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【 放射線科学の世界的権威が明らかにする・日本の黒い塵、その正体 】《第3回》[フェアウィンズ]

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所要時間 約 11分

燃焼しなかった核燃料の一部も含まれている、その危険性がある
セシウム134、137、そしてラジウム226の存在は、何を物語るのか

フェアウィンズ 7月10日

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司会:あなたは、こうしたホットスポットが存在する理由について、どうお考えですか?

カルトフェン : そうですね、現実に高い放射性を帯びているという点について考えてみましょう。
原子炉内から取り出された、あるいは放出された物質は一般的に何かの粒子にくっつき、拡散しない傾向があります。
また雨水に溶け込んでしまったりもせず、したがって植物の組織内に取り込まれることもありません。
そして結合力を保ったまま、なぜか放射性崩壊が進まないのです。

さらにはいったんひとつのかたまりになったものが再び分解したり、あるいはもっと単純な物質に変化したりすることもありません。
そして非常に興味深いのは、ここに含まれているのがセシウム1種類だけではない、という点です。
多量のラジウムが検出されたのです。

今回分析を行ったサンプルには、高濃度のラジウム226が含まれていました。
ラジウムもセシウムと同程度の、放射線の放射を行っているものと考えられます。
ラジウム226はウラニウムが放射性崩壊することによって生み出されるもので、ウラニウムそのものはこのサンプルからは検出されていません。

ウラニウムの半減期は非常に長いため、ガンマ線検出器では検知されません。
ウラニウムは数十億年前に地球の誕生と時を同じくして生成されたと考えられているにもかかわらず、現在でも世界各地で採掘が可能なのは、その半減期が非常に長いためなのです。

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しかしウラニウムがいったん放射性崩壊して生み出された物質、ラジウム226などはウラニウムと比べ非常に高い放射線を発します。
これらのことから、以下のことが推論されます。

すなわちこの黒い物質には、原子炉内で放射性崩壊した後の廃棄物だけが含まれているのではなく、燃焼しなかった核燃料の一部もまた含まれている、と。

これは通常、あり得ない現象です。
このサンプルには、これまで原子炉内で発生する核分裂によって生まれる廃棄物、あるいは放射性物質によって汚染された土、そのいずれと比較しても非常に高い放射線を発していることになります。

私たちが目にしているのは、原子炉内で不完全燃焼をしてしまった核燃料から生み出された物質、まさにそうした物質なのだと考えられます。

ガンダーセン : よく解りました。
伺った話から結論できるのは、この物質が採取されたという事は、原子炉格納容器の密閉性はすでに失われている、それを証拠立てているという事です。
一度聞いただけですと、黒い塵などと言う表現から藻類、あるいは菌類などを連想しがちですが、これは断じて有機物などではない、それで間違いありませんか?

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カルトフェン :おっしゃる通り、有機物とは違います。
非常に小さな物質が寄り集まって作られた混合体とも言うべきもので、外観が黒いのも、大きさも形も不揃いな物質が組み合わさっているために、光が反射されにくくなった結果、人間の目に黒く映るのだと考えられます。

司会 : お話を伺っていて疑問に感じる点があります。
それ程放射線量が高いホットスポットが散在するエリアに、未だに人が出入りすることが許されていますが、なぜなのでしょうか?
さらにはこのホットスポットが発する放射線で人間が被ばくしてしまった場合、起こりうる影響にはどのようなものがあるでしょうか?

カルトフェン : 立ち入り禁止区域、あるいは避難区域内にあるこの黒い物質が、人々が暮らしている区域に入り込まないようにする、どのような防衛線も現実には存在しません。
私はこの問題について、どのような政治的判断を下すべきか話す立場にはありませんが、この黒い物質の問題については、政治的立場からものを考えたり、規制すべき政府機関の立場から対応を判断すべきではないと考えています。
この黒い物質について私は降雨、あるいは風などによって移動し得るものと考えています。

ガンダーセン : ただし、先にお話しましたがこの物質は重いので簡単に風に運ばれることは無いでしょうが、強風が吹いた場合は別です。
ただし、海にまで飛ばされていくほど軽いものではありませんが、事故現場から10~20キロ離れた場所なら飛ばされていく可能性はあります。

