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【 核廃棄物 – これ以上もう貯蔵する余裕が無くなっている 】〈前編〉

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所要時間 約 9分

[ 日本が抱え込んだ大量の核廃棄物・放射能汚染廃棄物、「処理は不可能…」サジを投げる世界の専門家 ]
[ 原発とは人類にとって何なのか、何だったのか?! 〈第6回〉]

ケイト・ガルブレイス / ニューヨークタイムズ 2011年11月27日


2011年3月に福島で発生した原子力災害は、原子力発電事業を志向する世界中の国々に再考を促すことになりました。
そしてもう一つ、真剣に考えなければならない問題があります。
原子力発電所が排出し続ける核廃棄物をどうするのか?という議論です。

〈核廃棄物輸送に反対するため集まった大量のトラクター : ドイツ〉


典型的な例としては福島で起きた部分的な原子炉のメルトダウンの後、2022年までにすべての原子力発電所の閉鎖を決めたドイツです。
この決定は、ドイツ人は原発の廃棄物の永久処分場に的をしぼった、冷静な議論をすることを容易にするものだ、と専門家が指摘しました。

ベルリンにある再生可能エネルギーを専門に調査研究とコンサルティングを行っている、オッコ研究所の経営最高責任者マイケル・ザイラーによれば、以前は原子力発電反対派は、廃棄物の恒久的な解決策をバックアップすることは、原子力発電所の存続に貢献すると考えていました。
ザイラー氏によれば原子力発電に反対の立場をとる政治家は、もし自分たちが恒久的廃棄物処理施設の完成に賛成すれば、「原子力発電推進派が、最も厄介な難題を解決してしまうことになる。」と考えていました。

核廃棄物問題に対する抗議活動はドイツでは長い伝統になっており、現在も続いています。
最近ではドイツの処理施設に向って核廃棄物を輸送する列車に対し、ドイツ、フランス双方の反核運動家が抗議活動を行い、警官隊と衝突しました。
この廃棄物はドイツで排出されたものをフランスで再処理を行い、再びドイツの処理施設に輸送途上でした。

そうであってもドイツは現在、廃棄物の問題を前に進めています。
今月初め、ドイツ全土の首長などリーダーが集まり、永久的な処分の解決策について議論しました。
ザイラー氏によるとこの会議では、全国に潜在的なサイトの数を確認し、最終的にどのサイトの運営を続けるのか、科学的根拠に基づく意思決定を行うことに合意しました。
同氏によればこの取り組みは、以前に比べ内容的に格段の進歩を遂げています。

他の国々でも『福島後の世界』における、核廃棄物の取り扱いについて模索が続いています。
今この瞬間にも世界中の原子力発電所で核廃棄物が排出され、そのほとんどが原子力発電所内、使用済み燃料プールや冷却済み固化廃棄物ドラム缶の形で貯蔵されています。
専門家は分散貯蔵法は高価である一方、一カ所に集積して保管する方法の方が安全であるとの指摘をしています。

いくつかの数少ない国々は、スウェーデンとフィンランドは除きますが、恒久的に廃棄物を貯蔵するために設計された、地中深くに集中して貯蔵する施設に積極的です。

フランスでは、ブレから北東方向に遠く離れた村の近くに、使用済み燃料の永久処分場建設を検討しています。
フランスでは、消費電力のほぼ4分の3を原子力発電所で発電、使用済み燃料の再処理も行っています。
フランスで採用されている方法では核廃棄物の質量を減少させる事が可能ですが、費用が高くつく上、この処理を行う事により核兵器に転用可能なプルトニウムを手に入れる事ができます。

日本もまた貯蔵施設を建設し、今後数十年間の核廃棄物を地中深く埋設する処理を目指しています。

しかしながら、日本における原子力発電のあらゆる関連事業 - 廃棄物貯蔵施設を含む - は3月に発生した巨大地震と津波が引き起こした福島の災害により、形勢が180度逆転しました。
事故の結果、サンディエゴ州立大学の核専門家であるマレー・ジェネクス教授によれば、日本は未使用核燃料と高レベル廃棄物を普段の2倍から3倍抱え込む事になってしまいました。
原子力タービンを収容する建物の類いまでが汚染されてしまった、と彼は指摘しました。

「このため日本では核廃棄物・放射性廃棄物を貯蔵する施設の確保が切実な問題になっていますが、いったいどうすればそれが可能なのか、私にも見当がつかない程困難な問題です。」
ジェネクス教授はこう語りました。

http://www.nytimes.com/2011/11/28/business/energy-environment/a-new-urgency-to-the-problem-of-storing-nuclear-waste.html?_r=1&ref=nuclearwastes
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先週から続く[ 原発とは人類にとって何なのか、何だったのか?! ]シリーズ。
先週は「前段」として、色々な「現実」をご確認いただきました。
今週は、次々結論を出していきます。

ということで月曜日から、日本が暗然とならざるを得ない内容で申し訳ありません。
しかし、世界中の核科学者がさじを投げる程、日本は今深刻な状態にある、その事を私たち日本人は肝に銘じなければなりません。
この状態で『原発再稼働』などしてしまったら、日本は汚染列島どころか、国民があらゆる種類の放射能被害に冒される核廃棄物列島になってしまう可能性があります。

原発施設内、六ヶ所村などの廃棄物処理施設、そして輸送中の核廃棄物。
今や日本は、何かあればどこでメルトダウンが起きてもおかしくない。
いったいなぜ私たち日本人は、そこまでの危険を背負わなければ無いのでしょうか?

〈ドイツの核廃棄物輸送列車と警戒にあたる警官〉

福島は今や日本だけでなく、世界にとって脅威になっているのに、日本の政府機関がまったくの無能をさらけ出している。
あげく、「日本の原発は安全だから、買ってくれ」と売って回ろうとすらしている。
毎日様々な世界の報道をチェックしていますが、これらの事に世界がいら立ちどころか、憎悪すら感じ始めている事が伝わってくるようになりました。

フクシマ、世界が私たちを見る目がどんどん冷たくなっている事を、日本人は正面から受け止めなければなりません。
こう書くと見当違いの外国批判を始める人がいます。
そのロジックは決まっています。
日本も○○かもしれないが、アメリかだって□□だろう、ドイツなんか△△じゃないか…
こんな批判をしたって、核廃棄物も放射能汚染物質も1グラムも減らないし、福島第一原発の原子炉の温度も下がりません。

世界標準から見て明らかに時代遅れの原子炉を、ずさんな管理の下に稼働させていたのは日本、この責任ばかりはどこにも転嫁できません。

さて、後半のニュース。
お断りしますが、これ、オバマ大統領だから歓声が上がったのです。
どこかの国の不人気な首相がこれをやったら、世界中が凍りついてしまうだろうことをお忘れなく。
まして今、日本は第一級の寒気団の下。
絶対に真似しないでください。
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【 大統領のハスキーボイス 】

アメリカNBCニュース 1月20日

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今日はあっという間に世界に広まっているビデオをご紹介します。
昨日19日夜、オバマ大統領は一連の募金活動のため、ニューヨークを訪れていました。
彼の演説はハーレムにある世界的に有名なアポロ劇場で行われましたが、ソウル界伝説の巨人、アル・グリーンの物まねをしてみせました。
聴衆が大喜びする様子を見て、大統領は2小節程歌声を披露しました。

オバマ大統領「♫ ぼくは君と恋におちてしまったのさ…♩」

アポロ劇場のオバマ大統領でした。





 

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