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【 原発は都合良く、限度を超え単純化された理論の産物 】〈第2回〉&【フランス国内の原発 : 安全確保に追加5兆円】

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所要時間 約 9分

「科学者がやってはならない、都合の良い原理抽出により原子力発電の理論は構築された」
[ 原発とは人類にとって何なのか、何だったのか?! 〈第12回〉]

[学術ビュー:単純思考の難しさ]エコノミスト(イギリス) 2011年9月




目の前の現象を切り分けてものごとの核心に近づき、発端となった理論の合理性について検証し、分析結果から結論を導き出すというやり方は、将来のビジネス社会のリーダーとなるべき、我がビジネススクールの学生たちにぜひ身につけて欲しい方法論です(科学者がやってはならない都合の良い原理抽出は、科学者としての良心を持たない者だけができる事であり、ほとんどの学生についてはその心配は無用だと思われます)。

修士課程の学生に基本的なビジネスを教える際にも、私はこのアプローチを大切に守っています。
ひとつにはそうする事で、学生たちが将来経済社会の中枢を占めるようになったとき、雑な考え方をしないようになるからです。
もうひとつには - 自分に都合の良い話をするつもりはありませんが - 彼らが持っている期待に応える事ができるからです。
1学年進級するために、数百万円を費やす人間ならこう尋ねて当然です。
「それを身につけることが私にとってどんな価値があるのか、明快に説明してください。」


しかし私はこの方法で将来の企業の幹部たちを訓練することを支持するのと同程度に、その危険性についても考えています。
『科学者がやってはならない、都合の良い原理だけを抽出すること』の危険性について。

福島について分析すると、今回の事故とこれにかかわるすべてのことが、悲劇的なほどこの典型的な事例であることがわかります。
現状を説明するため問題を単純化していくことは大切ですが、一方ではそれによって責任者が将来採るべき方針を決定する際、進むべき方向の選択を間違わせる危険性があります。


事実そうなってしまえば、責任者は他に選択の余地はないとばかりに、これまで同様安価な方法であることを理由に、今後も変わらないやり方を続けるべきであると結論づけてしまうでしょう。
そして誤った選択を行うだけでなく、単純化された都合の良い部分の背後にある、複雑で多岐に渡る部分について理解しないまま今後の方針を決めてしまうことになります。
そのことにより現状を変えることに、まったく興味を示さない電気事業の経営者たちに、一見科学的に見える正当性を与えてしまうことになります。

〈つづく〉

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最後の「一見科学的に見える正当性」という部分が大切だと思います。
つまり、原子力発電のコンセプトは本当は科学的なものでは無い、ということになります。



なぜか?
それは本当は原理原則を見つけ理論を組み立てるためには、すべての事実を公平に検証する客観的態度、つまり科学的態度を保たなければならない。
ところが、科学者としての良心を捨て、『科学者がやってはならない、都合の良い原理だけを抽出』する行為を行って作り上げたもの、それが原子力発電の『正当性』である。
科学者が手を染めているため、「一見科学的に見える」ものの、「やってはならない、都合の良い原理だけを抽出」をしているため、科学的だなどとはとても言えたものではない、そうなりませんか?!

だからこそ[原子力業界は常習的に不正表示を行い、自分たちに都合の良い解釈を広め、疑惑はすべて否定し、ときにはあからさまに他人をだます( http://kobajun.chips.jp/?p=1606)]事が必要になるのでしょう。
隠蔽や不正表示がつきまとうのは、原子力発電を成立させた論理に致命的な欠陥があったからに他ならなかったのです。

そして「今後も変わらないやり方を続ける」事が福島第一原発の事故以降は、多額の費用を要するものに変わってしまった実例を紹介しているのが、下記の記事です。
原子力発電を続けるつもりなら、特殊部隊を編制・維持していかなければならない。

[ 原発とは人類にとって何なのか、何だったのか?! ]、その正体が明らかになってきましたね。

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【フランス国内の原子力発電所 : 安全性確保のため総額5兆円】
「発電を続けるなら『原子力危機専門特殊部隊』の創設も必要」


〈25年が過ぎても廃墟のままのチェルノブイリ付近の街〉


ル・フィガロ(フランス) 1月4日


『原子力発電所:全体の安全性を確保するため100億ユーロ(1兆円)以上積み増すことが必要』
フランスの日刊紙フィガロは、同国の核監視機関『原子力保安局(ASN)』がフランス国内の原子炉を点検後、 このように発表したことを伝えました。
『フランス国内の原子炉にはどのような欠陥も見いだせないが、追加安全対策が必要と思われる』


ASNは フランス国内の58基の原子炉について『即時停止』などの措置は求めていませんが、『極端な条件が生じた場合』に対応するため 『可能な限り早く現在の原子力発電所を頑丈にすること』が必要である、としています。
最終的な目標は『自然災害がいくつも重なって襲ってきた場合』、あるいは電源が失われた場合や原子炉の冷却装置が稼働しなくなった場合でも、事故の発生を防ぐためである、とフィガロが伝えています。


同じくフランスの日刊紙ル・モンドは、ASNがヨーロッパ最大規模の原子力発電所を運営するフランスの電力会社等に対し、危機管理、危機発生時の情報伝達、そして発電手段と水資源を守る能力を向上・改善させる、という課題を与えられている、と伝えました。
さらに同紙はASNには 『原子力危機専門特殊部隊』の創設も求められている、と指摘しました。
この部隊は『原子力事故に対応できる装備を持ち、事故発生24時間以内に現地に到着する緊急部隊であり、2014年までには結成される予定』だとルモンドが伝えました。

これらの対応に必要な費用は2011年3月に発生した福島第一原発の事故以前は400億ユーロ(4兆円)と見積もられていましたが、事故後この費用は原子力発電所を運営するフランス電力公社(EDF)により500億 ユーロ(5兆円)にまで引き上げられました。

http://www.presseurop.eu/en/content/news-brief-cover/1354601-french-plants-need-strengthening

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【 車の駐車は女性の方がじょうず 】

1月30日 アメリカNBCニュース

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熱くなるが元気が出る、というニュースが多い今日ですが、次に行きましょう。
イギリスで行われた調査によれば、車を駐車場に入れるのは男性より女性の方がうまくできるそうです。
彼らは映像の記録を検証し、実際に人々が駐車場に車を止める様子を観察しました。

概ね女性の方が車を停止させるまで時間がかかりますが、彼女たちの方が空いたスペースを見つけるのが上手なようです。
これにはちょっと世の男性諸氏には一言あってしかるべきかもしれません。

しかしまあ、これはイギリスの研究結果です。
そもそもイギリス人というのは道路の反対側を平気で走りますし、たぶんあなたについては研究してはいないのですから。







 

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