によって、あるいはなぜ早死にのリスクを軽減するのか、その理由を直接明らかにするものではないと語りました。
また、様々に運動の中でランニングだけがそうした効果を持つのかどうかも明らかにはされていません。
今回の研究では一般にランニングの方が、もっと穏やかな運動を行うよりも延命効果が高いという事も証明されていません。
しかし、「当然のことですが、これだけの健康増進効果が得られるのはランニング以外にはないという事はありません。」
チャーチ教授がこう語る一方、延命効果のカギになるのは、その運動が身体に強靭さ – 抵抗力や持続力など総合的な強さに結びつくかどうかという点だろうと指摘しました。
「その点、ランニングはそうした効果を得るために、誰もが手軽に始められる運動です。」
そしてこれまで一度もランニングをしたことのない人、そして持病を抱えている人は、ランニングを始める前に一度かかりつけの医師と相談する必要があると、チャーチ教授が付け加えました。
そしてランニングはしたくないという人は、運動方法を変えても差し支えないと語りました。
縄跳び、あるいは自転車のペダルを早いペースで漕ぎ続けることにも同様な効果があると例を挙げました。
あるいは水泳など、他の方法によっても効果を得ることが可能です。
少々億劫だとお考えかもしれませんが、一日5分間の努力があなたの人生を変えることは確実なようです。
http://well.blogs.nytimes.com/2014/07/30/running-just-5-minutes-a-day-has-long-lasting-benefits/?_php=true&_type=blogs&ref=health&_r=0
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ここ1、2年の【星の金貨】を見慣れた方は今回のテーマに少々驚かれたかもしれません。
ゲンパツと政治問題が専門のようになっていましたが、2011年~2012年ごろはもっと幅広い記事の掲載を行っていました。
当時の方が福島第一原発の状況は深刻でしたが、一方で日本の危機はフクシマの危機だけだったかもしれません。
今はフクシマの危機に加え、日本の民主主義が危機に陥っています。
その分、他のテーマを取り上げる余裕が無かったという事なのかもしれません。
そして下の写真集。
子どもたちには無限の可能性があり、これからの人生には実り豊かな春夏秋冬が訪れるはずです。
その子供たちを容赦なくずたずたにし、手足を吹き飛ばし、血だらけにして殺してしまうのが戦争です。
その意味で戦争など崇高であるはずがありません。
外交紛争を武力でしか解決できないのは、その時々の政治の無能の証明です。
明日4日(月)は掲載をお休み致します。
よろしくお願い致します。
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【 短い停戦の後、ガザ地区への激しい空襲を再開したイスラエル 】〈2〉
アメリカNBCニュース 7月29日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)
7月29日ガザのトュファー地区から上がる、イスラエル軍の空爆による煙と炎。
短い休戦の後、パレスチナ側が猛烈なロケット弾攻撃を再開、応戦する形でイスラエル側の猛爆が一晩中続きました。(写真上)
7月26日、破壊されて自宅の前で嘆き悲しむ女性。(写真下・以下同じ)
7月30日、イスラエル軍が人々で込み合うシジャイヤ地区の市場を空爆、死者16名負傷者200名以上の犠牲者が出ました。写真は救急車の到着を待つ負傷者。
7月28日、8歳の息子の遺体があるシファ病院の遺体安置室の外で泣き崩れる父親。
7月30日、パレスチナ住民に自宅を捨てて避難するよう呼びかけるビラを撒いたイスラエル。
7月30日、イスラエル軍によるシジャイヤ地区市場への空爆により負傷した少女をシファ病院の緊急処置室に運びこむ男性。
7月20日、4人の子供たちの遺体を前に泣いているパレスチナ人医師。