ホーム » エッセイ » 新型コロナウィルスへの対応方法と予防方法 – 英国BBC
突然出現し世界的にも脅威となっている中国武漢を発生源とするコロナ・ウィルスの正体とは?
バイオハザード・レベル3に分類される生物災害の原因となりうる可能性はあるのか?
▽ 中国の新型コロナウィルス : これまで解明されていること
英国BBC電子版 2020年1月22日
中国の新しいウイルスは9人を殺し、中国の各省で感染患者が確認されるとともに、米国、タイ、韓国にも拡大しました。
当局は、コロナウイルスの発生の中心である武漢市への出入りを止めるよう人々に促しています。
440件の確定症例があり、その発生源は「野生動物の違法取引を行った」武漢市内の魚市場とされています。
英国保健当局者は、予防策として中国からの航空便の監視を続けています。
以下、英国BBCの健康・科学部門特派員のミシェル・ロバーツとジェームズ・ギャラガーが、新型ウイルスに関する質問に答えます。
〔質問〕武漢からロンドンへのフライトが毎週3便ありますが、空港を利用する際にはフェイスマスクを着用する必要がありますか?
いいえ。英国にはまだ発生例はなく、リスクは「低い」とみなされています。
季節性インフルエンザの方が新型コロナウイルスよりも、英国人の健康にとって大きなリスクです。
〔質問〕新型コロナウイルスは集団発生を含めたサーズ(Sars)タイプの爆発的流行になる可能性、バイオハザードレベル3(個体に対する高い危険度、地域社会に対する低危険度)に分類される生物災害(人間と自然環境に重大な危険をもたらすような生態異変)の原因となりうる豚インフルエンザと同じ状況を引き起こす可能性はありますか?
現在わかっているのは新型コロナウイルスはサーズの同種のウィルスであるということであり、その症状は豚インフルエンザよりも重症の急性呼吸器症候群に近いと考えられています。
ただし未解明の大きな疑問の1つは、このウイルスが人から人へどの程度の接触で感染するか?ということです。
〔質問〕確認された感染スピードは、これまでの爆発的感染と比較すると、どの程度のものですか?感染を媒介する生物に関し、何か特定されていますか?
現時点で実際に感染スピードを確認することは非常に困難です。
1週間足らずで発症例が40から440に急拡大したように見えるかもしれませんが、多少の誤解があります。
ほとんどの「新しい」発症例は確認済みですが、これは新型コロナウイルスの存在に確認された後、中国当局が監視を強化したことにより確認事例が増えたと考えるべきでしょう。
実際には感染スピードに関する情報はまだほとんどありません。
〔質問〕サーズの感染はどのように拡大したのですか?それはどのように始まったのですか?
サーズの感染源はコウモリであり、その後ジャコウネコに感染し、ジャコウネコから人間に感染しました。
感染者の一部はジャコウネコとの直接の接触によって感染しました。
しかし、咳、くしゃみ、汚染された皮膚などを介して、人から人に感染が拡大した例もありました。
〔質問〕予防のために何かできることはありますか?
ワクチンはなく、リスクを最小限に抑えるため衛生状態を管理する以上の予防策はありません。
現在感染症を専門とする医師たちは可能な限り迅速に診断を下し感染者を隔離するよう努めており、患者がウイルスを媒介した可能性のある接触した人々を追跡しています。
〔質問〕英国またはヨーロッパに伝染する可能性はどのくらいですか?
中国国内の感染と発症とが長期間になり、中国で感染する人の数が増えれば増えるほど、英国およびヨーロッパでの症例が発生する可能性が高くなります。
〔質問〕この呼吸器疾患を予防するためにワクチン接種することは可能ですか?
現時点でこのタイプのコロナウイルスから人々を守ることができるワクチンはありません。
研究機関で開発が続いています。
これはこれまで人間には感染が確認されたことのない新しいウィルスです。
つまり、医師はこれから多くのことを学ばなければなりません。
〔質問〕2月に北京と上海に旅行する予定がありますが、採るべき予防策があれば教えて欲しいのですが?
現時点において、世界保健機関は旅行または貿易に関する制限を勧告していません。
出発前に最新の旅行情報を確認するようにしてください。
〔質問〕2019年10月から12月までの過去数か月間に中国に旅行した人が、新型ウイルスに感染した可能性はありますか?
