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日本の幽霊船、カナダに漂着 & がんへの恐怖、そしてうつ病が蔓延する日本の避難民 〈第1回〉

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所要時間 約 7分

アメリカNBCニュース 3月26日

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カナダのブリティッシュ・コロンビア州の海岸の沖で漂流しているその船は、幽霊船と呼ばれています。
専門家はこの船はおそらく、2011年3月11日の地震以来、海上を漂っていたものと見ています。
沿岸警備隊はこれは日本のイカ釣り漁船だと説明してくれました。この船はカナダ沖に姿を現してから、50日が経ちました。
沿岸警備隊が燃料漏れなどが無いか、近く調査を行う予定になっていますが、付近の漁業関係者などに対し、特に夜間この海域に近づかないよう警告しています。
無人のため全く灯りがついておらず、衝突等の危険性が高いためです。
そして、どのような悲劇がこの船に起きたのか、全くわからないからです。

〈バンクーバー・サン紙報道〉
東日本大震災の地震と津波によって投げ出された後、この日本のイカ釣り漁船は太平洋上を漂流し、ブリティッシュ·コロンビア州北方の海岸の沖合、120海里の地点を漂流しています。
全長150フィートほどのこの船は左舷が傾いた状態で、セント・ジェームズ岬の沖合140海里(約260km)の地点を漂流していました。
「この船はちょうど1年かかって太平洋上を漂流してきたことになりますが、だとすれば事前の計算に基づく予測をかなり上回るスピードです。」
ヴィクトリア合同救助センター・海洋調査官のジェフ・オルソンがこう語りました。

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今日から3回に分けドイツのシュピーゲル誌が、福島の原発被災地に蔓延する恐怖と憂鬱を取り上げた記事をご紹介します。
第1回に述べられている、福島の人が仮にがんを発症した場合、その原因は放射線被爆が原因である、と特定することの難しさです。
がんそのものに原因別の特徴など無い以上、体内に蓄積されている放射性物質の量、またはその人の生活環境の放射線量を測定するしかないと思うのですが…

ここまで書いて、世界中の専門家が
「除染の前に、日本全土の徹底的な放射線量の測定を実施すべきである」
と主張しているのに、なぜ日本政府がやろうとしないのかわかったような気がします。
将来に「証拠」を残したくないのでしょう。

そして「統計」の残酷さ…
10,000人ががんを発症しても、日本の人口1億1,000万で割ると0.0091パーセント。
10,000もの人生が壊され、恐怖に打ちひしがれ、本人はもちろん周囲の人々を不幸のどん底に落としても
「統計上はわずかなもの」
にされてしまうのです。

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【 がんへの恐怖、そしてうつ病が蔓延する日本の避難民 】
[福島の原子力大災害]〈第1回〉
「難しい放射線被爆を原因とするがん発症の特定」


デア・シュピーゲル・オンライン(ドイツ) 2012年3月9日


〈避難区域内の荒れ果てた我が家を見て泣き崩れる女性 : 写真もデア・シュピーゲルから〉

福島第一原発の事故発生以来、多くの日本人がガンの恐怖に脅かされながら生きることを強いられています。専門家は今回の福島第一原発の事故によりどれだけの人々が病気になってしまったか、正確な数字を突き止めることは難しいと語っています。
事故そのもの、そして事故が引き起こした地域社会の崩壊が、避難民の人々をさらに追いつめていく事態が懸念されています。

葛尾村は居住制限区域を分ける境界線によって分断されてしまいました。福島第一原発の事故の後、多くの住民が故郷を捨てることを余儀なくされました。
避難を求められた住宅の通りを隔てた向こう側の住民が『住み続けても構わない』と判断された例もありましたが、その人々も去っていきました。
彼らはとにかく目で見ることのできない放射線の脅威、ガン発症の恐怖に苛まれています。


避難した人々は今、村から車で一時間ほどの場所にある仮設住宅で生活しています。看護師の松本ともこさんは、人々のこうした恐怖を知っています。
30代の松本さんは4人の チームで村の人々の世話をしていますが、若い人たちほどこうした不安が大きい、と語りました。
「特に母親たちの!すべての母親が、子供たちが甲状腺がんや白血病を発症することを恐れています。」


このような人々の不安が科学的に証明されるには、まだ科学的データの蓄積が不足しています。
もしかつての葛尾村の住民が10年後、20年後、あるいは30年後にがんを発症したとしても、その原因を特定することは困難です。
さらに福島第一原発の事故に加え、遺伝的要素、喫煙、アルコール消費量、不健康な食習慣やウイルス感染などもガン発症の原因を作り出します。

日本人が生涯にがんを発症する割合は、これまでは約40%とされてきました。
世界保健機関(WHO)によれば、2010年には新しいがんの診断例は61万であることが確認され、2000年の50万例を上回っています。
WHOはこの増加率に基づき、2022年には新たにガンと診断されるのは67万例になると推定しています。

放射線はいったいどれだけ、この予想値を押し上げることになるでしょうか?
ほとんどの放射線専門家同様、アメリカの放射線科医師のフレッド・メットラーは、福島の事故が日本人全体の統計上のガン発症率を上げることは無いだろう、と予想しています。
『原子放射線による影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)』のメンバーでもあるメットラーは、統計の分母を日本人全体とした場合には
「仮に上昇したとしても、わずかなものにとどまるだろう。」
とAP通信に語っています。
〈つづく〉

http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,820314,00.html#ref=rss






 

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