星の金貨プロジェクト

星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

ホーム » アーカイブ

【 戦争される側から見た9.11後の世界 – 大義なき戦争が世界を滅ぼす 】《後篇》

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 8分

『テロとの国際社会の戦い』が始まって以来、いったい何万人の無関係な市民が殺されてしまったか確かめようも無い
貧困や差別に目を向けることもいないまま、『積極的平和主義』などという愚劣なスローガンを振り回すな

ラミGホーリ / アルジャジーラ 2016年9月11日

arab01
▽ 「安全保障を最優先」する考えが生んだ地獄

9.11の攻撃があって以降、世界各地で起きているテロや戦争が安全保障を何よりも優先させるという考え方が生まれ、アラブ地区アジア地区固有の政治状況や社会経済状況が完全に無視され続けることになりました。
その結果、それぞれの場所でテロリストを生む土壌が形成され人々が苦しむことになるという悪循環に陥っています。
その図式はこうです。
過酷な状況に追い込まれた数百万数千万の人々が自暴自棄になり、拡大と繁殖を続けるテロリスト犯罪集団に身を投じるか、それを支援する立場に身を置くようになったのです。

day 2
今日最も悩ましい問題は、これらの恐怖組織を育てる大量の市民の不意や不満の根本原因となっているひとつひとつの問題について解決や改善に向けた取り組みが始まるどころか、この15年間で一層悪化してしまったという事実です。
中でも目につく具体的状況が、アラブ地区アジア地区における一般市民に対する政治的抑圧、絶え間なく続いている戦争状態、生活環境の著しい悪化、破壊される民族や宗教の融和、停滞するか悪化する就職状況、一層極端になる経済格差と貧困層の増大、経済成長の速度を上回る勢いで増加する人口、残虐さを増す政権側暴力とそれに報復するように拡大する反政府勢力の暴力、双方を支援する外国の軍事介入の規模拡大と恒常化、何もかもが悪化する一方です。

day03
2001年に始まった外国軍隊による直接的な軍事行動は、無人機による継続的な攻撃も含め、アルカイダとISILが勢力を拡大するための理想的な条件を形成しているのです。

外国の軍隊による直接的な軍事行動が多くの市民を憤慨させた結果、アフガニスタン、パキスタン、イエメン、ソマリア、シリア、イラク、そしてリビアなどでは国家としての機能が分断され、安全も何もすべてがめちゃくちゃになってしまいました。
その結果人々の意識はどう変わったでしょうか?
こうした場所で行われた信頼に足る世論調査によれば、アラブ世界の5~8パーセントの人々がアルカイダまたはISILに対し、好意的な見方をするようになったのです。この数値は地域によっては15パーセントに達します。
5%という数字は一見すると少ないものですが、実際には約2,000万人のアラブ人がシリア、リビア、イエメン、イラクなどの破壊が繰り返されている場所でそれぞれの戦争を続けている、アルカイダやISILその他数百に上る先頭集団に対し好意的な目を向けているという事実を意味するのです。

イラク米軍
これに加えて発生している新たな問題が『ジハードの国際化』です。
現代版ジハードはアフガニスタンとパキスタンで過激化し、それがシリア、イラクに移動し、そして今はこれらの拠点が『後方支援』をする形で世界に広がり、その『戦士』の新メンバーもまた国際社会から供給され、その仕組みも強化されつつあります。

▽ 悪化する一方の事態

そして普通のイスラム教徒を悪魔化し、屈辱を与え続けるがごとき西側社会の行動が事態をより一層悪いものにしています。
アラビア語しか話せない人間はアメリカ国内では航空機を利用することが出来ないことに始まり、ひとりのイスラム教徒が引き起こした銃乱射事件が憎悪を生むなどした結果、大統領選の候補者がアメリカ社会の『安全保障』のためイスラム教徒の排除を繰り返し訴える事態まで、反イスラムの動きが先鋭化しています。
西側社会でのこうした状況は、外国軍隊の直接的な介入を受けている国々、そしてそれらと同盟関係を持つアラブ・アジアの強権的な政府の弾圧に苦しむ人々が、ジハード戦士を支援する背景を作りだしているのです。

難民07
アメリカ史上最長の戦争が続いているイラク、シリア、アフガニスタンでは2011年以降、アメリカ人兵士とその関係者が10,000人以上死亡し、50,000人が負傷しました。
そして『テロとの戦い』が続く中東から南アジアにかけての12カ国で、いったいどれだけの市民や兵士が死傷したかについては、その数はまったくわからないのです。
先進社会の南側で暮らす白人ではない犠牲者の数は、西側社会の価値観の中では正確な計測の必要すらないようです。
これが『テロとの国際社会の戦い』の基本理念なのです。
この有様ではテロ集団の勢力が拡大に拡大を続け、戦争が果てしなく続いて終る様子が無いことも仕方がないように思えてきます。

Syr07
そして9.11の15年後の今日、アメリカ人は解決への糸口を見いだせないことにより、なお一層軍事行動への依存を高め、これまで以上に、そして日ついたちを重ねるごとにテロへの恐怖を大きくし続けているのです。

〈 完 〉

※この稿の筆者であるラミ氏は、ベイルートのアメリカ大学のイッサム・ファレス研究所のシニア・フェローであり、ハーヴァード大学ケネディ・スクールの外部シニア・フェローです。
http://www.aljazeera.com/indepth/opinion/2016/09/911-terror-militarism-war-fear-160911055050615.html
 + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

【 シリア、ホワイト・ヘルメットの最前線 】《1》

アメリカNBCニュース 9月16日

whelmets1
ホワイト・ヘルメットは、シリア国内で民間防衛を目的に一般市民によって組織されました。
彼らは、アサド政権の政府軍が無差別に投下するバレル爆弾とミサイル攻撃に対応する救助隊です。
2014年6月2日アレッポに対する空襲の後、子供たちを救い出すホワイト・ヘルメットのメンバー。(写真上)

2016年9月10日アレッポに対する空襲の後、破壊された建物のがれきの下から救い出された女の子を運びだすホワイト・ヘルメットのメンバー。彼らはシリアで果てしなく続いている残酷な戦争の惨禍から市民を助け出すため、毎日、命を賭けています。(写真下・以下同じ)
ホワイト・ヘルメットのメンバーはこれまで60,000人に上る人々の救助を行いました。
彼らは今年のノーヘル平和賞の候補に挙がっていますが、彼らに授賞するよう求める嘆願書には、ハリウッドの有名スターを始め130,000人が署名しています。
whelmets3whelmets2
5歳のオムラン・ダキーシュ、2016年8月17日、アレッポで空襲受けた建物から引き出され救出された直後、救急車に乗せられました。
ホワイト・ヘルメットがオムランを救出した際に撮影されたこの写真は世界中に衝撃を与え、ホワイト・ヘルメットの名は8月世界的に有名になりました。
血まみれのうえ埃まみれのまま呆然とする男の子の写真は、シリアにおける内戦がいかに凄惨なものかを端的に伝えることになりました。
http://www.nbcnews.com/slideshow/angels-front-line-syria-s-white-helmets-n649691

1 2 3 9
このサイトについて
ほんとうの「今」を知りたくて、アメリカCNN、NBC、ABC、CBS、英国BBC、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
サイトマップ
最近の投稿
@idonochawanツィート
健康関連リンク
アーカイブ