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海洋汚染の拡大を、完全に防ぎきることは不可能…

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【 連続して海洋汚染が続いている疑い・福島第一原発 】

AP通信 / ワシントンポスト 7月11日

汚染水03
日本の原子力規制委員会は11日水曜日、破壊され正常な機能を失っている福島第一原発から漏れ出した放射能汚染水が、太平洋に流れ込んでいる可能性があると明らかにしました。
この問題はこれまで多くの専門家が指摘していましたが、東京電力は否定し続けていました。

原子力規制委員会は東京電力に対し、汚染水漏れが「強く疑われる」として、場所の特定、漏水状態の確認、そして食物連鎖を含め環境に与える危険の検証を至急行うよう求めました。
そしてどうすればこの問題を解決に向かわせることが出来るのか、専門家による委員会を立ち上げる予定であることを明らかにしました。

原子力規制委員会の調査結果は、これまで専門家などが主張してきた福島第一原発の汚染水が直接太平洋に漏れ出しているとの問題について、東京電力が常に後手に回り続けていることを改めて浮き彫りにしました。
それでも東京電力側は汚染水漏れが本当に起きているのかどうか、現段階では明らかではないとの態度を取り続けています。

東京電力のスポークスマンである今泉則之氏は、福島第一原発敷地内の井戸水から検出されている放射性セシウムの量が増え続けているからと言って、ただちにそれが海洋中に漏れ出しているとの断定はできないと語っています。

汚染水2012-03
東京電力は現在別の水質検査を行っている最中であり、始めに採取した水の放射性セシウムの値が上昇している原因について、汚染されたチリなどの混入の可能性があると語っています。
しかし東京電力側は安全対策のため、原子力規制委員会の要請を受け入れると語りました。

福島第一原発は2011年3月に発生した巨大地震と津波により施設が破壊され、3基の原子力発電所と炉がメルトダウンを起こし、それ以来溶け落ちた燃料を冷却し続けるため大量の水を注ぎ込んでいます。
その現場に貯蔵されている大量の汚染水は度々漏水トラブルを起こし、事故収束・廃炉作業の取り組みを妨げてきました。

複数の海洋生物学者は、福島第一原発周辺で獲れた魚の放射性物質の量が異常に高いことなどから、放射能汚染水が途切れることなく漏れ出している危険性について、度々警告を行ってきました。

5月以降、福島第一原発の敷地の沿岸沿いの地下水の汚染状況を確認するために設けられた井戸で採取された水からは、高濃度の放射性セシウムが検出されていました。
そして発電所の沖合の海水からは、高い濃度の水溶性要素ストロンチウムが検出されていました。
この事実について東京電力側は、全て2011年3月の事故の影響が残っているのだと主張していました。
そして環境に対し、『重大な影響は無い』と主張してきたのです。
同社は放射性セシウムは土壌に吸着されやすく、地下水が放射性物質を海に流し込んでいるという状況については否定し続けてきました。

汚染水地図
これに対し原子力規制委員会は井戸から採取された地下水と沿岸の海水の汚染状況から見て、汚染された地下水が海に流れ込んでいる疑いがあるとの見解を示しました。

原子力規制委員会の田中俊一委員長は、事故発生当時に最大の汚染が起きたとしても、海洋汚染は事故発生以来継続して続いていた疑いがあると語りました。

「最も重要なことは、外部への漏出をできるだけ小さなものにし、人間社会への影響を減らすことです。」

福島沿岸で採取される大部分の魚貝類は、国内市場においても、輸出品としても消費されないようになっています。

そして福島周辺で獲れたものは食べても大丈夫かどうか、定期的に放射線量の検査を受けています。
広大な海の中では、放射性物質は拡散され、海水そのものが有害である可能性は低下します。

福島周辺で獲れる魚介類の安全性については、日本国内で懸念が続いています。
日本は世界有数の魚貝類の消費国なのです。

東京電力は海水汚染を防止するための対策はとったものの、完全に汚染が広がるのを防ぐことは不可能であると語っています。

汚染水01
産業技術総合研究所の地下水の専門家である丸井敦尚(あつなお)氏は、原子炉建屋で新たな汚染水漏れが起きている可能性について言及しました。
丸井氏は汚染状況を確認するため、海水のサンプリングと地下水の汚染状況の検証作業をもっと大規模に行う必要性を指摘しました。
「何層もの漏水対策を行う必要があります。」
NHKテレビの取材に対し、丸井氏はこう答えました。

福島第一原発では破壊された原子炉と溶け落ちた核燃料を冷却するため、臨時に作った機器でその作業を行っており、増え続ける汚染水をどうやって安全に貯蔵するか、常に苦しい作業を強いられてきました。
「想定外の事態の発生に対しては、我々はその都度応急的に対応することしかできません。それはすなわち、福島第一原発では未だに不安定な状況が続いているという事を意味します。」
原子力規制委員会の田中委員長がこう語りました。

「与えられた状況の中で、我々は最善を尽くす。今はそれ以上のことは言えません。」

http://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/japanese-regulator-says-radioactive-water-from-damaged-plant-likely-is-leaking-into-pacific/2013/07/10/8e0c5a50-e9c4-11e2-818e-aa29e855f3ab_story.html
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折しも今回の選挙では民主党の大崩壊を伝えていますが、今日の結果を決定づけたものは野田政権による
福島第一原発の冷温停止『状態』宣言 / 大飯原発の再稼働 / 小沢氏の実質的な『追放処分』
などであったと思います。
国民が政権交代に込めた願いは、日本の政治から一般人からは見えない部分を極力減らしてくれ、ということであったと思います。
21世紀の日本の政治の脱自民独裁、政治を国民の手の中に持ってきて欲しいという願いではなかったでしょうか?

ところが福島第一原発の事故以降、民主党政府はその願いをいちいち裏切っていきました。
平智之議員の離党、あの瞬間、民主党からたくさんの人々が離れていったのではないでしょうか?

どの政党ということはありませんが、日本の政治はもっと丁寧に一般国民の声を聞くべきだと思います。
その点で日本はアメリカにも、ヨーロッパの先進各国にも及ばない。
むしろ中国の一党独裁の方に近いような気がします。

中国式新幹線が事故を起こしたとき、中国当局は事故車両を埋めて隠すという驚くべき対応をとりましたが、あの姿を日本は笑えるのか?と思ったことを覚えています。
日本は福島第一原発の真の現状を、国民に正しく伝えているのでしょうか?





 

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