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【 アメリカ国防総省、フクシマの現場で働くヒューマノイド型ロボットを募集 】

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所要時間 約 10分

ジョン・マーコフ / ニューヨークタイムズ 4月9日



アメリカ国防総省(ペンタゴン)の研究開発機関は、一般的な工具や車両を操作しながら人間が入り込めない災害地区で作業するロボットのコンテストを4月10日から開始する、と公表しました。
このような用途から考えられるのはヒューマノイド型、すなわち人間の形をしたロボットですが、ロボット工学分野に身を置く人々はミノタウロス (ギリシア神話に登場する牛頭人身の怪物)型ロボット – つまり何本もの腕があり、歩行型だけでなく走行型など、必要に応じた機能を兼ね備えた形になる可能性がある、と語っています。
このコンテストは発表前からすでに噂になっており、サンフランシスコの『MEKAロボット』の創立者のアーロン・エドジンガーは、あらゆる可能性について検討すべく、国中のロボット専門家に声掛けをした、と語りました。
「今回の用途から制作するロボットの機能について考えると、蜘蛛、サル、クマ、カンガルーやヤギなどの動物たちが格好のヒントになります。」

火曜日の発表の中で米国防総省の国防高等研究計画機関(DARPA)は、今回ロボットに求められる8つの機能を明らかにしました。

災害区域に車両を運転して行き
がれきを避けながら前に進み
進入路にあるがれきは取り除き
梯子の上り下りができ
工具を使ってコンクリートの壁面に穴をあけ
亀裂の入った配管を探し出し、これを修理し
冷却装置のような機器の部品交換を行う

エトジンガー氏は今回の挑戦に求められるのは、それぞれ個々の作業を遂行するだけでなく、全体を一つの任務としてまとめ上げる能力である、と語りました。
「私たちは今回求められているような機能は、単一ならどの作業であっても成し遂げられる技術をすでに持っています。」
と語りました。

「今回のコンテストは1年前に発生した、福島第一原発の事故がきっかけとなったものなのです。」
DARPAの防衛科学部門のプログラムマネージャーであるギル・プラットが説明しました。
「こうした事故では最初の24時間が勝負になります。しかしこのような事故が起きれば、 福島第一原発の現場を見てもわかるように、生身の人間を送り込めるような環境は期待できないのです。」

今回のコンテストの賞金総額や最終的な開発予算について、米国防総省は明らかにしていません。
しかし2004年、2005年、そして2007年に開催され、砂漠や大都市で活動するための自走ロボット車両のコンテストを行った賞金が100万ドルから200万ドルの『グランド・チャレンジ』と、今回のコンテストは全く別の性格を持ったものであることが明らかにされています。

コンテストに参加する企業と大学は、2013年と2015年に開催されるコンテストを目標にロボット開発に取り組むことになります。
ロボットは完全な自動型である必要は無く、それよりも無人偵察機をパイロットが地上から操作するのと同様、専門家による複雑な作業を可能にする性能が求められます。

ロボット開発競争は軍事の分野を始め、工業生産や家庭生活の分野でも急速な技術発展を実現してきました。
ロボット開発に携わる人々は、開発予算の大部分が複雑な状況を認識・分析するためのセンサーと、予期せぬ環境の変化に対応するための機能に費やされている、と説明してくれました。

野心的なヒューマノイドロボットの数々が、すでに産業界の研究者たちによって実現されています。
ホンダ・アシモは2000年に発表され、2005年までにフル充電されたバッテリーにより自立行動が可能になりました。
昨年には時速6マイル(約10km)で走る能力を実証して見せました。

DARPAの職員は今回のロボット競技には国際的な参加を期待している、と述べました。
事実今回のコンテストには日本のヒューマノイドロボット開発の父と称される井上博允氏が、11月に行われた参加への勧誘に応えることになりました。
ロボット工学分野に多額の投資を行ってきた日本ですが、今回の福島第一原発の事故現場で活動できるヒューマノイド型ロボットを開発する能力は無い、と井上氏が言及しました。
「多くの人々が福島第一原発の現場で作業するヒューマノイド型ロボットの登場を望んでいますが、日本にはまだその開発能力はありません。」
井上氏が送ってきた電子メールの中の一節です。

