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【 福島第一原発のメルトダウンから4年、終わらない悲劇の実相 】《4》

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所要時間 約 9分

耐用年数3年のゴミ袋の中身は、300年放射能を出し続ける放射性廃棄物
雨ざらしの放射性廃棄物を詰め込んだゴミ袋の山、危険な状況の放置に募る現地の失望と苛立ち
放射能汚染の二次的被害を拡散する恐れのある、放射性廃棄物の焼却処分

フェアウィンズ 3月3日



アーニー・ガンダーセン :
原子力発電所の事故は2度と起きないだろう、そういう考え方があることはあなたも経験した通りです。本当に2度と事故が起きないと確信できれば、誰もが原子力発電所を再稼働させて良いと考えるかもしれません。
しかし実際にはこの35年の間に、原子力発電所は5回もメルトダウンの事故を起こしています。
スリーマイル島で1回、チェルノブイリで1回、そして福島の3回です。
平均すれば7年に1度の確立で、原子力発電所の事故が発生しているという事実を示しています。
それでもなお、自分のところの原子力発電所は事故を起こすことは無い、だから再稼働させることに問題は無いと主張する人々がいます。
私はそんなことを言う人の精神構造が理解できません。
私は福島県内全域に放出されたありとあらゆる種類の放射性物質について、少しお話したいと思っています。実際にあなたが目にしたものについて、お話していただけますか?

凍土壁02
金子 : 福島第一原子力発電所周辺で、特に被害が大きく、被災地とされているのは11の自治体です。しかし実際にはその外側の自治体も含め、多くの市町村が被害を受けています。
福島県内では数多くの巨大なゴミ袋を目にします。
道路沿いに無数に並べられたこの巨大なゴミ袋の中身は、汚染された土地の表面を削り取った土砂や草木などの放射性廃棄物です。
仮置きと称し県内至る所にこうした放射性廃棄物を詰め込んだゴミ袋が積み上げられていますが、そのうちのいくつかは耕作が放棄された水田や畑の中にあり、道路からも見ることができます。

アーニー・ガンダーセン :
ここに周知の事実があります。
今お話しいただいた黒いゴミ袋の耐用年数は3年です。
これに対し、中身の放射性廃棄物は300年間放射能を出し続けます。
もしゴミ袋が放置されたままにされれば、破れて中身が漏れ出し、地下水系に入り込む可能性があり、そうなれば除染された市町村が再び放射性物質に汚染されることになってしまいます。

Gorleben貯蔵所
金子 : そのことについては、日本政府はこれらの放射性廃棄物の袋を3年以内に中間貯蔵施設に移動すると、福島県内の市町村に明確に約束しました。
しかし約束したのは3年前です。
現在すでに約束の3年を超える時間が経過してしまっていますが、この放射性廃棄物を詰め込んだゴミ袋はほとんど仮置き場に置かれたままになっており、このため福島県内の市町村長は失望するとともに苛立ちを募らせています。
これらの汚染された土砂やがれきなど、低レベル放射性廃棄物ということになりますが、これらは最終的に福島第一原発の周囲に建設される中間貯蔵施設に運び込まれることになっています。

アーニー・ガンダーセン :
中間貯蔵施設ではこれらの廃棄物をドラム缶に詰め、地中に穴を掘って防水処理を施し、一定間隔で並べていきます。
しかし私たちは2年ほど前に、この地下に掘ったいわばマスに1インチの亀裂があるだけで、ここから年間60,000ガロン(226,800リットル)の水が漏れ出す可能性があるという事をお話しました。
(【 行き場のない放射性核廃棄物の処理計画 – 中間貯蔵、最終処分、その実態 】kobajun.chips.jp/?p=18732、【 核廃棄物処分場、そこで起きている現実 】 http://kobajun.chips.jp/?p=18461)
しかし防水処理を施しても、漏水を完全に防ぎきることはできません。
従って放射性廃棄物を詰め込んだドラム缶なり、ゴミ袋を抱え込んだマスに長さわずか1インチの裂け目が出来れば、そこから年間60,000ガロンの放射能汚染水が地下水脈に流れ込んでしまう危険性があるのです。

汚染水タンク
金子 : ゴミ袋に入った放射性廃棄物は安全に中間貯蔵施設に運び込む必要がありますが、途中の輸送を安全確実に行う方法はあるのでしょうか?
いきなり放射性廃棄物の輸送を始めてしまう事は、実験も兼ねた取り組みだと考えざるを得ません。

アーニー・ガンダーセン :
もう一つ懸念材料があります。
低レベル放射性廃棄物を焼却処分しているという事実です。
木の枝や枯草、ホコリなどの低レベル放射性廃棄物がゴミ袋に詰め込まれて福島県内を始め、各所に存在すること自体問題ですが、もっと問題なのはそれを日本各所の焼却施設で燃やしているという事実です。
もちろん放射性物質は燃やしても無くなることはありません。
私たちは約3年前、日本国内で低レベル放射性廃棄物を焼却処分していることの危険性を指摘しました。
危険であることについては、2つの理由があります。
ひとつ目の問題は、焼却施設の排煙設備にはフィルターがついていますが、すべての放射性物質を取り除くことはできないという事です。

NBC 4
1個1個のセシウムの直径はフィルターが吸着できる粒子よりも小さいため、結局はフィルター越しに外に漏れ出してしまいます。
低レベル放射性廃棄物は環境中の表土を削り取ったものなどですが、それを焼却することにより排煙設備を通して除染が終わったはずの場所に再び放射性物質がふりまかれることになってしまいます。

《第5回に続く》

http://www.fairewinds.org/fukushima-meltdown-4-years-later/#sthash.cS4E7Xtk.0cl8vZ9P.dpbs
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この翻訳記事の掲載とタイミングを合わせるように、東北の地元紙河北新報に
『<指定廃棄物>福島でも処理見通し立たず』
と題する記事が掲載されました。
これを見ても福島第一原発の事故がまだまったく終わっていないことを実感させられます。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201504/20150402_63017.html
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【 あらためて人生を見直す程感動的な写真24撰 】《2》

マイクロ・ヴァケイション・アイディア / アメリカNBCニュース 3月26日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください・個別の写真のキャプションはありません)

around07
心理学者は写真などのビジュアルが、いとも簡単に4つの重要な刺激を見る者に与えると説明しています。
予感、感情、動機づけ、そして文化です。
これら4つの要素はすべて、私たち人間の日常生活と密接にかかわり合っています。
これらはすべて対象を見ている人間の中にある経験や具体的イメージ、そして映像化された印象をうまく引き出すことができます。
ここに一人の少年と一匹の犬の写真が一枚あるとしましょう。
この写真を見た私と他の10人の人間が心に描くことは、それぞれ異なったものになります。
11人の人間の中には最近愛犬を失ったばかりの人がいるかもしれず、幼児期に犬のせいでひどい目に遭った人がいるかもしれません。
つまりはその写真を見る人個人が持っているそれぞれの経験により、写真の意味や価値が変わってくるのです。
写真は実は見る人の主観に基づいてその人が感じていることを表現するひとつの手段となりえるのです。

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http://4daysin.com/pictures-around-world/?utm





 

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