ホーム » エッセイ » 【 放射能汚染から食料供給を守るため、苦悩する日本 】〈第3回〉
「行政側は基準値を上回っているか下回っているか、それしか公表しない」
「市民自身が信頼できる検査体制を構築していくしか道はない」
ニューヨーク タイムズ 1月21日
農業担当部局はすべての農家のすべての作物を検査しなければならないのに、彼らが所持する検査機械の数が少なすぎる、と語ります。
コネティカット州とほぼ同じ大きさで、110,000軒の農家がある福島県内にあるのは12台の検査機械だけなのです。
しかし福島第一原発の爆発は無数の小さな放射線量の高いホットスポットを形成したため、当局は無作為抽出による放射線検査がふさわしい方法ではないことがわかっています。
福島県の担当者は米が汚染されていることが明らかになって以来、大波町の4,975軒の農家で収穫されたコメを検査し、そのほか福島第一原発の主に西北方面の市町村で検査を終えた、と語っています。
この担当者によれば全体の5分の1のコメで放射性セシウムが検出されたものの、その値はそれほど高いものではない、とのことです。
30軒の農家についてのみ、現在の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出された、と語りました。
しかし、300軒を超える農家で2012年4月から厚生労働省が適用する、さらに厳しい基準値を超えた汚染が確認されています。
ほとんどの先進国では、厳しい方の値が一般的です。
「私たちは一刻も早く新しい基準に基づいた検査を行い、失われた信頼を取り戻す必要があります。」
天野さんはこう語りました。
しかしながら農業担当者の言うような信頼の回復など、ほど遠い状況なのが現実です。
行政による放射線量測定の透明性の欠如に対し、多くの消費者が不信感を抱いています。
消費者は放射線量の測定結果の公表が意図的にあいまいにされており、正しい判断の下しようがないと抗議しています。
農業部門の行政担当者、そして農民自身もあまりに詳しい検査結果の公表は、たとえ線量が低くても徒に消費者を怖がらせ、遠ざけてしまうと恐れています。
「さらに詳しい情報公開を求める声があることは把握していますが、そうすることで多くの農民が傷ついてしまうことを私たちは恐れているのです。」
農林水産省食品安全担当の吉田おさむ氏がこう語りました。
そうした見解は、福島第一原発から遠く離れた西日本の商品だけを扱う、小さな食料品店である『ベシタブルカフェふれあい』にいた買い物客によって、一言の下にはねつけられました。
店で買い物をしていた42歳の不動産会社勤務の木幡じゅんこさんは、行政側が基準値を上回っているか下回っているか、それしか公表しないため、福島県産のものは一切買わない、と語りました。
「地方の産品 をこうに有したいのは山々ですが、自分自身を守るためにはこうするしかありません。」
木幡さんが語りました。
この店は子供たちを放射線被害から守る会として知られるネットワークの人々が、二か月前にオープンさせました。この会は9カ月間で200か所の支部を持つネットワークに成長しました。
「日本は我々ごく普通の一番市民が本当に信頼できる、まったく新しい食品監視システムを作り上げる必要があります。」
〈完〉
http://www.nytimes.com/2012/01/22/world/asia/wary-japanese-take-food-safety-into-their-own-hands.html?_r=4&pagewanted=all
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下記にご紹介する東日本大震災のがれきが、アメリカ西海岸に到達のニュース。
本体(?)が到達したのではなく、冬場になってから家の屋根が吹き飛ぶような風の強い日がありましたから、飛 ばされやすいものなどが先に漂着した、というあたりだと思うのですが、いかがでしょうか。
何せ冬場の東日本太平洋側の風浪の強さは、江戸時代の廻船技術では航路を作れなかったほどのもの。
このため明治になるまで、日本の海運事業はすべて日本海側に集中することになりました。
ブイは中身が空洞の大きな球体、しかも程よい重さがありますから、他のがれきに先駆けてアメリカまで到達してもおかしくは無い、と思います。
何といっても現在太平洋上を漂っている東日本大震災のがれきの総面積は日本の国土の約4倍の面積を持っている( http://kobajun.chips.jp/?p=1201 )のですから…
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【 東日本大震災のがれき、早くもアメリカ西海岸に到達か?! 】
「予定されていた時期より、一年近くも早い漂着」
アメリカNBCニュース 2月21日
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