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『進行中の福島の危機』、本当は何が起きているのか《第3回》[フェアウィンズ]

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所要時間 約 6分

核燃料ペレットが散乱していたはずの3号機周辺、事故直後にブルドーザーで『地ならし』
4号機使用済み核燃料プール内でのメルトダウン、日本破滅へのシナリオ

フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイション 10月3日



さて、3号機の内部でどれほど恐ろしい出来事があったのか、その点も大きな疑問のひとつです。
解っていることは3号機ではデトネーションが起き、この世の中にはデトネーションが作り出す衝撃波に耐えられる原子炉は存在しないという事です。

アメリカの原子力規制委員会は、デトネーションが作り出す衝撃波の問題には触れたがりません。

したがってここアメリカにおけるこの問題の解決のための結論は、問題の存在自体を無視する、という事なのです。

しかしここにはひとたびデトネーションが発生し、衝撃波が作りだされれば原子炉はどうなるのかという、はっきりした証拠が画像として残っています。
原子炉建屋の内側部分では、驚くほど高い放射線量が計測され、外側には爆発によって破壊された核燃料棒の一部であるペレットが散乱していました。

第一大破壊
現在、それらはすべて取り片づけられました。
しかしこの事実が指摘するのは、3号機の使用済み核燃料プールの中身はどうなったのかということに対する深刻な懸念です。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、私は3号機についてはこれまで、使用済み核燃料プール内で臨界が発生した可能性のある事を何度も指摘してきました。
3号機の周辺に核燃料棒の一部が散乱していたという事実は、臨界が実際に発生したことを証拠立てるものだと考えられるのです。

もしこの核燃料の一部が原子炉そのものから出てきたと考えるなら、原子炉の格納容器が破壊されるか、あるいは実際には起きる可能性がきわめて低い、何か全く別の経路を考えなければなりません。

事故直後、3号機の周囲にあったきわめて高い放射線を発するこれらの物質があった地面はブルドーザーによって地ならしされました。
従って、この核燃料の一部は未だに地面の浅い部分に埋もれている可能性があります。

東京電力や日本政府はこの3号機の問題を、いったいどうするつもりなのでしょうか?
使用済み核燃料プール内には核燃料が残されたままになっていますが、これらをすべて取り出す必要があります。
しかし3号機周辺は放射線量が突出して高く、危険過ぎて人間が近づける状況にはありません。

NRC Barett
この状況で再び大きな地震が発生したら、いったいどうなってしまうか、それが目下の私の最大の懸念です。
マグニチュード9.0までの地震ではなくとも、再び大惨事になる危険性があるのです。
マグニチュード8.5の地震が発生すれば、私の懸念は現実のものになってしまうでしょう。
3号機の原子炉建屋は最も損傷がひどく、大きな地震が発生すれば倒壊してしまう恐れがあります。
現在3号機原子炉建屋は、それをすっかり覆い隠すように外壁が作られつつあり、年末までにはこの工事は完了するでしょう。

しかし今はまだ、露出した状態にある事を忘れてはなりません。

では通路を横切って、4号機に行ってみましょう。(ビデオ 12:00~)

福島第一原発の事故が発生した時、4号機は稼働していませんでした。
しかし他の原子炉同様、爆発を起こしました。

4号機について最も危険な問題は、事故発生時、核燃料が格納容器内に入ってはいなかったという点なのです。
核燃料のすべてが格納容器から取り出され、使用済み核燃料プール内に入っていました。
全ての専門家の懸念がこの一点に集中しています。
事故発生当時日本国内にいたアメリカ人に対し、福島第一原発の半径80キロ圏内から退去するよう勧告が行われたのも、この核燃料の存在が理由でした。

福島第一原発上空
例え福島第一原発の原子炉1号機、2号機、3号機すべてが爆発したとしても、日本人全体に対する大きな脅威とはなりえませんでした。

問題は4号機です。
事故当時、その核燃料の温度は上昇していました。
物理的に熱くなっていたのです。

当時4号機の使用済み核燃料プールには、充分な量の水がありませんでした。
もしその水も流れ出てしまっていたら、核燃料プールでメルトダウンが発生したはずでした。
そしてこの核燃料プールと大気の間には、どんな障害物も存在しませんでした。

1~3号機ではメルトダウンが発生しましたが、放射性物質の漏出があったにせよ、核燃料は格納容器内にあり、何もかもがだめになった訳ではありませんでした。
最も深刻な問題、それは4号機の使用済み核燃料プール内の水が無くなった場合、発生するはずだったのです。

FR24 破壊された福島第一原発
事故直後の様子を思い出してください。
事故後真っ先に行われたのは、放水による注水作業でした。
ヘリコプターによる空中散布すら試みられましたが、これはほとんど効果がありませんでした。
ヘリコプターでは、使用済み核燃料プールを水で満たすことは不可能なことは解っていたはずです。

しかしどのような方法を用いても、まずは4号機の使用済み核燃料プール内を水でいっぱいにしなければならなかったのです。

現在は4号機使用済み核燃料プールは水で満たされており、内部の核燃料の安定化が実現できています。

〈 第4回につづく 〉

http://fairewinds.org/media/fairewinds-videos/tour-fukushima-daiichi





 

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ほんとうの「今」を知りたくて、アメリカCNN、NBC、ABC、CBS、英国BBC、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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