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【 核燃料アセンブリ取り出し作業に伴う著しい危険、事実とは異なる東京電力の広報?! 】

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所要時間 約 13分

事故収束・廃炉作業監督『するはずの』IAEA、原子力発電を擁護する広報活動を展開
東京電力の原子力改革監視委員会、その真の狙いとは

ザ・リアルニュース / フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイション 12月2日



アーニー・ガンダーセン氏は40年以上、現場で原子力工学の経験を積んできました。
彼はレンセラー工科大学に在学し、優等の成績で学号を取得後、大学院では原子力工学に関する研究成果が認められ、原子力委員会の奨励金の給付生として研究を続けました。

ガンダーセン氏は原子力発電の安全技術に関する特許を取得、さらには公認の原子力発電所操作技術者であり、原子力産業界で上級副社長も務めた経験を持っています。
彼は1970年代原子力産業界に身を置き、原子力発電所で実際に数々のプロジェクトの管理や事業を行ってきました。

ジェシカ・デスヴァリュー(リアルニュース・ネットワーク・プロデューサー):
11月18日月曜日、東京電力は福島第一原発において核燃料を取り出すという、これまで遅れに遅れていた作業を開始しました。この作業はこれから数十年の長きにわたって続く事故収束・廃炉作業の端緒を成すものだと言われています。
この『想像できない程の危険が伴う』と言われている作業の実際について、私たちと一緒に検証していただくため、今日はアーニー・ガンダーセン氏にお越しいただきました。ガンダーセン氏は原子力産業界において40年以上の実務経験を持ち、公認の原子力発電所操作技術者であり、さらには原子力産業界で上級副社長も務めた経験をお持ちでいらっしゃいます。
アーニー、今日はお越しいただいてありがとうございます。

4号機核燃取出02
アーニー・ガンダーセン(フェアウィンズ・チーフ・エンジニア):
今日はお招きいただき、ありがとうございます。

デスヴァリュー : アーニー、あなたは最近東京電力が福島第一原発における、非常に困難である上に極めて危険でもある事故収束・廃炉作業について、外部に対し偽りの広報を行っていることを告発するアニメーション・ビデオを公開されましたね。
しかし東京電力は原子炉4号機からの核燃料アセンブリの取り出し作業に成功したとの報告を行っています。
これは事態が好転しているという証しでしょうか?それとも誇張が過ぎる、そういった感想をお持ちでしょうか?

ガンダーセン : やはり私は東京電力の報告には誇張があると考えています。
これは1950年以降続けられてきた、一般市民は東京電力を信頼すべきであるという広告宣伝政策、そのひとつであるように私は感じています。
その場所にいるのは、みすみすネズミに電線をかじるのを許し、いまだに大量の放射能汚染水が太平洋に流れ込んでいるのを止めることが出来ずにいる人たちなのです。
そして今、日本の人々はもっと複雑で難しい、潜在的にはきわめて危険性が高い作業を実施するにあたり、東京電力を信頼するよう期待されているわけです。
であるなら、東京電力は核燃料アセンブリを安全に、完璧に取り出さなければなりません。」
「東京電力が発表した通り、核燃料アセンブリが取りだされたことは疑いの無い事実だと思います。しかしだからといって、これからの全工程を東京電力が完璧に実施する能力を証明した訳では無いのです。」

デスヴァリュー : 作業が困難で、きわめて危険性が高い部分について具体的にご指摘いただけますか?

4号機核燃取出 2
ガンダーセン : 福島第一原子力発電所は巨大地震に襲われました。使用済み核燃料プール内では収納されていた核燃料が、繰り返し隔壁に打ち付けられるような事態に見舞われました。
そして揺れが続いている間、核燃料プールの水面には高さが1メートル近い波が発生したのです。
突如1メートル近い波がプール内で発生したという事が、この時地面がどれ程激しく揺さぶられたかを端的に表しています。
これにより使用済み核燃料プール内では、核燃料アセンブリを収納したラックが端から端へと激しく移動し、繰り返し隔壁に叩きつけられたと考えられます。
この事象は実は福島第一原発事故発生の2年前、中越地震の際に同じ東京電力の柏崎刈羽原子力発電所で発生し、核燃料ラックが歪んでしまったのです。
核燃料ラックはタバコのパッケージに似ています。
新しいパッケージならタバコをスムースに引き抜くことが可能です。
しかしひしゃげてしまったパッケージからは、タバコを引き抜くことは不可能です。

原子力発電所に戻りましょう。
つまり使用済み核燃料プール内の核燃料ラックは巨大地震の発生により、明らかに歪んでしまっているのです。
柏崎刈羽原子力発電所の場合は、一部の核燃料がラックに引っかかり引き抜くことが出来ない状態に陥りました。
福島第一原発の場合は4号機原子炉建屋の屋根が吹き飛び、桁(けた)が使用済み核燃料プール内に崩落し、核燃料アセンブリを収納しているラックに損傷を与えてしまいました。

4号機核燃取出03
原子力発電企業の上席副社長を務めていた際、私がこのラックを作りました。
このラックは高い耐性を持っています。非常に、非常に高い耐性を備えています。
そのラックから核燃料アセンブリを引き抜かなければならないわけですが、損傷してしまった場合にはラックの耐性が高いことが逆に障害になります。
さらに核燃料プール内には屋根が崩壊した際のがれきが残っており、これも核燃料アセンブリを取り出す際の障害になります。
私が恐れているのは取り出しの際、このがれきが核燃料アセンブリを損傷させてしまう事態です。

デスヴァリュー : 現在、国際原子力機関(IAEA)から19人の専門家が選ばれ、福島第一原発の事故収束・廃炉作業を監視すべく待機しています。彼らは11月26日火曜日に現地に入ることになっていますが、それによって私たちは福島第一原発の実情について明快な情報を手にすることが出来るようになるのでしょうか?

