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【 世界中で支持を得られない原子力発電、だが… 】

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「福島第一原発の事故は原子力発電が、どうしても避けるこのできない危険と表裏一体のものであることを思い知らせた」

環境担当特派員Richard Black / 英国BBC放送 2011年11月25日

全世界にわたり、一般の人々の中に新たに原子力発電所を建設する欲求は無くなりつつあることを、BBCの世論調査が明らかにしました。
原子力発電計画を持つ国々では、2005年と比較して人々 は反対の立場を明確にしています。唯一英国と米国が世界の傾向に逆行しています。

多くの人が現存施設の稼働効率の向上と再生可能エネルギーにより、電力需要を賄える、と考えています。

一方22パーセントの人々が「原子力発電は比較的安全な発電方法であり、原子力発電所建設を進めるべきだ」と考えています。
これに対し、71%の人々が自分たちの国は「20年以内に、技術的進歩を遂げた太陽光発電と風力発電を中心とした電力供給により、石炭による火力発電と原子力発電をほぼ全廃できる。」と考えています。

全体を見れば、30%の人々が直ちにすべての原発の停止を求める一方で、39%が新規の原発の建設は行わず、既存の原発の利用を続けることを望んでいます。

世界的な調査会社グローバル・サンはBBC放送の委託を受け、巨大地震と津波が福島第一原発を襲った4か月後の今年の7月から9月の間、世界23ヶ国23,231名の人にアンケート調査を行いました。

▽ 機会到来


グローバル・サンは2005年に一度、8ヶ国で原子力発電事業に関するアンケート調査を行ったことがあります。
その後、ほとんどの国で新たな原子力発電所建設に対する反対が、著しい増加を見ました。
最近政府がこうして傾向を受け原子力発電所の廃止を決めたドイツでは、2005年の73%から90%にまで上昇しました。
さらに興味深いのは原発びいきの2か国、フランスでは反対が66%から83%に、ロシアでも61%から83%に上昇していることです。

福島の事故に見舞われた日本では、反対意見はやや控えめの76%から84%への上昇を記録しました。
イギリスにあっては、原子力発電所の新規建設への支持が33%から37%に上昇しました。
こうした状況はアメリカでも見られ、中国やパキスタンでも同様で、ほぼ40%前後の支持を得ています。

スペインとドイツが直ちに稼働中のすべての原子炉を停止すべき、という厳しい意見が最多(それぞれ55%と52%)だったのに対し、新規の建設を見合わせ、既存の原子力発電所はそのまま利用する、という考え方はフランスと日本で最も多く見られた意見で、それぞれ58%、57%ありました。



稼働中の原子炉を持たない国の中で、原子力発電所建設に賛成意見が多かったのは、ナイジェリア(41%)、ガーナ(33%)とエジプト(31%)の順でした。

▽ 大西洋上の不思議

今回の調査では福島第一原発の事故が、原子力発電への支持の低下に直接つながったかどうかまでは明らかにしていませんが、十分に考えられることです。
「福島第一原発の事故がイギリスとアメリカでは、原子力発電に対する大衆の見解にさほど大きな衝撃を与えていない、という事実は注目に値します。」
グローブスキャンの代表、ダグ・ミラーはこう語りました。
「2005年以来ほとんどの国で増加した、原子力発電所の新規建設反対意見と対照的な結果です。」

他の世論調査では英国内の原子力発電に対する支持が、継続していることも明らかになりました。
BBC放送とグローバルスキャンの行った世論調査の結果は、他社の行った世界的調査とほぼ同じ結果を得ています。

6月にはIpsos-MORI(英国で2番目に大きな世論調査会社)と日本の朝日新聞社の両方が、世界中のほとんどの国で原子力発電への支持が低下する一方、米国内の支持率にほとんど変化のないことも確認しました。
Ipsos-MORIの調査は、現在存在する発電技術の中で、原子力発電に対する支持が最も低い数値(38%)であることを確認しています。
火力発電への支持率は48パーセントであるのに対し、太陽光発電、風力発電、水力発電に対する支持率はいずれも90パーセントありました。

