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【 日本政府と東京電力の無策・無責任ぶりに、アメリカの世論が憤りの声を上げている 】

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所要時間 約 13分

【 新たな巨大災害への時を刻むフクシマ 】
今度は地球規模の大災害発生の可能性

アンディ・ジョンソン / CTVニュース(アメリカ・カリフォルニア州)5月19日



巨大地震と巨大津波が東日本に壊滅的被害を与え、福島第一原発の大事故を引き起こしてから1年以上が過ぎました。
しかし複数の専門家が今、日本は危機を脱するどころか、もう一度大地震が発生すれば、かつて見たことも無い巨大災害に世界が巻き込まれる危険性が高まっている、と警告しています。

焦点は4号機使用済み核燃料プールです。

この核燃料プールがかつて人類が想像した事も無い、超巨大災害を引き起こす可能性があります。

4号機使用済み核燃料プール、そしてこれに比べれば少ない量ではありますが3号機の使用済み核燃料プールには、未だに大量の使用済み核燃料が残されたままになっています。地上30メートルの高さにあるこのブールを支えているのは破壊された原子炉建屋であり、すべての核燃料がむき出しの状態でプールの中に保管されています。

福島第一原発を訪れたことがあるフェアウィンズ教育システムのアーニー・ガンダーセン氏は、マグニチュード7.0以上の地震が襲えば、おそらくこのプールを支えている構造物は倒壊することになるだろう、と語っています。
1,535ユニットの核燃料容器が空気にさらされれば火災を起こす確率が急上昇し、恐らくはいちばん最近にこのプールに格納された燃料棒から火を噴くことになるでしょう。
ガンダーセン氏によれば、万が一この火災によって新たに追加された核燃料棒が高熱を発することになれば、その火災はプール内のすべての核燃料棒に及び、そうなれば酸素を大量に消費する放射性物質火災が発生し、そうなってしまえば水で消し止めることは不可能になります。
「もっとも懸念すべきは一番最近プール内に入れられた核燃料です。余熱により温度が一番高いため、これがいったん燃え出すと火災は瞬く間にプール全体に広がり、温度がどんどん上昇し、これまでとは比較にならない量の放射性物質を噴き上げます。これによって人類がどのような健康被害を受けることになるのか、それは人間の科学にとって未だ未知の分野なのです。」
ヴァーモント州にある自宅でCTVのインタビューに対し、ガンダーセン氏はこのように語りました。

▽ 最悪のシナリオ



二つの可能性がある結果があると、ガンダーセン氏は言います。

高濃度のセシウムとストロンチウムが大気中に放出され、『揮発』して放射性物質の霧となり、風に乗って汚染源から何千キロメートルも離れた場所に移動することがあり得ます。
この霧の大きさにより、汚染は日本国内に留まるのか、近隣のアジア諸国を汚染するのか、それとももっと広範囲に地球規模の汚染を引き起こすのかが決まります。

「こうした問題について答えを出せる科学は、この地球上に未だ存在しないのです。なぜならこれ程の悪い事態が実際に起きることなど、これまで誰も考えもしなかったからなのです。」
ガンダーセン氏がこのように指摘しました。
「放射性物質の霧が世界を覆うほど大きくなっても、日本だけに被害が留まることになっても、どっちにしても恐ろしいことになることには変わりがありません。」
「一言で言うなら、日本は今カチカチ言っている時限爆弾の上にいるようなものなのです。」

4号機核燃料プールについては3.11以降、緊急作業員より応急の補強工事が続けられてきました。しかし、本来これ程の使用済み核燃料を安全に保管できるほどの強度を持ってはいない、とガンダーセン氏が指摘しました。
3号機核燃料プールには4号機程大量の核燃料はありません。しかしその建屋は爆発以来補強はされておらず、倒壊の危険性はこちらの方が高くなっています。
「4号機核燃料プールの方が倒壊リスクは軽減されましたが、計り知れない脅威を秘めています。3号機核燃料プールには4号機程の脅威は無いものの、倒壊の危険性が懸念されます。」



▽ 着手点を見つけること

ガンダーセン氏によれば、今すぐ取り掛からなければならないとは、東京電力が4号機核燃料プールから使用済み核燃料を取り出し、ガラス固化キャスクに加工して安全な場所に保管しなおすことです。
非常に大変な作業で膨大なコストがかかりますが、ガンダーセン氏は福島第一原発の事故処理の核心のひとつだと語ります。

この作業を開始するためには、東京電力はまず重さ100トンの使用済み核燃料キャニスターを釣り上げることが出来る、クレーンの建設から始めなければなりません。
もともとあったクレーンは、津波とその後の爆発により破壊されたままです。
この作業を可能にするために、東京電力は頑丈なクレーンの土台を築く必要があります。クレーンでプール内から使用済み核燃料のキャニスターを取り出し、それを地上に降ろした後、金属とコンクリートで造られたドライキャスクに収納するのです。
これら一連の作業を放射能汚染がひどい場所で行うため、実際の作業を行う人々には高機能の防護服を身に着けさせ、その被ばく線量の管理を細心に行わなければなりません。


4号機核燃料プールの想像もできない程巨大な危険性は現在も高まり続けており、無駄にできる時間など全くない、とガンダーセン氏が指摘しました。
「今直ちに!処理しなければなりません。政府から補助金をもらってから段々に取り組めばいい、そんな話ではないのです。」
「マグニチュード7.0以上の地震、それは頻繁に起きるものではありません。でも昨年、想像を超えた巨大地震がこの地を襲うのを、私たちはこの目で見たはずです。」