最初のヒトの症例は、2019年12月に中国の武漢で確認されました。
これ以前には他の疑わしいヒトの症例は報告されていません。
ウイルスの種類を考えると、潜伏期間(感染してから発症するまでの時間)は数週間ではなく、数日であるはずです。
ウイルスがどのように、またはいつ人間に感染したかはまだわかっていません。
専門家は、最初の感染・発症患者は動物から伝染したと考えています。
〔質問〕英国の空港は到着をスクリーニングする予定ですか?今週中国から親戚が訪ねてくる予定なのですが、家族のうち2人が肺と心臓に持病があります。
大丈夫でしょうか?
現在、英国政府は事態の推移を注視していますが、英国の空港は到着時に乗客の検査はしていません。
他の国々では空港に到着した乗客の体温スキャンなどの追加チェックが行われています。
新型コロナウイルスは、風邪に似た症状からもっと重症の病気まで幅広い症状を引き起こすウイルスの大きなファミリーの中の一種です。
この新型コロナウイルスがどの程度悪性なのかはまだ明らかではありません。
感染患者は回復後は他の人に重大なリスクをもたらすことはなく、健康状態に問題がなければ、退院して帰宅することも可能です。
〔質問〕新型コロナウイルスは感染源の動物は何ですか?どうすれば自分を守ることができますか?
新型コロナウイルスの感染ルートはまだわかっていません。
サーズ(Sars)やマーズ(Mers)などの他のコロナウイルスは、それぞれジャコウネコとラクダから来ました。
専門家は発生源の特定を急いでいます。
感染を防ぐためには現時点では以下のような、標準的な感染予防策が推奨されています。
定期的な手洗い
咳やくしゃみをするときに口と鼻を覆う
肉と卵を調理する際には十分に加熱する。
今年になってから(2020年代に入ってから)咳やくしゃみなどの呼吸器疾患の症状が現れた人との密接な接触は避けてください。
〔英国保健当局からのアドバイス〕
旅行者への注意事項として英国の国立旅行健康ネットワーク・センター(NaTHNaC)は、武漢に旅行する人への新型コロナウイルスによる肺炎のリスクは低いと言いますが、手を洗うなどの簡単な予防措置をとるべきだと勧告しています。
NaTHNaCは次のように付け加えています。
「動物(生死に関わらず)との接触は努めて避けてください」
「武漢を訪れてから14日以内に呼吸器系の症状を発症した場合は、武漢に旅行したことを事前に医療機関に知らせた上で来院し、医師の診察を受けてください。」
https://www.bbc.com/news/world-asia-china-51176409
▽ 新型ウィルスワクチンと副作用
https://ja.wikipedia.org/wiki/豚インフルエンザ
1976年2月にニュージャージー州フォートディクスのアメリカ陸軍訓練基地(Fort Dix)で、豚インフルエンザが人へ感染した最初の例が確認され、19歳の兵士が死亡した。
同基地内で発病が疑われたのは数人だったが、500人以上が感染していることが分かった。
事態を重く見た保健衛生当局の勧告に従い、フォード大統領は同年10月に全国的な予防接種プログラムを開始した。
約4000万人が予防接種を受けたが、予防接種の副作用で500人以上がギラン・バレー症候群を発症し、30人以上が死亡したため、12月16日にプログラムは中止された。
結局、この時の豚インフルエンザの感染は基地内にとどまって、外部での流行は無く(感染自体による)死者は兵士1人だった[3]。
ワクチンが原因でギラン・バレー症候群となってしまったのは565件ともされ、30人の高齢者が予防接種を受けてから数時間以内に「説明不可能な死」を遂げていた。
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英国BBCの電子版が、視聴者の質問に答える形で現在わかっている情報を公開しました。
原文にはいちいち質問者の名前が付されていますが、この翻訳では割愛させていただきました。
記事中でワクチンのことに触れていますが、追記したウィキペディアの『豚インフルエンザ』の項を引用してみると、1歩下がって考える必要がありそうです。
豚インフルエンザそのものの死亡例は1人であったにもかかわらず、ワクチンの副作用によって30人以上が死亡したということになります。
やはりいかなる疾病に対しても、自分の体の中にある免疫力を高めることこそ最良の予防法のはずです。
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