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【 原子力規制委員会の新たな安全基準、日本はより厳しく適用すべきである 】

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所要時間 約 6分

活断層の上の原子炉、その廃炉は確実に実行しなければならない

ガブリエル・ドミンゲス / ドイチェ・べレ(ドイツ国際放送) 6月26日

もんじゅ
質問 : 新福島第一原発の事故から2年以上が経過した日本で、核監視機関が原子力発電所の運用に関する新たな基準を承認しました。
原子力発電の専門家であるマイケル・マクア氏はこの新しい基準が、現在停止中の日本国内の原子力発電所の再稼働にどのように関わってくる可能性があるか、説明してくれました。

質問 : 報道によれば、今回初めて日本の原子力規制委員会が定めた安全基準は、日本の原子力発電所が過酷事故に見舞われた際、放射能漏れを起こさないよう徹底した対策を取るよう規定しています。
これまではこうした対策は、原子力発電所側の自主的に行ってきただけでした。
新しい安全基準が規定するのは、いったいどんなことでしょうか?

マイケル・マクア
「とりあえず細部について詳しく検証する前に、全体的に見た場合、2つの点が強調されていると言えるでしょう。
まずは子力発電所の設計上の問題、特に津波や地震と津波といった外部からもたらされる脅威に対処する能力の見直しです。

2番目に重要なのは、いわゆる過酷事故が発生した現場における事故対応において、使われる技術を一新することを求めている点です。

110626
例えば水素爆発を防止するためには、どのような技術を組み合わせて対応するのか、あるいは炉心がメルトダウンを起こした際、原子炉内の圧力をどのような技術を使って下げるのか、外部に対する放射能漏れを最小限にするためのフィルター付きベント装置の配置はどうすれば良いかなど、技術的にかなり踏み込んでいる点です。」

質問 : 原子力発電力規制委員会は、福島第一原発でメルトダウンにつながった原因解明と向かい合っているでしょうか?

マイケル・マクア
「津波と地震と津波に対応するための安全対策の強化だけにとどまらず、日本の原子力規制委員会は福島第一原子力発電所の事故発生後、事態を悪化させてしまった要因についても充分に踏み込んだ考察を行っています。

しかしそうした考察が意味のあるものかどうかは、これから後の福島第一原発の事故対応の中で評価されなければなりません」。
質問 : 事故を起こしている福島第一原発の敷地内にある井戸水が、放射性物質であるストロンチウム-90に高濃度に汚染されていることが解りました。
どんな危険が考えられるでしょうか?

「ストロンチウム-90が飲み水や食べ物を通して体内に入った場合、人間の健康を損なう可能性があります。いったん体内に入った場合、骨のガンや白血病を引き起こす可能性があります。

ストロンチウム-90については、環境中の放射線量を測定することも大事ですが、併せて人間の体内に入る可能性が無いかどうか、検証することも大切です。

汚水タンク 1
現在確認できる限りでは、福島第一原発の敷地内とその周辺の地下水は飲料水としては利用されていないので、人間の口に入る可能性は極めて低いでしょう。
しかしもっと広域のエリアで、地下水が飲料水としては利用されていないという事を確認する必要があります。
そしてこれらの地下水のうち、どれだけの量が海にまで流れ込んでいるか確認できない以上、この海域の魚介類を食べることにより、ストロンチウム-90を体内に摂取してしまう可能性は否定できません。」

質問 : 日本に50基ある稼働可能な原子炉は、2011年3月、福島第一原発の事故により3基の原子炉がメルトダウンを起こし、大量の放射性物質を環境中に放出して以降、安全点検のため停止したままそのほとんどが稼働していません。
福島第一原発の事故以前、日本では国内のエネルギー需要の何割を原子力発電が担っていたのですか?

世界原子力発電協会の統計によれば、福島第一原発の事故が発生する以前の数年間、日本では電力需要の約30%を原子力発電によって賄っていました。
それが事故の翌年、2012年にはわずか2%にまで低下しました。

質問 : 安倍晋三首相率いる自民党政権は、国内の原子炉の再稼働政策を推進しています。新しい原子力規制委員会の安全基準は7月8日から適用されることになっています。新たな安全基準の適用は、日本国内の原子炉の再稼働への道を開くことになるのですか?

マイケル・マクア
「私たちは、原子力発電所が再稼働を許可されるのは、新たな安全基準に基づく対策が実施されたことが証明された場合に限る、そう考えています。

全景 1
しかし新基準の下で、その原子力発電所の直下に活断層があると判断された場合には、その原子炉は必ず廃炉にしなければなりません。
いくつかの原子力発電所で、活断層の調査が現在進行しています。」

*マイケル・マクア氏は、ドイツGRSの発電技術部門の責任者です。
GRSは原子力発電所の安全管理、そして放射性核廃棄物処理問題を専門的に扱う機関です。

http://www.dw.de/tougher-rules-for-japanese-nuclear-plants/a-16902751





 

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