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【 隠され続けるフクシマの現実、歪められる真実 】《4》

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所要時間 約 9分

一般市民の人権や安全を軽視し、企業の利益や経済的利益を優先させる日米両政府
必要なのは山脈まるまるひとつから表土をすべて削り取るような除染、総費用は55兆5,000億円
福島県内5~10%の除染で、30,000,000個の放射性廃棄物のゴミ袋

フェアウィンズ 4月5日



ハリントン:ガンダーセンさん、あなたは3基の原子炉が同時にメルトダウンした福島第一原発の事故を、史上最大の産業事故と表現されていますね?
ヴァーモント・ヤンキーと比較するとどういうことが言えますか?
またヴァーモント・ヤンキーや他の原発など、アメリカ国内で行われている廃炉作業と比較すると、どういう事が言えるのでしょうか?

ガンダーセン:そうですね、ヴァーモント・ヤンキー原発の敷地を更地に戻し、そこを緑の草原、農地、ガス火力発電所用地、あるいは川沿いの住宅地などとして再開発できる土地にすることを考えてみましょう
そのためには約10億ドル(約1兆1,000億円)の費用がかかります。
そしてフクシマの場合はその50倍はかかります。5000億ドル(約55兆5,000億円)です。
原子力災害とはそういう見ものです。
ここヴァーモント州にあるグリーン山脈が放射能で汚染されてしまった状態を想像してみてください。
次にその汚染を取り除くため、シャベルを使って大量の人間が表面の土を削り取る様子を想像してみてください。
それが今、フクシマで行われている作業なのです。

2016GRD
フクシマを訪れて、私はこれまでの人生でこれ程多くのダンプカーや建設車両を見たことがありません。
作業では容量が1立方メートルのビニールバッグに汚染土や低線量の核廃棄物を詰め込んでいきます。
袋ひとつの重さは約1トンです。
この袋が30,000,000個あるのです。
福島県内のどこに行っても、核廃棄物を詰め込んだこの袋が何段にも何段にも積み重ねられた場所に行き当たります。

これまで進められた来た作業によって、恐らく福島県全県の5~10パーセントの除染が完了したものと思われます。
しかし山の中に分け入って除染作業を行うことはできません。山を丸裸にして除染を行う事は不可能です。

そして起こるべきことが起きます。
台風はこうした山から様々なものを吹き飛ばし、四季の変化は植物の種や花粉を運んできます。
除染が完了したはずの町や村に風に乗ってやってくるのです。
こうして山から運ばれた汚染物質により再び汚染されてしまうのです。
放出された放射性物質の90%は山岳地帯にあるのですから…

低線量放射性廃棄物ビニールバッグ
ハリントン:そんな膨大な数の廃棄物の袋を日本はどうするつもりなのですか?

ガンダーセン:日本の人びとも同じ疑問を持っています。
日本では焼却処分が検討されています。
しかし私に言わせれば焼却しても放射性物質は無くなりません、煙突から再び大気中に排出されるだけです。
つまり放射性物質の存在そのものは全く解決されずに、再び放出されるだけになるだろうという事です。
大気中の放射線量が再び上昇する恐れがあります。
焼却処分を行なえば、一度ビニール袋に詰め込んだはずの方が再び大気中に吹き上げられることになるのです。
2度事故が起きるようなものです。
この処理については排煙装置に取りつけたフィルターが放射性物質をすべてからめとると主張していますが、私が検証した限りそれは不可能です。

ハリントン:私たちは番組の最後に、アーニー、あなたが日本で制作したビデオを放映することにしていますが、皆さんにも引き続きご覧いただきたいと思います。
私はこのビデオを見て、非常に心を動かされた一人ですが、きっと皆さんも同じ思いを抱かれることと思います。
このビデオを見れば、福島で今いったい何が、本当は何が起きているかが明らかになる、そう断言できると思います。

楢葉町05
ガンダーセン:そうですね。
この5年間福島でいったい何が起きていたのか、私たちは多くの人々や各機関から繰り返し質問を受けてきました。
そして今年1月、その結果を一本の番組にまとめるように依頼されたのです。
日本に旅立つ前、私はいろいろな資料の整理を行いましたが、この事故について合衆国政府がどのような見解を持っているかを報道した古い新聞の束を見つけました。

その中に、米国エネルギー省の見解もありました。
福島第一原発の事故についてはさほど心配する必要はない、チェルノブイリのようになる兆候はどこにも出ていない。スリーマイルと同じような状況と考えて良いだろう。
さほどひどいことにはならないはずだ…

一方の私は5年前、テレビに出演し次のように発言しましたが、たわごとだという人々がいました。
福島第一原発の事故は人類史上、産業事故として最悪のものである、と。
フェアウィンズがこの5年間、事故発生後の折々に指摘してきたことをすべて丹念にたどってみてください。
戯言を言っていたのはどちらか、はっきりすることと思います。

3号機
そして私は目を見開かされる思いで、こう結論するに至りました。
アメリカ政府も福島第一原発の事故の過小評価と事実隠ぺいに加担している。
ヴァーモント・ヤンキー原発の問題についても、原子力発電所の廃炉と撤去にどれ程巨額の費用が必要なのかを始め、山積する課題についても人々の目に触れないようにしている。
そして一般市民の人権や生活の安全を無視し、企業の利益や経済的利益を優先させているという点において、日本政府もアメリカ政府も同罪なのです。

- 《5》へ続く -
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//arnie-gundersen-on-cctv-nuclear-free-future-fukushima-at-5-and-the-vermont-yankee-shutdown-what-do-they-mean
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【 3本の手足を切断したカメラマンがとらえた難民問題 】《2》

アメリカNBCニュース 4月24日

難民16
3本の手足を失ったカメラマン、ジャイルズ・デュレイ氏は、中東を始めとする難民たちの実情を撮影、公開しました。
深刻な障害を負っても尚、彼は難民たちの実情を世界に向け発信するという情熱を失いませんでした。
ロンドン出身の彼は、アフガニスタンで取材中に地雷を踏み、その後5年間で30回の外科手術を受けなければなりませんでした。
彼は今、戦争によって生活を破壊され、そして傷つけられた人々の窮状を世界に向け発信することに九死に一生を得た命を捧げています。
(写真上)

10月26日、スカラスカミニア海岸に到着し、子どもを抱える母親。(写真下・以下同じ)
国連難民高等弁務官(UNHCR)とその協力機関は、特に立場の弱い母親と子供たちのために安全な避難場所を確保すべく、困難な取り組みを続けています。
難民17
10月28日保温シートを巻きつけて体が冷えないようにしている男の子。
地中海東部では当時天候が悪化し、低体温症に陥る難民が急増しました。
難民18
10月26日、やっとの思いでギリシャの海岸にたどり着いたアフガニスタン難民の一家。
難民19
http://www.nbcnews.com/slideshow/triple-amputee-photographer-giles-duley-shows-captivating-images-migrant-life-n560561

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ほんとうの「今」を知りたくて、アメリカCNN、NBC、ABC、CBS、英国BBC、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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