ホーム » エッセイ » 100年間に2度の天体ショーは、太陽系の解明にどう役立ったのか : 金星の太陽面通過
アメリカCBSニュース 6月3日
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http://www.cbsnews.com/8301-18563_162-57446964/transit-of-venus-how-rare-astral-event-helped-astronomers-measure-the-solar-system/?tag=cbsContent;cbsCarousel
二度と見ることが出来ない天体ショーを明日、見ることが出来るかもしれません。
それは『金星の太陽面通過』です。
金星が太陽と地球の間を通過していく様子を、太陽の表面を比較的大きめの黒い点が移動していく様子として見ることが出来ます。
この天体ショーが次に見られるのは105年後になります。
『金星の太陽面通過』は何世紀もの間、天文学者たちを魅了し続けて来ました。
天文学者にとって、この天体スペクタクルを観測できるチャンスは生涯2度目になります。一度目は8年前の2004年、次回は21世紀中には起きません。
1700年代、『金星の太陽面通過』は世界中の天文学者の間に、天文学の研究競争を巻き起こすことになりました。テーマは天国の大きさ、つまり太陽系の大きさはどれほどなのか?
「1700年代、つまり18世紀には天文学者たちは『金星の太陽面通過』によって、当時の天文学界最大の謎であった『太陽系の大きさ』を計算できる、と考えました。」
『金星の探求 – 天国の大きさを測る競争』の著者であるアンドレア・ヴルフがこう語りました。
「一方で彼らはこの研究が、自国の海洋技術の進歩に貢献できることを知っていました。時は帝国主義伸長の時代であり、通商能力や海軍技術の進歩に重要な役割を果たしたのです。」
▽『金星の太陽面通過』に関するさらなる情報
天文学者たちは、金星が太陽の表面を横切る際のタイミングと角度を、地球のいろいろな場所から観測することにより、地球と太陽の間の距離を計算することが出来ました。
しかし三角測量によって地球と太陽の間の距離を割り出すためには、12か国を超える世界中の遠く離れた場所で、数百人の天文学者が測定を行う必要がありました。
彼らは重くかさばる器械を引きずりながら、アフリカ、シベリア、そして北極圏へと旅しなければなりませんでした。
―当時は未開の地だったこうした場所への旅を、天文学者たちは『耐え忍び通しました』、とヴルフが話してくれました。
「あらゆる場所に危険が潜んでいる上、衛生的な問題もありました。そして熱帯性低気圧やハリケーン、そして北極圏の凍りつく温度。」
タヒチへのジェームズ・クック・キャプテンの最初の航海の記録には、この時の輸送の様子が記されています。
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アメリカのフィラデルフィアでは、発明家のD・リッテンハウスが、取りつかれたように『金星の太陽面通過』観測を行いました。Visit msnbc.com for breaking news, world news, and news about the economy
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