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【 核兵器開発疑惑の真相に迫る 】《1》

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所要時間 約 8分

どんな小規模な秘密の地下核爆発実験についても検知できる、地球全体を監視するシステムが完成
秘密裏に核兵器製造技術の獲得を目指している国の数、冷戦以降最大に昇っている
電子メール、ウェブ閲覧、教育プログラム、通話、銀行決済、ポッドキャスト…あらゆる記録を監視するスパイウェア

エコノミスト 9月5日 

ECO NUKES01
実際に行なわれた核爆発の中で、2006年の北朝鮮による地下核実験のそれは小規模なものでした。
この時の爆発規模は1945年に広島に投下された原爆の10分の1以下で、間違いなく1キロトン以下と見られています。

しかしこの実験によって発生した物理的衝撃は、地球を半周した先にあるアフリカの中央部でも検知されていました。
地震センサーの検出能力の向上とモニタリング・ソフトウェアの進歩は、遠き離れた場所で発生した核爆発による衝撃と、たとえば従来の爆薬を使った建物の爆破などによる衝撃とを見分けることが可能です。
こう説明してくれたのは包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)準備委員会のラッシナ・ゼルボ委員長です。
包括的核実験禁止条約そのものは、これまで163カ国が批准手続きを完了しました。

CTBTOは世界中の170カ所で地震センサーを稼働させているのに加え、11か所の水中音響計測装置が海洋中の振動波を観測し、60か所の大気中超低周波不可聴音(長距離を進むことができる低周波音響波)検出装置を運営し、さらには96か所の放射性核物質サンプリング施設と研究所を運営しています。
そして現在もさらに多くのセンサーの設置続けています。
そして最近になって、地球上の全域の監視を可能にするだけの数の設置を完了させました。

Weather
ゼルボ博士は今、地球上のどの場所であっても、どんな小規模であっても、核実験の実施を秘密のままにしておくことは不可能になったと考えています。
それに加え、米国空軍は偵察衛星などを使って核兵器実験を探知・特定できるネットワークを運営しています。

しかし実際に実験が行なわれる以前に、秘密裏に進められている核兵器開発を探り出すことができれば尚理想的です。
実際に1発ないし2発の核爆弾を開発してしまった国に、他国の政府がそれ以上を作らせないようにするための手段などほとんど存在しない、そう語るのは以前アメリカ国防総省(ペンタゴン)でイランの核兵器開発疑惑問題を担当していたチームの幹部、アイラン・ゴールドバーグ氏です。

多くの国々が核兵器の開発能力を欲しがっています。

ペンタゴンの諮問機関である防衛科学委員会は、核兵器製造技術の獲得を目指している国の数は冷戦以降のどの時代と比べても、現在最高の数に昇っているとの報告を昨年行いました。

こうした国にはスンニ派イスラム教徒の国サウジアラビア、そして対立するシーア派イスラム教徒の国イランが含まれます。

fallout
イランは今年7月長い間こじれてばかりいた交渉にいったん区切りをつけ、核兵器・原子力技術の利用を制限し、関連施設に対する監視や査察を強化する核・原子力技術協定を、アメリカその他の先進各国との間で締結しました。

そうした監視システムがどの程度の効果を発揮するか、特にイランの核関連施設に対する監視を続ける上で効果があるかどうか疑問視する専門家もいます。
これまで隠された核開発現場を発見することについて、西側先進国に残されている記録には成功例・不成功例が混在しています。
北朝鮮のウラン濃縮のための遠心分離装置の巨大な設備は、2010年に北朝鮮政府が一人のスタンフォード大学の教授に国内の視察を許可するまで秘密が保たれていました。
この事実は多くの関係国にとってトラブルの種になりました。

核爆弾の製造過程においてウランの濃縮は、最も重要な、そして非常に手間がかかるプロセスであり、その存在を証明するためには最も多くの証拠を揃えなければなりません。

対照的に、濃縮ウランを爆発させるための最も効率的な方法を計算するため、部屋いっぱいの科学者がインターネットに接続されていないコンピュータを使う作業は、目立たないように進めることができるとゴールドバーグ氏が指摘しました。
この点はどうしようもないとゴールドバーグ氏が付け加えました。

パキスタン・カーン
パキスタンで核兵器製造に携わった冶金学者のカーン博士は、その設計を北朝鮮に提供するという行為に出たのです。

▽ 最新の技術

核兵器の開発研究を隠匿しようという動きに対し、それを白日の下にさらすための技術はより多様化し、しかも強力なったことにより、探知する確率は高くなっています。
こうした技術革新は間違いなく発見能力の向上に貢献している、ラメシュ・タークル元国連副事務総長がそう語りました。

開発中の製品は、電子通信と金融取引の中身を綿密に検証するスパイ・ソフトウェアから、厳重に密閉された核物質の検出を可能にすることができる新型のスキャナにまで及んでいます。

情報収集がまず最初に行われます。
西側先進国の諜報網は、2003年に顧客の一人であったリビアが核開発計画を放棄するまで、前出のパキスタンのカーン博士が核爆弾の輸送手段のための特殊な技術と器材を使ったネットワークを構築していたことをつかんでいませんでした。

核ミサイル
これまでのところタークル元国連副事務総長が把握している限り、カーン博士のような例は他には探知されていません。
彼は今、オーストラリアのキャンベラにあるオーストラリア国立大学で核拡散防止と軍備縮小のためのセンター長を務めています。
これらは「ネットワーク分析」ソフトウェアの進歩のおかげであると、彼は言います。

-《2》へ続く –

http://www.economist.com/news/technology-quarterly/21662652-clandestine-weapons-new-ways-detect-covert-nuclear-weapons-are-being-developed?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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【 ガーディアン[目撃]2015年間最優秀写真 】

ガーディアン EYEWITNESS 12月21日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

Eyewitness01
ガーディアンの[目撃(EYEWITNESS)]シリーズの年間最優秀写真に契約カメラマン、ヤニス・ベラキスの作品が選ばれました。この写真はシリア難民を満載したボートのエンジンが故障し、ギリシャ、コス島沖のエーゲ海を漂っている様子を撮影したものです。

http://www.theguardian.com/world/picture/2015/dec/21/eyewitness-guardian-agency-photographer-of-the-year





 

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