ホーム » エッセイ » 【 途上国グループの中、再生可能エネルギーへの転換のトップを走り始めたアジア諸国 】
[ 原発とは人類にとって何なのか、何だったのか?! 〈第5回〉]
AOLエネルギー 2012年1月4日
再生可能エネルギーの未来は、開発途上国の間にも広がってきました。
大手調査機関の一つ、アーンスト・アンド・ヤングは、コストに対する意識と逆境下の産業経済に鑑み、伸び悩む需要にも対応でき、経費も削減できるスマートグリッドが注目され始めた、と述べています。
〈インドの反原発集会〉
再生可能エネルギーに力を入れる国々に経済成長の可能性がある、と新しいアーンスト・アンド・ヤングの報告書が述べています。
すなわち、気候変動に関する懸念に揺れ動いた10年が過ぎましたが、この間、再生可能エネルギー開発は安全な発電手段の確保を可能にし、新たな雇用創出効果を発揮しました。
その一方、中央政府の多額の補助金が開発のため支出されたことにより、温室効果ガスの排出権取引価格が高騰することが予測されています
そのことが、なお一層再生可能エネルギーへの切り替えを促すという循環が見られる『革新的段階』に入った、とこの報告書は述べています。
「主要国の経済の政策立案者は今、停滞する経済を打開するため尚一層緊縮財政政策を行わなければならなくなっている一方、新興市場における人口構造の変化、そして人口増加が再生可能エネルギーへの投資を呼び込んでいるように観察できる。」
研究を行ったグループはこう語り、以下のようにつけ加えました。
「今や世界の力の均衡は変化し、東ヨーロッパ、中東、北アフリカ、東南アジア、ラテンアメリカが再生可能エネルギーの将来について重要な役回りを演じるようになっている。」
〈台湾の反原発デモ〉
「これとは対照的に、西ヨーロッパと米国の市場は政府の緊縮策により縮小、投資は制限され、海外との競争も激化している。」
部分部分に低コストのシェールガスの影響を例に挙げながら述べています。
天然ガスの生産者はしばしば天然ガスと再生可能エネルギーによる発電が共存するプランを持ち出し、再生可能エネルギー発電の起動部分で天然ガスを使用することにより、途切れることの無い発電が可能になるとしています。
しかし天然ガスの価格はあまりに安く、再生可能エネルギーについて優位性の無い市場や低い天然ガスの価格が設備計画の基本になっているような場合には、再生可能エネルギーを除外する理由づけに使われることがあります。
成熟した資本市場を持ち、2012年も継続している欧州のソブリン債務危機によって銀行の融資が抑制されているため経済発展も期待できない国において、再生可能エネルギーの 今後を見通すことの難しさが、2011年第3四半期以降、新規株式公募に急ブレーキをかけることになったと、全米ベンチャーキャピタル協会会長マーク・ヘーセンがE&Yレポートの中で述べています。
中国の三峡ダムの建設会社である、中国水力発電グループによる株式の大量売却と概算で20億ドルほどの海外旅行分野への新規投資は、世界中の再生可能エネルギープロジェクトの開発者の不興を買いました。
E&Yレートによれば、同社はカンボジアにおけるクリーンエネルギー・プロジェクトに投資しており、世界中の同様のプロジェクトへの投資を発表していました。
〈韓国の反原発デモ〉
E&Yはさらにアジアの再生可能エネルギー市場、特に中国の巨大市場は、企業合併や買収を含む金融取引を行う企業に、大きなチャンスを提供する、と述べています。
統計によると中国は風力発電容量を毎年倍増させており、いまや再生可能エネルギーの容量増加の速度は、石炭火力発電の容量の増加スピードを上回るようになりました。
中国は、これまで石炭火力発電所の建設を積極的に行ってきましたが、鉱山の開発・生産に大きな利権を持っているにも関わらず、国際市場で価格に関する駆け引きをこなしながら十分な石炭を確保する、都市の空気をこれ以上汚染しないようにするという2つの課題に直面しています。
風力、太陽光、水力発電市場において、非公開投資会社ブリッジポイント、日本の総合商社丸紅、アメリカの巨大設備企業のNRGエナジーなどが企業合併に関し、活発に駆け引きを行っています。
そのような中、10億ドル以上の電力を販売する水力発電技術企業であるアリゾナ・インデベンダント・パワーがグリーン・プラネット・グループに統合合併されました。
今や財力のある非公開投資会社や設備企業が、絶えることの無い利益の獲得を求め、既存の再生可能エネルギー関連企業を統合・合併しながら、新たにこの市場に参入してきています。
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いかがでしょうか?
私はこの記事を読んで、原発にこだわり続ける日本が、世界、そしてアジアの中でもどんどん取り残されて行っているような気分になりました。
冷静に世界を見れば、原発にしがみつくことは、一方で再生可能エネルギーに大きく舵を切り始めた世界の中で、日本だけが「後れを取ってしまう」ことにもつながりかねません。
かつて将来を有望視されていた日本の燃料電池に関する研究は、電力業界が圧力をかけてつぶした挙句、闇に葬られてしまったそうです。
このようなことを繰り返しているから、「いざというときには世界から信用されない日本」になっていくのではないでしょうか?
初めは良いも悪いも無く、客観的評価を試み、その結果について議論し、最良の選択をする。
そうする方が明らかに、右も左も無く、国民全体にとって一番良い結果が得られるはずなのに。
次週、「結論の部」とも言うべき原稿を掲載していきます。
そして下記は、アメリカの冬の嵐のおはなし。
ワシントン「州」は西海岸にあって、東海岸の首都ワシントンとはまったく関係ありません。
州都はオリンピアですが、規模・経済の面での中心都市はイチローのいるシアトルです。
私が暮らす仙台から福島県のいわき市にかけては雪が少なく、気温は下がっても、路面に雪があることはほとんどありません。
ですから逆にちょっと雪が降ると、朝晩の通勤時には市内が大渋滞します。
私の自宅は10キロ以上離れた太平洋が2階のバルコニーから見通せるほどの高台にあるため、朝の通勤時に雪が降ると、渋滞を避けるためにみんなが敬遠するような急坂を下って通勤することになります。
もっとも、雪が降ると必ず2、3台の車が止まりきれずに一番下の電柱にぶつかっている、というほど急な坂もありますが、さすがここは通らないようにしています。
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【 分厚い雪に覆われた真っ暗な夜 】
アメリカNBCニュース 1月18日
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