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【 核兵器開発疑惑の真相に迫る 】《2》

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所要時間 約 8分

同時多発テロの発生を受け、膨大な資金をテロ対策目的ソフトウェア開発に注ぎ込むアメリカ
科学者のカード利用記録で移動先を追跡、人脈を解析して核兵器の開発状況を分析する
『二重用途』を持つ物質、平和利用目的なのか軍用目的なのかの判断は時間との戦い

エコノミスト 9月5日

ECO-NUKE02
2011年9月11日、同時多発テロの発生を受け、アメリカは膨大な資金をテロ対策を目的としたソフトウェア開発に注ぎ込むようになりました。
このブログラムはネット上でやり取りされている電子メール、教育プログラム、ウェブの閲覧記録、通話記録、銀行における決済の記録、物品の購入などアクセスできる情報なら片っ端から検証し、テロリストである可能性のある人物を特定しようとします。

例えばネット上でイスラム教過激派の聖職者のポッドキャストをダウンロードし、そしてその聖職者がいる都市を訪れ、そしてイスラム国(ISIS)の支配地域との間で電話連絡を取った人物がいれば、その人物は諜報機関のコンピュータ・スクリーン上に大きく表示されることになるのです。

現在アメリカは、核兵器などの詐取を企む人物や組織を特定できるようにするソフトウェアの開発に力を注いでいると、ホワイトハウスの国家安全保障会議で過激派勢力の拡大を阻止するチームを率いていたウィリアム・トービー氏が語りました。

こうした分析のために使われるソフトウェアは、IBMの『i2分析官のノートブック』、カリフォルニアのパランティア社の『パランティア』、そして国防総省も出資してペンシルバニアのカーネギー・メロン大学で開発されたORAなどです。

広島平和記念資料館内
カーネギー・メロン大学で研究を率いるキャサリーン・カーリー氏は、ORAは30,000人以上の核開発の専門家、各研究機関の組織的研究結果と調査結果、そして学術出版物をすべて検証したうえで作り上げられたと語りました。

研究の中身だけでなく、こうした研究出版などの動きを追跡することが現状分析に役立つことがあります。
例えば出版停止の措置が現状を物語ることもあります。
核兵器開発計画に関わっている科学者は、通常は出版の自由などは認められません。
ある特定の情報が機密扱いになったり、出版禁止になることで、その意図を察することが可能です。
またクレジットカードがどの場所で利用されたかの記録を追跡し、たとえば放射能汚染を専門に扱う医師たちが、不自然な程数多く同じ場所に異動していることを突き止め、何が起きているかを分析することもできます。

▽ 誰と誰がその場所にいるのか?

これらのソフトウェアは順列・組合せの数学理論を使い、それぞれの研究者たちの特性を分類整理することで、結論を導きます。
人物の分類基準はつぎのようなものです。
「中心的役割を果たす人物なのかどうか」(その人物の重要性)
「接触関係」(他の研究者との接触記録)
「集合体」(ネットワークに含まれる研究者の数)

サバンナ川最終処分場03
高い接触関係と少数の集合体した持たないネットワーク・メンバーは、中心的な人物である傾向があります。
本来多くの接触権限を持っていても、地位の高い人物は不特定多数の人間とは関わろうとしない傾向が認められます。

最近になって5人以上のイランの核科学者がイスラエルのモサドによって暗殺されましたが、その容疑者たちがこうしたソフトウェアを利用していることは間違いない。
こう語るのは、アメリカの元空軍長官であるトーマス・リード氏です。
氏には核拡散の歴史をまとめた著作(共著)「核エキスプレス」があります。

重要な事ですが、これらのソフトウェアは核兵器開発計画で重要な役割を果たす可能性のある物質を探し出すことが可能です。
これは思ったより簡単な事だと、フロリダ州タンパにある米国国防総省の元分析官が匿名を条件に語りました。
手製通常爆弾や生物兵器の材料は様々な経路を使って入手が可能ですが、核兵器を製造するには特殊な材料が必要になります。
これらのソフトウェアは、核兵器開発の『鍵』となる物質の数を特定、その行方を事細かに追跡していくことができると彼は語ります。
この情報の中には遠心分離器を製造する際に必要になるセラミック化合物を生産している限られた数の企業、そしてセラミック化合物を加工できる一握りの企業の情報が含まれています。

Gorleben貯蔵所
日本とロシアを含む数カ国はネットワーク分析を行っています。
日本の情報捜査機関は経済産業省の予算で動いています。
この機関は『二重用途』を持つ物質が平和利用目的なのか軍用目的なのかを判断し、輸出を許可するかどうかの判断を行う際などに助言等を行います。

こうした作業は慎重を要する、そう語るのは匿名を条件に取材に応じた、ウラジミール・プーチンが設置した安全保障評議会に助言を与える委員会の幹部です。
個々の機器や物質は核兵器開発とは無関係だと考えられるものの、場合によっては誤った判断をされる場合もあると彼は語ります。

情報源や情報の中身は多種多様であり、必然的に分析には時間がかかります。
アメリカ国務省の軍縮担当次官であるローズ・ゴッテンメーラー氏は、船が出港した後に複数の情報が照合され警報が発せられることがしばしばあり、その場合関係国の当局に乗船の上臨検するよう依頼する場合があると語りました。

しかし分析スピードの改善は続いています。
電話でのやり取りをコンピュータが判読可能なテキストデータに変換するソフトウェアが、
「とても役に立ちました」と語るのは、元オーストラリア外務省の安全保障局長で、拡散防止のためのNPO団体の前代表を務めたジョン・カールソン氏です。

-《3》へ続く –
http://www.economist.com/news/technology-quarterly/21662652-clandestine-weapons-new-ways-detect-covert-nuclear-weapons-are-being-developed?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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【 核兵器開発疑惑の真相に迫る 】の《3》以降は2016年1月に掲載いたします。

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【 ガーディアン[目撃]アブダビ、リワオアシス 】

ガーディアン EYEWITNESS 12月21日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

Eyewitness02
アブダビのエミラティ・キャピタルの南西にあるリワオアシスを、ラクダを引いて横切る男性。
http://www.theguardian.com/world/picture/2015/dec/20/eyewitness-liwa-oasis-abu-dhabi

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ほんとうの「今」を知りたくて、アメリカCNN、NBC、ABC、CBS、英国BBC、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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