「再生可能エネルギーが二酸化炭素排出エネルギーや原子力エネルギーに取って代われる、その有効性については一般に理解されているというだけでなく、増え続けている信頼できる報告の裏付けのあることなのです。」
グリーンピース・インターナショナルのエネルギー部門の責任者である、ジャン・ベラネクがこう語りました。
「原子力産業は比較的小さな産業であるにもかかわらず、大きな金が動来ます。その上原子力発電は、技術面でも、安全面でも、環境面でも、そして政治的にも大きな問題を抱えているのです。」
「そして福島第一原発の事故は、原子炉というものがどうしても避けるこのできない危険と、表裏一体のものであることを思い知らせました。」

しかしながら増え続けるエネルギー需要と、温室効果ガスをできるだけ少ない費用で封じ込めなければならない各国政府を前に、国際エネルギー機関のような組織は、原子力発電に一定の可能性を見出さざるを得ない状況にあります。

世界原子力協会の会長ジョン・リッチは福島第一原発の事故がこの25年間で初めての大きな事故であり、死亡者も出ていない、と語ります。
「政策担当者は世論を尊重しなければなりません、が、一方で現実も直視しなければなりません。そして現実は原子力発電をまだ必要としているのです。」

彼はBBC放送にこう語りました。
「これらの事実の積み重ねが、産業界にも、政府にも、そして報道関係者にも原子力発電の安全性を認めさせることになるのです。」
「原子力発電は福島の事故を受け、検証を重ねる事によりさらに安全な、最も現実的な非カーボン技術として成熟を重ねていくはずです。」

http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-15864806

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この記事、結びの部分に原発を擁護する発言が来てしまって、全体の論旨がわかりにくくなっています。
ただ、最後の段落の題が『大西洋上の不思議』となっている事から、英国・米国の両国民はなぜ未だに原子力発電を支持するのか?という疑問の提示である事がわかります。
それに対するひとつの答えが最後の3つの段落になる訳ですが、肯定論の柱になるのが
温室効果ガスを少ない費用で封じ込めなければならない = 原子力発電
の部分だと思います。

しかし、福島第一原発の事故が起き、次々とありとあらゆる放射能汚染が明らかになり、私たち日本人はその解決に莫大な費用を負担させられています。
そして、これまでご紹介した多くの記事にこうありました。
「原子力発電はもはや安価な技術ではない。」
さらに廃棄物の問題。
原子力発電を続ければ、プルトニウムが延々と生み出され、その半減期は25万年。

そして何より、最初のグラフでも明らかなように、2005年も2011年も日本の方がドイツより原発推進支持者が少ないのにも関わらず、
そして福島第一原発の事故の結果が大変な事になっているにもかかわらず、原発を止めるのは日本ではなくドイツだという現実。
この国では民主主義が機能していない、という事の証拠に他なりません。

いずれにせよこれからの日々、肯定派の論旨を見極め、ひとつひとつ論駁して行かなければなりません。
そのための材料のひとつとして、ご検証いただければ幸いです。

そして下の記事、ごもっともごもっとも、規制の方、ぜひ日本でもよろしくお願いしたいところです。
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【 CMだけ音量を上げて放映することはご法度!】

12月13日 アメリカNBCニュース

彼らは公式には「そんなことは無い。」と言い張っています。しかし、実際にはそうなのです。
私たち放送にかかわる者全員が、そうした指摘を受けてきました。
テレビ・コマーシャルは、番組そのものよりも常に大きな音量で放映されています。
FCC(アメリカ合衆国通信委員会)がこの状態に対し、規制を行うことになりました。
これからの一年のうちに、規制が実施されることになります。
これまで視聴者の86%が、番組からコマーシャルに切り替わった途端、音量が高くなる、と感じており、これまで何年にもわたり、苦情が寄せられていました。

Visit msnbc.com for breaking news, world news, and news about the economy







 

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