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福島第一原発、信じられない程、莫大な量の放射能汚染水

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【 限界が近づいている!福島第一原発施設内、高濃度汚染水の保管問題 】

アルジャジーラ 10月25日


もはや機能していない福島第一原発で、破壊された原子炉の冷却に用いられた、高濃度の放射性物質に汚染された莫大な量の水の保管に、東京電力が苦慮していることを、同社の汚染水対策班の責任者が明らかにしました。

福島第一原発の敷地周辺には、オリンピックプール50杯分の水を貯蔵できる、巨大な貯水タンクが数百基建設され、原子炉を冷却するために使われた約200,000トンの汚染水が保管されています。

東京電力はすでに周囲の木を片っ端から切り倒し、タンクを設置するための敷地の確保を行っていますが、汚染水の量は今後3年で現在の3倍の600,000万トンを突破するものと見ています。
「汚染水の保管容量は限界に近づいており、時間との戦いになってきました。残された保管容量はごくわずかしかありません。」
東京電力の汚染水対策班の責任者である岡村雄一氏が今週、AP通信の取材に対し、このように答えました。

事故をこれ以上深刻なものにしないためには、メルトダウンした原子炉に大量の水を絶え間なくかけ続ける以外、方法がありません。
岡村氏は、原子炉建屋の最上階、地上50メートルの高さにある使用済み核燃料プールに注水するため、死に物狂いで方法を探った日々の事を覚えています。

使用済み核燃料プールに水が無くなってしまえば、核燃料はオーバーヒートしてメルトダウンを起こし、はるか遠くまで死の灰を拡散し、何百万という人々に被害を与えることになります。


核燃料を冷却し続け、それぞれの原子炉を安定した状態にしておくための措置は、別の大きな問題を引き起こしました。

破壊された原子炉から漏れ出し、建屋の地下、そして周辺の施設に溜まり続ける高濃度の汚染水をどう処理するか、という問題です。
「その時点で、高濃度汚染水がタービン建屋にまで漏れ出すという事は、想定していませんでした。」
岡村氏がこう語りました。

岡村氏たちは冷却水として使用した汚染水から放射性物質を取り除き、再び冷却水として使用できるようにするシステムを作り上げることを課題として与えられました。このシステムはこれ以上の施設内の汚染を防ぎ、作業員たち、そして環境へのダメージを食い止める目的がありました。

まず最初に東京電力は汚染水を原子炉近くの貯蔵タンクに保管する作業を行いました。


▽ 汚染水

その一方、55名からなる岡村氏のチームは、汚染水から放射性物質を除去するシステムを制作しましたが、岡村氏によれば通常なら完成まで2年かかる作業を、事故発生後3カ月で着工から稼働までを行いました。

この装置のおかげで、東京電力は冷却水の再利用が可能になりました。

しかしいくら再利用が可能になったとはいえ、原子炉の亀裂から原子炉建屋内とタービン建屋に冷却水が漏れ出し、このため汚染水の増加はとどまることなく続いています。
岡村氏のチームは、11月には東芝グループの技術を使った、新しい汚染水の浄化システムを稼働させることにしています。
「ALPSシステムによって浄化された汚染水を、さらに浄化することにより、すべての汚染物質が規制値以下のレベルにまで浄化されることになる予定です。」

しかし、こうしている間にも、原子炉の施設から地上に汚染水が漏れ出すことを防ぐ手立ては無いために、汚染水を保管するタンクは次々に一杯になっていきます。


原子力技術者で大学講師の後藤政志氏は、増え続ける汚染水の問題は、人間の健康、そして環境に対する長期に渡る脅威となり得る、と語りました。
後藤氏は、この汚染水が福島第一原発の施設の排水溝などから地下水脈に入り込み、さらには海中や公共の水道水などにも入り込んでしまう事を懸念しています。

「約10,000トンから20,000トンの汚染水が、それぞれの原子炉の核燃プール内に溜まっています。その他にも大量の汚染水が、この福島第一原発の施設にはあり、もしそれらを一か所にまとめると、その量は数十万トンもの量になります。それを見たら、いったいどう処理すればいいのか、誰だって動揺せずにはいられないでしょう。」
後藤氏は最後にこうつけ加えました。

「とにかく信じられない程莫大です。まったくもって莫大な量の汚染水が貯まり続けているのです。」

溶けた核燃料をはじめ、放射能で汚染されたすべての破片などを取り除かない限り、福島第一原発は汚染水の問題に取り組み続けなければなりません。
このプロセスだけで、優に10年はかかるものと見られています。

http://www.aljazeera.com/news/asia-pacific/2012/10/2012102510561941251.html
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この問題と、使用済み核燃料(高放射性核廃棄物)の問題をスルーして、原子力発電の継続など許されるはずがありません。
あたりの木をどんどん切り倒し、汚染水をつめた巨大なタンクを次々に設置していく。
しかし、どんどん水をかけ続けなければ、福島第一原発はこれまで以上の大災害に向けて暴走する。
そして高濃度の汚染水の『生産』が果てしなく続く。

これが『冷温停止状態』の真実です。

この真実を、日本国民の何パーセントが認識しているでしょうか?

福島第一原発の事故が始まったばかりの頃、海外の専門家などが指摘する『可能性』を口にすると、
「風評を煽るな!」
と責められました。

しかしその後、海外の報道機関や研究機関、そしてフェアウィンズやセイフキャストなどの市民運動グループが少しずつ事実を明らかにしていき、『可能性』は事実であった事が判明していきました。
それにより、「風評を煽るな!」などという叱責が、蒙昧であるが故の感情論である事が明らかとなり、口にする人はいなくなりました。

今度は『冷温停止状態』という言葉の一人歩きにより、福島第一原発の現場で淡々と、着実に事故処理が進んでいるかのような『錯覚』を持っている人が数多くいる事でしょう。

この記事が伝える『真実』も、一人でも多くの人に伝えていかなければならないと思っています。

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【 嵐の後の子供たち 】

アメリカNBCニュース 11月5日


マンハッタン・ビーチに近いブルックリン地区で、学校にたどり着くため、倒れた木を乗り越える母と息子。11月5日は、ハリケーン・サンディ襲来から一週間、学校再開初日になりました。
11月5日、ニューヨーク。


マンハッタン・イーストヴィレッジ小学校で、5年生の子供たちとハリケーン・サンディについて議論する女性教諭ミリー・ラミレス。
イーストヴィレッジでは多くの子供たちが被災した。
11月5日、ニューヨーク。


自身のハリケーン・サンディの体験について描く、イーストヴィレッジ小学校5年生の生徒。


イーストヴィレッジ小学校に到着した親子






 

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