アメリカでは、ゼネラル・モーターズ、ボストン・ダイナミクス、そして軍関係から資金提供を受ける小さな 研究室がヒューマノイドロボットを開発してきました。
GMのロボノート2型は、現在宇宙飛行士のアシスタントとして国際宇宙ステーションの中で試験運用されています。
ボストン・ダイナミクスが開発した運搬ロボットの『ビッグドッグ』、その進化形である4足で走ることのできる『チーター』は注目を浴びており、同社にはさらに人間型の『アトラス』もあります。

今回の発表でペンタゴンDARPAは、開発支援のため足、胴、腕、頭部の試作品をコンテストの参加者に提供すると伝えました。
数多くのロボット開発者が、ボストン・ダイナミクスが開発したアトラスの設計が今回の目的にふさわしいと考えられる、と話していますが、ペンタゴンのプラットは可能な限り多くの参加者が得られるよう、ソフトウェアの提供も行う予定だ、と述べています。
「私たちは、できるだけ多くの開発者に参加してもらうつもりです。」

http://www.nytimes.com/2012/04/10/science/pentagon-contest-to-develop-robots-to-work-in-disaster-areas.html?scp=8&sq=fukushima&st=cse

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とうとうペンタゴン、アメリカ国防総省が福島第一原発の事故収束に必要なロボットの開発に乗り出しました。
もちろんその第一目的はアメリカ国内で、福島第一原発同様の過酷事故が発生した際の対策のためでしょうが、福島第一原発の現場に実際に投入される確率は高いものと思われます。
なぜなら、現在の日本政府は福島の事故収束にこれ以上無いぐらい、無能無策だと思えるからです。

昨日はチェルノブイリの専門家が「チェルノブイリ事故の最も大切な教訓は、政府がすべての事実を明らかにすること」と指摘した、アメリカCBSニュースを翻訳し、ご紹介しました。
しかし、隠ぺいと過少報告については、日本の政府機関は事故の始まりから世界中の非難を浴びていました。
あげく危機的状況を何ら改善しないまま、ただ原子炉『周辺』の温度が下がったというだけで「事故収束宣言」を行い、再び世界の世論を激高させました。

福島第一原発の事故は単に日本にとどまらず、人類全体に深刻なダメージを与える程の事故です。
にもかかわらず原発の再稼働や電力業界・産業界の利益保護が見え隠れする日本の政府と政府機関の対応を見て、日本人だけでなく世界が危機感を抱くようになってしまいました。
すべての国民を守りきるため本格的な対策を実施するためには、すべての事実を明らかにする必要があり、それを行えば数多くの既得権が失われる恐れがあります。

「あんな政府に日本を任せるぐらいなら、いっそアメリカの51番目の州になった方が国民は安心して暮らせるのではないか?!」
と言った人がいます。
しかし政府だけではないのです。
現在の日本政界には『原発体制(大政)翼賛会』があることを忘れてはなりません。

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【 スペースシャトル・ディスカバリー、プラスワンの飛行 】

アメリカNBCニュース 4月16日

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スペースシャトル・ディスカバリーが明日の最終フライトのため、ボーイング737型機の上にくくりつけられました。
ディスカバリーはスミソニアン博物館に収容するため、明日これまで飛んだことが無い低い高度でフロリダ沿岸を経由して運ばれていく予定です。
低い高度での飛行となるため、首都ワシントンでは肉眼での観察が可能かもしれません。
ディスカバリーはレーガン大統領当時の1984年、初めて宇宙に出発しました。
39のミッションをこなしましたが、この中には明日のフライトは含まれません。







 

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