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【 福島第一原発の放射線への、監視の目をゆるめてはならない 】《第1回》

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所要時間 約 7分

福島第一原発への日本政府の対応を監視する、アメリカの市民たち
あれほどの事故が、地球規模の汚染と無関係であるはずが無い

ハリマ・カゼム / アルジャジーラ 1月19日

福島空撮・縦
▽ 人権

ジョン・バートゥッチ氏はどこに行く時も、放射線を測定するためのガイガーカウンター(線量計)を持ち歩いています。
彼の掌より一回り大きい線量計は、彼の周囲の大気中の放射線濃度を測定するためのものです。

「この装置の使い方について、まだ完全にマスターした訳ではありませんが、自分の身を守るために自分で手段を講じ、その情報を自分で管理しているという事実によって、少しは安心することが出来ます。」
彼はカリフォルニアの北部海岸の近くの小さな町、ペタルーマで暮らしています。
バートゥッチ氏は科学者ではありません。
1950年代からペタルーマで暮らし、現在は映画を制作する仕事に就いています。

2011年3月に発生した福島第一原発の事故は大量の放射性物質を大気中に放出しましたが、米国政府も州政府も米国に飛来しているはずの放射性物質がこのカリフォルニアの沿岸地区で、大気中、食物連鎖、そして海洋中にどのように存在しているのか体系的な解明を行っていないと、バートゥッチ氏は考えています。
そのため彼は今、放射線量の監視について知識を深めようとしているのだと語りました。

マグニチュード9.0の巨大地震によって発生した津波によって大きな被害を受けた後、日本の福島第一原子力発電所では3基の原子炉がメルトダウンをおこす事故が発生しました。
事故後間もなく、福島第一原発は大気中、そして海洋中に大量の放射性物質を放出し始めたのです。

「日本はカリフォルニア海岸から数千キロの彼方にあります。しかし、福島の放射性物質がカリフォルニアにまで到着していることは、調査によって明らかにされているのです。」
バートゥッチ氏がこう語りました。

福島カリフォルニア
▽ フクシマ・レスポンス

バートゥッチ氏は『フクシマ・レスポンス』の創設者です。
『フクシマ・レスポンス』はアメリカ、カリフォルニア州北部の住民たちが、放射能汚染も含め福島第一原子力発電所関連の情報を収集し、広く情報提供を行うための組織です。

始めは2012年5月、ペタルーマの喫茶店に集まった6名によって始まりましたが、現在は全米から35人の活動家が参加するネットワークに成長しました。

定期的に月例会議を開き、福島第一原発の事故に対する日本政府の対応、科学者の現状分析について情報交換を行い、今後自分たちの身を守るため自身で放射線濃度の測定を行う方法などについて検討します。

2013年10月に、グループは、サンフランシスコの海岸に「福島の事故はこの場所にも及んでいる」という人文字をつくり、福島第一原発の状況についてのアピールを行いました。
「私たちは日本の人々が最悪の状況に直面させられている事に懸念を持っていますが、同時に自分たちの子供たちの事も心配なのです。
カリフォルニアの放射線量は高くなっていないのでしょうか?来年の夏、子供たちは海岸で泳いでも大丈夫なのでしょうか?」
2013年11月の月例会議に参加した3人の子供の母親であるマギー・ホールさんがこう語りました。

バートゥッチ氏もホールさんもその他の『フクシマ・レスポンス』のメンバーも、アメリカ市民の健康と環境を守る役割を担う政府機関である環境保護局などが、福島第一原発の事故に関連して果たすべき役割、すなわち福島第一原発が放出した放射線濃度の測定を詳細に行っているのかどうか確信が持てないのだと語りました。
そしてどの米国政府機関も、海洋中の放射線量の測定を行っていない事実を指摘しました。

仏・フラマンヴィル
環境保護局は大気中、飲料水、降雨、殺菌済みの原乳について放射線濃度を測定し、その結果を市民に報告しています。
環境保護局の放射線の監視システムはラドネット(RadNet)と呼ばれ、全米132カ所に設置された湖底の線量計によって構成されています。
このシステムは途切れる事無く環境中の放射線量の監視を続け、計測値が異常な値になった場合、環境保護局の本部に警報を送る仕組みになっています。

しかし放射線計測の専門家と市民活動家は、全米に104基ある原子炉で深刻な事態が発生した場合、あるいは福島第一原発でさらなる爆発などが起きた場合、このシステムでは住民を守りきる事は出来ないと語っています。

「1979年にペンシルヴェニア州のスリーマイル島で原子炉メルトダウンの事故が発生した際、放射線計測の専門家や研究機関は250基の測定ステーションを設置するよう訴えました。
政府は原子力発電所ごとに250基の測定ステーションを設置する必要がある事を認めているのです。」
放射線計測の専門家であり、ロシアのセバストポーリでバートゥッチ氏が持ち歩いているような携帯型の線量計を製造販売する会社、インターナショナル・メドコム社を経営するダン・サイズ氏がこう語りました。

〈 第2回につづく 〉

http://www.aljazeera.com/humanrights/2014/01/us-residents-monitor-fukushima-radiation-201411911450378232.html
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今日から3回に分け、今太平洋の放射能汚染がどうなっているのか、アメリカ側から見た分析をご紹介します。
第3回でショッキングな『事実』が詳しく語られることになります。
ちょっと長い記事ですが、おつき合いください。







 

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