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【 フクシマ、追いつめられたままの人々、立ち直りすら許さない放射線 】《前編》[ガーディアン]

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所要時間 約 6分

地震、津波、放射線が破壊をほしいままにしてから3年の月日
事故で廃墟のままにさせられた場所の人々にとっては、何も終わってはいない

ガーディアン 2014年1月1日

NBC17
津波の被害の復興作業、そして福島第一原発事故による放射性物質の除染作業、10年という時間を待つ事さえ出来れば、故郷に戻れるはずでした。
しかし復旧に取り組む当事者はこう語っています、永久に失われてしまったものがある…と。

巨大地震と津波が襲い、そして東京から北東方向280キロ地点にある福島第一原子力発電所が大量の放射性物質を環境中に放出し、福島県沿岸、そして内陸の市町村を破壊し尽くしてから、もうすぐ3年の月日が経ちます。
そして浪江町もまた、人が姿を消してしまったゴーストタウンに変わり果ててしまいました。

21,000の人々が暮らしていた浪江町は、2011年、約10キロ南にある福島第一原発が放出した放射性物質による汚染のため未だに環境中の放射線量が高く、町民全員が避難生活を強いられたままの状態に置かれています。
家の中にも、店舗の中にも、そして路上にも住民の姿は無く、いるのは検問所と巡回中の警察官だけです。

地球滅亡を描くハリウッド映画さながら、舗道の割れ目からいたるところ顔を出す雑草が猛々しく繁茂しています。

NBC23
放棄された自動車修理工場には、地上から高く持ち上げられたままの自動車がすっかり錆びつき、もう二度と再開される事の無い修理を待っています。
野生化してしまった犬が荒れ果ててしまった庭から、じっとこちらを見つめていました。

波江は今、誰が暮らす町でもありません。

ここで暮らす人間は皆無です。
訪れる人間もいません。
空き巣にすら見向きもされません。

そしてそれを望む人がいるのかどうかを別として、一体いつになったらこの場所で人間が再び生活できるようになるのか、それを知る者はいないのです。

日本の3.11に関する見出しは、とうの昔に世界のメディアの第一面から姿を消しました。
しかし浪江町、富岡町、大熊町、双葉町、そして福島第一原発の周囲30キロ圏内に含まれる、事故で廃墟と化してしまった場所の人々にとっては、何も終わってはいないのです。

NBC24
そして福島第一原子力発電所そのものでは、漏れ続けている高濃度の放射能汚染水が相変わらず海に流れ出し、破壊された原子炉建屋の中から核燃料を取り出すという困難な作業が始まり、この施設が未だにどれ程危険な状況にあるかを明らかにしました。

この危険な状況は、これから40年は続くとされている事故収束・廃炉作業の間、ずっと続く事になるのです。

避難生活を強いられたままの人々にとって、福島第一原発の事故の重さは何にもたとえようがありません。

避難区域は今年始め、放射能汚染の程度により3つの地帯に再分割されました。
最悪の影響を受けた地区では、早くとも2017年以前の帰還は許されません。
そして他の地域では、家族と企業が戻るべきかどうかについての難しい決断を迫られています。

現時点では誰も、一晩泊まる事すら許されません。
この地で暮らしていた人々は、この場所に多くの若い人々が戻る事は決して無いだろうと語ります。

東京電力・広瀬
東京電力は津波から福島第一原発の施設を守るため、適切な対策をとっていなかった事が事故後明らかになりました。
さらには発生後も、事故や汚染の拡大を防ぐために何ら有効な対策をとる事が出来なかった政府や東京電力、今やその公式発表をそのまま信じる住民はほとんど、あるいは全くいません。

ここにひとつの疑いがあります。
福島第一原発の事故の放射能汚染により、もう二度と人間が住めない場所になってしまった市町村があるにも関わらず、政府は今ですら極めて不人気な原子力発電を守るため、その事実を隠しているのではないかという疑いです。

そして福島第一原発事故の被災者の存在すら、今や視界から消されてしまったという思いもあります。

しかし除染作業は丹念に進められており、汚染のひどく無かった地区では若干の改善も見られる、浪江町に使い南相馬市小高区の村田区長がこう語りました。

福島県では津波により18,000人が死亡、あるいは行方不明になりました。
日本政府の復興庁によると、福島第一原発の放射性物質の放出により、さらに154,000人が避難生活を余儀なくされています。

NBC15
小高区では148人が死亡、南相馬市全体では300人以上が亡くなりました。
村田区長によると小高区では、災害発生前12,800人だった住民のうち53バーセントにあたる6,800人の帰還が実現しました。

福島第一原発の事故が直接原因で死亡した人はいません。
しかしチェルノブイリの事故の経験から、子供たちの甲状腺ガンの発生割合については目が離せない状況にあります。

〈後編に続く〉

http://www.theguardian.com/environment/2014/jan/01/fukushima-ghost-towns-high-radiation-levels-tsunami





 

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