ガンダーセン : 少しおさらいしてみましょうか。
国連は何のために国際原子力機関(IAEA)を設立したのでしょう?
IAEAのサイトに接続すれば、その答えをはっきりと確認することかできます。
IAEAの憲章の第II条にそのことが明快に記されています、原子力発電の普及です。
私たちが考えるIAEAの役割は、福島第一原発における事故収束・廃炉作業が、誰が見ても妥当な手順や内容で進んでいるかどうか、その事を監視することです。
そのために19人の専門家が現地に派遣されたのだと、誰もが考えるでしょう。
しかし実際は違います。
彼らは東京電力と一緒になって、原子力発電のイメージをこれ以上損なう事の無いよう、福島第一原発の事故現場に派遣されたのです。

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東京電力はこの40年間、福島第一原発において不適切な運営・管理を続けてきましたが、IAEAが指摘を行い、改善を指示したことがあったでしょうか?

デスヴァリュー : アーニー、アメリカの原子力規制委員会の元委員で、現在は東京電力が組織した原子力改革監視委員会の委員長を務めるデール・クライン氏の発言について、あなたの感想をお聞きしたいのですが。
彼は最近、オーストラリアのテレビ局の取材に答え、東京電力は放射能汚染水を太平洋に投棄することになるだろうと語りました。
しかし東京電力はすでに、放射性物質を含んだ汚染水を海洋投棄しているのではありませんか?
そしてこの問題は、私たちにとっても深刻な懸念となる事態なのでしょうか?

ガンダーセン : そうですね、まずデール・クライン氏が原子力発電の推進者として長い経歴を持つ人物であるというところから考えてみましょう。
このニュースをご覧の皆さんは、インターネット上で『原子力発電のサクラ』といった人物の存在に出会ったことがあるかもしれません。その人物こそデール・クライン氏なのです。

現在福島第一原発内にある高濃度の放射能汚染水を貯蔵したタンクからは、構造上の問題から汚染水が漏れ続けています。
現在クライン氏が提案しているプランは、汚染水をタンクからポンプを使って太平洋に流し込んでしまうというものです。

汚染水07
私にはその方法が良い方法だとはとても思えません。
汚染水の処理方法としてはそのやり方は経費がかからず、早く、そして目の前から問題が無くなるという点において好都合です。
しかしここにロンドン条約1972というものがあります。
※ロンドン条約 1972(ロンドンじょうやく 1972, London Convention 1972)は、海洋の汚染を防止することを目的として、陸上発生廃棄物の海洋投棄や、洋上での焼却処分などを規制するための国際条約。(WIKIPEDIAより引用)

1972年にこの条約が成立した当時、グリーンピースなどは放射性廃棄物が海に投棄されるのを防ぐため、非常に活発に活動しました。
もし福島第一原発から放射能汚染水が海洋投棄されれば、私の考えですが、ロンドン条約に違反することになります。

デスヴァリュー : アーニー、今日は貴重なお話をありがとうございました。
ガンダーセン : こちらこそ、今日はお招きいただきありがとうございました。

http://therealnews.com/t2/index.php?option=com_content&task=view&id=31&Itemid=74&jumival=11085
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自民党の国会議員たちが、原子力規制委員会が行っている東北の原子力発電所の地質調査に無言の圧力をかけ始めたというニュースが報じられていました。( http://www.kahoku.co.jp/news/2013/12/20131217t21018.htm
『福島第一原発事故の教訓』について真剣に考え、この国にとってあるべき姿を本当に考えての行動かどうか、ここにも目を離せない動きが見え始めています。

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【 11月の傑作宇宙写真 】《2》

アメリカNBCニュース 12月1日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

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チリのアタカマ砂漠にある欧州南天文台(ESO)が撮影した写真。手前に見えるのはのスイスの1.2メートルのL・オイラー望遠鏡を備えるラシイラ天文台、後方は3.6メートルの望遠鏡を備えるESOの天文台。ラシイラ天文台は海抜2,400メートル地点にある。11月6日撮影。(写真上)

イギリスのダミアン・ピーチが11月15日に撮影したISON彗星の写真。(写真下・以下同じ)
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アラスカ、アンカレジで撮影された満月の写真。11月17日。
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無重力空間の集合写真。若田光一さん始め、国際宇宙ステーションの『希望ラボ』の9人の乗組員。
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自作の105,000ミリ望遠鏡を操作するアメリカ、ユタ州のマイク・クレメンツ氏。11月17日。クレメンツ氏の本業は長距離トラックの運転手だが、天文観察にかける情熱には並々ならぬものがある。この自作の望遠鏡は18,000ミリの反射鏡を備え、現在ギネスブックに登録を申請中。
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メキシコのアツィツィンティアの町の近くのシエラネバダ山の頂上にある、ラージミリメーター望遠鏡。単一の望遠鏡としては、世界最大の口径と周波数を誇る。
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