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【 戦後70年、初めて日本の軍事力行使を可能にさせる安倍政権 】《後篇》NYT

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所要時間 約 8分

一般国民の十分な理解も無く議論も無い中、70年間日本人が守り続けてきた平和主義をなぜ壊す?!
安全保障関連法案に日本の国民がこれ程反発しようとは、アメリカ政府側は考えてもいなかった

ジョナサン・ソブル / ニューヨークタイムズ 7月16日

安全保障法案01
4月のアメリカ合衆国上下両院合同会議における演説の中で、安倍首相はすでに緊密な日米関係を一層今日強力なものにするための法律を制定すると誓いました。
しかし、「日米の同盟関係強化について、日本の国民からこれ程の反発が起きようとは、アメリカ政府側は考えてもいなかったはずです。」
スミス氏がこうコメントしました。

安全保障関連法案は自衛隊の名で知られる日本の軍隊が、国際紛争の場でアメリカ軍と緊密に連携して後方支援(兵站業務)を行い、さらに特定の状況下では掩護のための武力行使を行う事を可能にします。
そして両国の軍隊の協力方法について今年日米両政府が署名済みの、防衛ガイドラインを補完する目的を持っています。

安全保障法案03
憲法による軍事に対する制約を緩めていけば、いずれ日本が本来不必要な戦争に巻き込まれる危険説があるという、国民が持つ懸念を払しょくすることが出来ませんでした。
イラクでのアメリカ合衆国が主導した戦争は、この法案に反対の立場の人々によってたびたび警鐘の実例として引き合いに出されますが、安倍首相とこの法案の支持者は安全保障関連法案に含まれる条文の規定により、日本が武力紛争の場で実際の戦闘に巻き込まれる恐れはないと主張しています。
この法律では同盟国を守るために戦闘行動を起こすことが出来ますが、ただし「日本国民の生命と存立」が脅かされている場合に限られるとしています。
これについて安倍首相と対立する立場の人々は、基準が漠然とし過ぎていると反論しています。

この法案の先行きに新たな障害が発生するとすれば、裁判所に違憲の判断を求める訴訟が提出されることです。
ただし実質的に効力を発揮するかどうかは解りません。

安全保障法案05
第二次世界大戦(太平洋戦争)後、アメリカ軍の占領下において起草された憲法第9条の条文は次のようなものです。
『日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。』
複数の調査により、憲法学者の90パーセント以上は、安全保障関連法案が憲章に違反しているとの見解を明らかにしています。
しかしこれまで日本の裁判官の多くが、過去安全保障の問題に関して政府見解を覆そうとはしませんでした。

「一般国民の十分な理解も無く議論も無い中で、70年間日本政府によって確立されてきた憲法解釈を無視することは、大きな誤りです。」
最大野党民主党の岡田代表は、採決のボイコットの前にこう語りました。

安倍首相はこれまで、戦争することを厳しく制限している条文を日本国憲法から削除しなければならないと、強く主張してきました。
しかし憲章を改定するためには最終的に国民投票による賛成多数が必要であり、安倍首相は修理できないと見られています。

安全保障法案04
少なくとも現時点では憲法の解釈変更による安全保障関連法案の成立こそが、安倍首相が望める最大の成果であると見られています。

15日水曜日夜、国会の外で大勢の国民が反対を叫び、中では野党議員が声を荒らげ「安部政治を許さない」と書かれたプラカードを掲げて後記議するなど混乱が続く中、委員会に於いて安全保障関連法案が強引に承認されました。
野党議員は委員会議長の手からメモをもぎ取り破り捨てる一幕もありました。

この夜抗議のために集まった一般市民の数は、主催者側の発表で100,000人を超えました。
抗議の声を挙げるためこれ程の市民が集まったのは、福島第一原子力発電所の事故の1年後の2012年、原子力発電所の再稼働が発表されて以来です。
警察側は参加者について『公式の集計数』を発表しませんでした。

安全保障法案02
翌木曜日の夜は断続的に土砂降りという悪天候に見舞われましたが、抗議のために集まって来る人々の姿がありました。
彼らは「安倍政権の恥知らず」という言葉を叫んでいました。
そしてこう続けました。

「前途ある若者を戦場に送るな!」

< 完 >
http://www.nytimes.com/2015/07/17/world/asia/japans-lower-house-passes-bills-giving-military-freer-hand-to-fight.html?ref=topics&_r=0
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【 7月最終週の報道写真から 】

アメリカNBCニュース 7月30日
(掲載されている写真をクリックして大きな画像をご覧ください)

week01

7月29日、迫りくる山林火災から避難するカリフォルニア州ロワーレイク近くのモーガン・バレーの住民。(写真上)

7月26日のカナダ、ケベックのグランビーの農場で、猫に鼻をこすりつける乳牛。(写真下・以下同じ)
現在ハワイで行われているTPP交渉でカナダはこれまで、酪農製品の輸入枠の拡大を拒絶、会談の大きな課題の一つとなっており、アメリカ合衆国とニュージーランドは苛立ちを募らせています。
カナダは酪農市場全体が拡大するのでなければ、条約には調印できないと主張しています。
week02
7月29日、ブラジルのリオデジャネイロのティファナ・ビーチで日光浴をする人々。
week03
7月27日、フィリピンのケソンシティーでフィリピン議会に向かおうとした、政治の腐敗に反発・抗議する市民が機動隊に阻止されました。
week04
7月29日のフランス北部のカレーにあるユーロトンネル付近を歩く不法移民。
約2,100人の不法移民が21日火曜日、イギリスへ不法入国するため、ユーロトンネル入り口を襲撃しようとして、警察に阻止されました。
week05
7月26日、トルコ、イスタンブールの勇者の広場を歩く抵抗運動者。
ここはイスラム教の少数派であるはトルコ・アレビテ派の人々の聖地で、治安部隊が左翼の活動家を殺害した後3日間、、警察の機動隊とデモ隊との激しい衝突が続き、警官が死亡しました。
トルコは国内で一連の暴動が発生すると、国境の外でイスラム国(ISIS)とクルディスタン労働者党(PKK)に対する『テロ対策』のための2正面作戦を開始し、空爆と地上部隊による砲撃を加えました。
しかしこのことで、イラク北部でイスラム国(ISIS)と激しい戦いを繰り広げているクルディスタン労働者党(PKK)を敵に回すことになり、2013年以降保たれてきたトルコとクルディスタン労働者党(PKK)との休戦協定は危殆に瀕しています。
week06
http://www.nbcnews.com/news/week-in-pictures/week-pictures-july-23-30-n401061

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ほんとうの「今」を知りたくて、アメリカCNN、NBC、ABC、CBS、英国BBC、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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