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カルトフェン : そうですね、今回分析を行ったサンプルは事故現場から10㎞離れた場所で採取されました。
10㎞離れた場所にあったという事は、さらに広域の調査を行なえば、数多くこの物質が存在していることを確認する可能性があるという事です。
実際にはこの物質が、さらに離れた場所でも発見されたという情報が確認されています。
考えられることはこの物質はもっと小さな状態であった時に各所に運ばれ、その後に現在の大きさになるまでの結合が行われたという事です。
これは別に特別なことでも何でもありません。

一方でこの物質は、非常に高い放射線量を持った物質が集積して小さな物体を形成した、非常に象徴的な存在だと言えると思います。

そして試験結果が示しているのは、この物質にウランが放射性崩壊した結果できる放射性物質、セシウム134と137を高濃度に含んでいるという事であり、福島第一原発以外にその発生源を考えることはできません。
そして放射性崩壊によって生成される物質が含まれているという点が特徴的であり、それらの物質の内いくつかは原子炉内で生成されたと考えられます。

ガンダーセン : この物質ですが、何かの拍子に口に入ってそのまま嚥下したり、呼吸によって体内に入り込んでしまう可能性はあるのでしょうか?

カルトフェン : その可能性はあると思います。
私が言う可能性とは、この物質が付着した手を使い、食物を口に入れる可能性がある人なら、誰にでもその機会はあるという事です。
特に可能性の高いのは土いじりが好きな子供たち、農家の方々、そして建設労働に従事する人々はこの物質を体内に摂取してしまう深刻な危険があります。

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吸入、つまり呼吸によって取り込むには、この物質は大きすぎると思います。
特に互いがくっついて大きくなった場合には、呼吸によって体内に入り込むことはまず考えられません。
しかし嚥下による体内摂取の危険は明らかに存在し、特に子供たちと農業従事者の危険性は高いと言わなければなりません。

〈 第4回につづく 〉

http://fairewinds.org/podcast/japans-black-dust-with-marco-kaltofen
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フェアウィンズの記事を翻訳することは、ある程度前段の知識を有する福島第一原発の事故の社会記事を翻訳するのとは異なり、未知の科学的事実の分析があったりして、私にとってなかなか骨の折れる作業です。
しかしそれだけにやりがいもあり、国内の報道などでは決して取り上げない事実が次々と指摘されたりして、スリリングな展開に思わず興奮したりもします。

今回の記事もこのカルトフェン氏の言い回しが、かなり独特のもののため難渋する場面もありました。
本来なら全文翻訳の後で、前後の事実関係に齟齬が生じていないか検証すべきなのですが、前回記したとおり『思わぬ公開』となってしまいそれもできませんでした。
読み取りにくい部分があるかもしれませんが、ご容赦ください。

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【 2013年・宇宙カメラマン・オブ・ザ・イヤー作品集 】《中篇》

アメリカNBCニュース 9月28日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

Astro08
[窓からの眺め]カナダ : エリック・ジュワー(15歳)
真夜中の撮影にもかかわらずシャッターを解放し、砂漠の夜を昼間と同じぐらいの明るさで表現しています。(写真上)

[接近し溶け合う星雲 - M81星雲-とM82星雲]ハンガリー : イヴァン・エデル(写真下・以下同じ)
Astro09
[北の国のペルセウス座流星群]アメリカ : デイヴィッド・キングハム
8月のペルセウス座流星群流星雨の興奮と活力を伝えるために、別々の23枚のスチールを組み合わせた作品です。
Astro10
[オメガ・ケンタウリ]アルゼンチン : イグナシオ・ディアス・ボビリョ
オメガ・ケンタウリは球状星雲で、数百万の星を含むと考えられており、生成は数十億年前にさかのぼります。
約2,000年前、天文学者プトレマイオスが最初にその存在を語り、1677年に天文学者エドモンド・ハレーによって正式に存在が確認されました。
Astro11
[氷の使者]ノルウェー : フレドリック・ブロムス
Astro12
[偉大なる星雲]イギリス : サミュエル・コプリー(15歳)
オリオン(M42)星雲
Astro13
[サタン(土星・悪魔)の栄光]イギリス : デミアン・ピーチ
Astro14
[リング・オブ・ファイア]シンガポール : ジア・ハロー
2013年5月の環状日食の進行をとらえた合成写真。
Astro15
http://www.nbcnews.com/id/53097406/displaymode/1247?beginSlide=1





 

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ほんとうの「今」を知りたくて、アメリカCNN、NBC、ABC、CBS、英国BBC、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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