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日本のすべての対応に問題あり!国連人権理事会が警告、日本政府(安倍政権)は東京電力の責任回避を黙認

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日本政府は東京電力にとって最も有利な形で救済を行い、賠償責任を国民に転嫁した
子どもたちも暮らす生活の場に、汚染物質が放置されている

米国FOXニュース 5月26日

FOX News
2011年3月に発生した福島第一原発の事故後の状況について調査を行っていた国連の専門部会が、日本政府と東京電力の被災者に対する支援、援助の内容には問題が多く、改善の必要があると報告しました。

特別調査官のアナンド・グローバー氏は、チェルノブイリ以来最悪の原発事故となった福島第一原発事故後の状況について、国連の人権理事会のウェブサイトに以下の内容の報告を掲載しました。
すなわち、東京電力は現在実質的に国有化されていますが、本来行われるべき原発事故の被災者に対する完全な補償を東京電力が免れようとしている行為を、日本政府が黙認していると指摘しました。

報告書は福島第一原発の事故に対する、日本の対応全体について問題があるとしています。

その中には放射線被ばくに対する補償をどのように行うのか、その進め方の難しさ、そして放射線被ばくの健康リスクについての情報公開の欠如、そして福島第一原発の現場で働く緊急作業員の人々に対する不当な扱いが含まれています。

国連人権理事会の報告書は日本に対し、福島第一原発の事故に対する緊急態勢の不備を改めること、そして賠償請求に誠意を持って向き合うように強く求めています。

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ジュネーヴに本部を置く国連人権理事会は、昨年のグローバー特別調査官の訪日により作成されたこの報告書を基に、5月27日月曜日から本格的な議論を開始する予定になっています。

日本の原子力産業は、巨大地震と津波が引き起こした福島第一原発の事故で3基の原子炉がメルトダウンして以来、危機的状況が続いています。

5月24日には、過去にも2度事故を起こしたことがある東日本にある東海村の日本原子力研究機構の施設で、放射能漏れの事故があったことが報告されました。

日本原子力研究機構の報告では6人の研究者が放射線に被曝し、他にも24名の研究者が被ばくした可能性があります。この中で最大の被ばくをした人の被ばく線量は1.7ミリシーベルトで、この値は日本国内で暮らせば、環境中に標準的に存在する放射線により被ばくする量の1年間分にあたります。
原子力発電所関連施設で働く人の被ばく限度量は5年間で100ミリシーベルトです。

被曝した人々は入院はせず、施設外への放射能漏れは無かったと報告されました。

国連人権委員会の報告書は福島第一原発の事故後の状況について、『解決すべき深刻な問題』として、いくつか指摘を行っています。

避難民
第一点は放射線に関する正確な情報提供を行うため、様々な決定に際しては地元の自治体を含めて行うこと。
そして子供たち、妊娠中の女性、障害者、そして高齢者などの弱い立場の人々を護るための特別の配慮を求めています。

日本国内の原子力発電所は福島第一原発の事故以降、定期点検のため停止した後、そのほとんどが停止させられたままになっています。
東京電力と各電力会社は収益の減少と火力発電の燃料として使用する天然ガスや原油価格の高騰に苦しみ、損失額が膨らんでいます。

本来であれば、原子力発電を行うことによって発生したあらゆる損害に対し、東京電力は法的責任がありましたが、福島第一原発の事故を受け日本政府が東京電力を国有化したためにその負債も国が受け継ぐことになり、賠償責任も実質的に国民に転嫁されることになります。

国連人権理事会の報告書にも、日本政府が東京電力の一切の権利負債を引き継いだため、
「ほぼ間違いなく、日本政府は最も効果的な方法で東京電力を救済したことになり、その財政上の責任がすべて国民に転嫁されるものとみられる。」
とあります。

報告書にはまた、事故直後、東京電力に賠償を求めるためには2,215項目60ページからなる請求書類をすべて書き込む必要があったと記述されています。

Fukushima residents
その後指摘を受け、請求書類の中身は多少簡略化されたものの、国連の報告書は日本政府は東京電力が賠償額を減額させようとしたり、支払いを先延ばしにしようとしたりとしているという懸念に対し、厳正に対処するべきであると指摘しました。

さらに報告書は賠償金額には、住む場所を追われた何万という被災者が、生活を再建するために必要な費用のすべてが含まれるべきであるとしています。

これまで東京電力はまず企業や事業主に対し、賠償額2兆3000億円(約230億ドル)のうちの約半分を支払いました。
賠償金額には自主的に避難をした、ほとんどが個人の被災者からの160万件に上る個別の項目が含まれています。
これら個別の項目から賠償額を算定すると、その金額は当初の予想金額の3兆円を超えることになるため、日本政府は賠償のための基金に1,540億円を積み増しました。

約150,000人の福島の住民は、未だに故郷に戻れずにいます。
すでに数百人の元住民たちが、県外で新たに生計を立てるべく、より多くの補償を求めています。

国連の報告書は福島第一原発の事故現場で働く作業員たちについても、懸念を表明しています。
「彼らの中には生活困窮者、中にはホームレスの人々も含まれる。」

放擲に義務付けられているにもかかわらず、作業員の多くは非合理的な多重下請構造のために、受けるべき適切な放射線量のモニタリングと健康管理が行われていません。

廃棄物
さらに報告書にはこう記されています。
「取り除かれた汚染された土が、住宅地や子供たちの遊ぶ場所の近くなど、住民たちの生活の場の中に放置され、健康被害が起きることが懸念されている。こうした危険な廃棄物を一刻も早く、住民の生活の場から撤去し、適切に保管することが求められる。」

http://www.foxnews.com/world/2013/05/26/un-expert-urges-help-for-japan-nuclear-victims/
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5月31日付けの朝日新聞の第1面に、安倍政権が『原発を活用した成長政策を打ち出す』とあるのを見て、掲載予定を変更しました。
『ビクビクものの木曜日』、それは新たなる経済恐慌発生への警告?〈後篇〉を掲載する予定でしたが、そんな場合ではないようです。
そちらの方はいずれ翻訳の上、〈前篇〉のページに追加し、その際この欄でお知らせすることにします。
ご了承ください。

この記事にある国連の特別調査については、昨年の11月末に[ 国連の査察官、日本政府の原発難民・被災者対策に「NO!」 http://kobajun.chips.jp/?p=6530 ]でお伝えしました。
調査官としての結論が、まとめられ国連人権理事会のサイトに報告され( http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=12838&LangID=E )、その要旨が紹介されています。





 

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