▽『世界の命運』を4号機核燃料プールが握っている

日本政府に対し、4号機核燃料プールが持つ危険性について、大きな懸念を表明しているのはガンダーセン氏だけではありません。
アメリカエネルギー省の元最高顧問、ロバート・アルバレツ氏も、福島第一原発の事故を専門に取り組む日本の元外交官、松村昭雄氏に対し、手紙を送り、懸念を表明しました。
松村氏はアルバレツ氏に、4号機核燃料プールの基建設について質問したことがあります。
「4号機核燃料プールは地上30mの高さで、すでに破壊されてしまっている構造物の上にあり、プール内の使用済み核燃料は直接外気にさらされています。」
アルバレツ氏はこう答えました。
「もし地震などによってこのプールの中身が地上に放りだされるようなことになれば、引き続き起きる放射性物質の火災により、チェルノブイリの事故の際に放出された10倍の量のセシウム137が放出されることになります。」

かつて日本のスイス駐在大使、セネガル駐在大使などを歴任した村田光平氏は、この問題について国連と世界に向け、直ちに対処する必要があることを訴えました。
「日本と全世界の命運を4号機核燃料プールが握っている、という事は誇張でも何でもありません」
村田氏は国連のパン・ギムン事務総長あての手紙の中でこう述べました。

先週、日本の野田首相は改めて昨年12月に成し遂げられた『冷温停止』により、福島第一原発がもたらす脅威の大部分は取り除かれた、と語りました。
しかし、野田首相は4号機使用済み核燃料プールの問題についてコメントすることを拒否しました。
そしてウォールストリート・ジャーナルのアジア版に対し、『慎重な対処』を続けることが肝要だとのみ語るにとどめました。
「日本は住民が急いで、遠くまで避難しなければならないような状態は脱しました。私たちがこれから取り組まなければならない課題は、除染作業と原子炉の廃炉作業です。私たちは細心の注意を払いながら、この作業を行っていきす。」



ガンダーセン氏は福島第一原発に残された課題は、技術的なものではないと語りました。
「誰もが取り組まなければならない課題が何か、どうすればそれができるかを知っています。問題はそのことではなく、日本政府がそれに直ちに取り組むかどうかなのです。」
と語りました。
「その実現のためには、国際社会の圧力が必要です。そして国際規模の資金協力も。」

「私たちは今はただ、3月11日のような地震が起きないように祈るしかないのです。そしてもう一方で、神に対し正しい取り組みが始まるよう祈る必要があります。」
「日本政府は、今になっても正しい取り組みを始めようとはしていないのです。」

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この記事にはアメリカ国民、中でも今回『福島第一原発由来の』放射性物質が度々検出されているカリフォルニア州の人々の
「なぜ日本政府は今、まずやるべきことをやらないのだ?!」
という、憤りが見て取れます。
記事の内容はガンダーセン氏の【福島第一原発 - 真相と展望】(集英社新書 : 価格700円)をお読みになった方なら、すでにご存じのものです。
日本が核燃料サイクルにこだわり続けたため、日本にとって「致死量」の核燃料棒がこの4号機に残ってしまったことが、氏の著作で明らかにされています。

ここのところ、福島第一原発の日本の事故対応に対する「アメリカのいらだち」を伝える、ニューヨークタイムズ、CNNニュース、CBSニュースの記事を続けてご紹介してきました。
TPP等、アメリカというと何がしかの反発を感じる方も多くいらっしゃるでしょうが、こと福島第一原発の問題についてはアメリカの世論を大いに「利用」すべきではないでしょうか?
国内の大手メディアがお隣の人民日報と大差ない「権力のご都合メディア」である以上、日本人の社会正義の実現のため使えるツールはニューヨークタイムズであり、アメリカCNNニュースであり、CBSニュースであり、英国のザ・インデペンダントであり、ザ・ガーディアンであり、ドイツのドイチェ・べレ(ドイツ国際放送)であるということは、厳しい現実です。
しかし、日本人の『良識』はこれらのメディアによって、孤立無援ではありません。

今回の記事を読んでお分かりいただけたと思いますが、まずは今何をおいても、福島第一原発の4号機核燃料プールの問題を解決しなければなりません。
今回の記事が伝える『事実』あるいは『真実』を、可能な限り世界に発信していきましょう。

http://www.ctv.ca/CTVNews/TopStories/20120518/fukushima-dai-ichi-risk-reactor-4-120519/#ixzz1wQvIGo7X
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【処女航海?!】
アメリカNBCニュース 6月3日
アメリカ空と海の博物館に収容のため、ニューヨーク付近の川を曳航されるスペースシャトル・エンタープライズ



【天安門広場付近を見張る中国公安】
アメリカNBCニュース 6月3日
6月3日、天安門事件発生から23年目のこの日、反政府行動に目を光らせる中国の公安案警察。



【史上最大規模のギターアンサンブル】
アメリカNBCニュース 6月3日
インドで開かれた『史上最大のギターアンサンブル』記録達成の後、ギターを捧げ持つ参加者たち



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【タイガー・ウッズ、ジャック・二クラウスと並ぶ73勝目、二クラウスがホストのメモリアルトーナメントで達成】

アメリカPGAツアー / ミュアフィールド・ヴィレッジ 6月3日







 

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