星の金貨プロジェクト

星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

ホーム » エッセイ » 【 特定秘密保護法案の成立、後退を重ねる日本の平和主義、失われていく国民の権利 】〈後篇〉

【 特定秘密保護法案の成立、後退を重ねる日本の平和主義、失われていく国民の権利 】〈後篇〉

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 9分

危機的状況であればある程、重要な情報を隠したがる日本政府
政府にだけ独占的権限を与え、人々の知る権利、報道の自由、そして情報開示を求める権利を著しく侵害する
先進国は今、国民に対しできるだけ多くの事実を公表すべく動いており、その中で日本だけが逆行する法律を制定しようとしている

マーティン・ファクラー / ニューヨークタイムズ 11月28日

秘密保護法03
安倍政権による特定秘密保護法案の処理速度のあまりの早さは、反対派の人々に、この法律が民主主義に対する明らかな脅威となり得る、との恐れを抱かせることになりました。
さらには国政上大きな変革をもたらすような法案については、国会において充分な合意を形成した上で物事を前に進めるという、日本的民主主義の手法をも無視するものだとして、大きな不満を引き起こしました。

「我々は、安倍政権のその外面とは裏腹の、タカ派的な正体をまざまざと見せられた思いです。」
11月24日に特定秘密法案が衆議院を通過した後、日本最大の野党、民主党の海江田万里党首がこう語りました。
この法案に対して最も懸念を表明する声は、破壊された福島第一原子力発電所の周囲からも上がりました。

福島第一原発の事故により避難区域に指定されている浪江町の馬場町長は、11月23日にこの法案に関してたった一度開かれた公聴会の場で、2年以上前の事故の最中、政府が放射性物質の飛散状況を広報することを怠ったため、何も知らされていなかった町民が放射性物質が降り注ぐ場所に向かって避難してしまった事を指摘しました。
馬場町長は危機的状況であればある程、重要な情報を隠したがる政府のあり方について警告しました。

「大切なことはより多くの情報を公開することであり、それを隠すことではありません。」

日本国内の著名な作家、ジャーナリストや学識経験者は、この法案を廃案にするよう熱心に主張を展開し、さらには高級官僚が様々な情報を恣意的に隠す行為を行なうことの無いよう、第三者が厳しく監視する機関の設置を求めました。

彼ら、そして他の多くの人々が、今回の法案は何を国家機密として規定するのか、その点極めてあいまいだとして非難しています。
そして日本はアメリカをはじめとする他の民主主義国家ほど、報道の自由について明確に規定する法律が存在しない点を挙げ、憂慮しています。

秘密保護法04
さらにはこの法律が施行されれば、秘密を洩らした公務員だけではなく、取材をしたジャーナリスト、研究のため資料として入手した大学の研究者までもが犯罪者として処罰される危険性があると警告しました。
さらには機密情報と選挙によって選ばれた議員との関係についても、事前に検証されずに法案の審議が続けられているのです。

日本を代表する別の日刊紙である朝日新聞の社説は、国家機密の漏えいを防ぐことは大切であるにしても、現在の法律は欠陥だらけであり、有権者が何も知らされない場所に追いやられてしまう可能性があると指摘しました。

この法律は政府にだけ独占的権限を与え、人々の知る権利、報道の自由、そして情報開示を求める権利を著しく侵害するものだと批判しました。

11月下旬、安倍首相は議会で、今回の法律は日本が機密情報の管理を強化するために必要であると延べました。
そしてこれは、機密情報の漏えいによってスキャンダルに巻き込まれてしまったアメリカ側からの要請でもあると付け加えました。
これに対し一部の専門家は、こうした批判は当たらないと語っています。

法案の条文には含まれてはいないが、国家機密の指定の運用を監視するため、安倍首相が野党に対し第三者機関の設置に合意した点を挙げました。
彼らはこの法律の運用の対処は軍事機密や、諜報によって得たテロリストの会話記録などに限られると語っています。

「今回の法律は、日本の機密情報の管理能力がアメリカ合衆国と同様のレベルになるだけだと考えています。」
東京大学法学部の長谷部安夫教授がこう語りました。

秘密保護法05
しかしアメリカ合衆国の現行法を模倣することこそが問題なのだと、多くの批判が集まっています。
アメリカを始めその他の先進国は今、国民に対しできるだけ多くの事実を公表すべく動いており、その中で日本だけが逆行する法律を制定しようとしていることに懸念を抱いています。

「スノーデン氏による機密漏えい事件は、アメリカでは国家機密というものを考え直すきっかけとなりました。」
上智大学の田島教授がアメリカの国家安全保障局のエドワード J. スノーデン氏による機密漏えい事件に言及しました。

「そして現在、日本は明らかに間違った方向に向けて走り出してしまったのです。」

http://www.nytimes.com/2013/11/29/world/asia/secrecy-bill-could-distance-japan-from-its-postwar-pacifism.html?pagewanted=2&_r=0&ref=japan
 + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

下の写真を見ていて思いました。
太平洋戦争が終了してから約70年、どんなふうに時の政府を非難、あるいは罵倒したところで、まさか『国家反逆罪』に問われることはありませんでした。
ところが今度の特定秘密保護法、将来の日本には『国家反逆罪』に問われ、法廷に立たされる人が出てくるのではないか、そんな懸念が頭をよぎります。

今なら私たちは未だ、ネルソン・マンデラ氏程長く戦う必要は無いはずです。

そして現在、特定秘密保護法案に群れながら狂奔する議員諸兄に申し上げます。
人々が敬愛し、哀惜するのは、一市民の手から自由や平和を取り上げる権力者ではありません。
市民と一緒に、自由と平等を勝ち取るために戦ってくれる市民目線の『人間』なのです。

 + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

明日、8日日曜日は休載日になります。
9日月曜日より、現在の日本の状況に対する世界の『目』について改めて翻訳を進めて参りますので、よろしくお願いいたします。

 + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

【 自由と平等の戦士よ、安らかに眠りたまえ… 】
ネルソン・マンデラ元南アフリカ大統領、95歳で死去

アメリカNBCニュース 12月5日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

マンデラ1
ニューヨーク、ブルックリンの南アフリカ・レストランで、ネルソン・マンデラの死を悼む人々。(写真上)

ネルソン・マンデラは、1918年に、南アフリカのイースト・ケープの小さな村で生まれました。
1950年ごろ、アフリカ民族会議(ANC)青年部を設立して6年後のマンデラ。(写真下・以下同じ)
Mandela01
1956年、国家反逆罪の審判のため法廷に向かうネルソン・マンデラ。この時は4年間の審理の後、告訴が取り下げられました。
Mandela02
1958年、2番目の妻、ウィニー・マディキゼラとの結婚写真。2人の娘を設けたが、1996年に離婚。
mANDELA03
1961年にアフリカ会議(ANC)で演説するマンデラ。1960年にANCは非合法化され、マンデラは地下活動に専念。軍事教練を受けた後、海外で支持を集めるために1962年に南アフリカを離れました。
Mandela04
1964年6月、逮捕され、法廷で終身刑を言い渡されたマンデラは、囚人護送車の鉄格子の間からこぶしを突き上げ、闘争継続の意思を露わにしました。
Mandela05
1998年3月27日、18年の間投獄されたロッベン島の第5号監獄で、アメリカのビル・クリントン大統領と談笑するマンデラ。クリントンは「新年を捨てる」ことなく、監獄生活を耐え抜いたマンデラを誉め称えました。
Mandela06





 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事に関連する記事一覧

このサイトについて
ほんとうの「今」を知りたくて、アメリカCNN、NBC、ABC、CBS、英国BBC、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
サイトマップ
最近の投稿
@idonochawanツィート
健康関連リンク
アーカイブ