ホーム » エッセイ » 福島第一原発4号機使用済み核燃料プール、日本人が知らない本当の危険《前篇》[フェアウィンズ]
【 使用済み核燃料プールは、本当に燃え上がるのか?! 】
フェアウィンズ 2012年8月19日
今回の特集では、フェアウィンズのチーフ・エンジニアであるアーニー・ガンダーセン氏が、アメリカ国立研究所が制作した、核燃料棒が空気に触れた場合どうなるか実験した、シュミレーション・ビデオを分析します。
国立研究所のビデオは、フェアウィンズが福島第一原発の事故について再三指摘してきたように、核燃料棒が空気に触れた場合には火を噴く、という事実を証明しています。
そしてガンダーセン氏は、もし福島第一原発4号機の使用済み核燃料プールのミスが無くなるような事態に陥った場合、どのような結果になるかを議論しています。
[ビデオ映像]
アーニー・グンダーセン: こんにちは、フェアウィンズのアーニー・ガンダーセンです。
今日は使用済み核燃料プールの火災について、お話ししたいと思います。
使用済み核燃料プール火災は、ほんとうに発生するのでしょうか?
火災はどのような形になり、その結果引き起こされるのは?
そしてなぜ今、世界の専門家が福島第一原発4号機の使用済み核燃料プールを注視しつづけているのでしょうか?
詳しいお話をする前に、まず2点ほど基本のおさらいをしましよう。
原子炉の中ではウラニウムが崩壊に崩壊を繰り返し、そのエネルギーの95%が熱に変換されます。これが核分裂と呼ばれる現象であり、特徴的なことは、たった一個の原子が信じられない程多量の熱を放出するという点です。核分裂の結果、残る5%の熱量を閉じ込めたままの物質が残ります。これが核分裂生成物と呼ばれるものです。
核分裂生成物の熱は5年間に渡り、徐々に冷めていきます。
ただし、最低で5年です。
5年間、核分裂生成物は冷やし続けなければなりません。
核分裂生成物が熱を出し続けるのは核分裂の一種ですが、ただしこの反応は原子炉の中では起きません。
使用済み核燃料プールの中で起きます。
ここで核燃料のウランが私の小指ほどの大きさの、ペレットの中に入れてあることを思い出してください。
そしてそのペレットが、長さ3メートル60センチある核燃料棒の中に入っています。
この燃料棒はジルカロイという物質でできていますが、これが問題なのです。
ジルカロイは空気中である温度以上になると、燃えてしまいます。
自然発火によるものですが、こうなると水では消すことができません。
ペレットが入った核燃料棒は束ねられた状態になっています。
この束の大きさはこのぐらい、そして高さは3メートル60センチです。
この燃料棒の束は原子炉内部から取り出され、使用済み核燃料プールに沈められます。
さあ、ジルカロイは燃えるのだという事を、ご理解いただけたでしょうか。
2011年4月、福島第一原発の事故の一か月後、フェアウィンズではジルカロイでできた棒が、空気中で燃えることをビデオでご紹介しました。
ビデオの中では、ジルカロイの破片がテーブルの上で、跳ねる様子が確認できるはずです。
ジルカロイ自身が発火しましたが、炎は見えません。しかし物理的には空気中での燃焼であり、内部に別の熱源を持っているわけではありません。
問題はこのような反応が、使用済み核燃料プールで発生するか?という事です。
世界中の専門家が懸念している、福島第一原発4号機の使用済み核燃料プールで?
現在福島第一原発では、4基の原子炉が危機的な状況にあります。
しかし今や世界の専門家が注目しているのは、4号機の使用済み核燃料プールなのです。
なぜ?
いいですか、ゼネラルエレクトリック社製マークⅠ型原子炉では、使用済み核燃料プールには覆いがありません。
これが意味するところは、何かトラブルが発生しても、放射性物質が空気中に放出されないよう、抑え込むものが何も無い、という事です。
現在福島第一原発4号機では、原子炉格納容器の中から炉心がそっくりそのまま取り出され、使用済み核燃料プールの中に置かれています。
4号機だけがこのような状態になっています。
原子炉の炉心が原子炉から、原子炉格納容器からそっくり取り出され、使用済み核燃料プールの中に入れてあります。
これと関連して重要な点は、4号機の原子炉建屋が損傷しているということです。原子炉建屋の底にはふくらみができており、私はそれがオイラー・ストラト・バルジ(Euler strut bulge : 地震波による特有の変形?)と言われる変形現象の第一段階だと信じています。
これは明らかに地震による損傷です。
爆発では、このようなふくらみはできません。
指示の揺れによりこうした損傷が起きたものと思われます。
まとめてみましょう。
福島第一原発4号基では、原子炉の炉心が格納容器からそっくり取り出され、現在使用済み核燃料プールの中に置かれている。
そしてその外側にある原子炉建屋は、まず2011年3月11日に発生した地震そのものによる損傷を受け、さらに爆発による損傷も受けている。
これが現在、世界の専門家たちが、この先一体どうなるのか、4号機に注目している理由です。
〈つづく〉
http://www.fairewinds.org/ja/content/can-spent-fuel-pools-catch-fire
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日付が8月とちょっと古いのですが、福島第一原発4号機の状況について、すでにご紹介したフェアウィンズの【 福島第一原発で今も続く事故、そして危険、その真実 】よりも詳細に述べられせていますので、改めてご紹介します。
私たちはこれから原子力発電を終わらせるために、『なぜ原子力発電を止めるべきなのか』という事について、多くの人と『議論』をしていかなければなりません。
その際、不可欠なのが正しい知識です。
この点、フェアウィンズのガンダーセン氏は、実にわかりやすく原子力発電の仕組み、そして福島第一原発の現状を説明してくださいます。
私は『技術者の良心』を、形にしたような方だと思っています。
ともあれ、なぜ福島第一原発の事故は『終わっていない』のか、なぜ4号機が一番危険なのか、一緒に学習しましょう。
なお、翻訳の際、オイラー・ストラト・バルジという言葉だけ、その意味を突き止めることができませんでした。
幸い長男が東北大学工学部大学院にいるので、尋ねてみましたが、知りませんでした。
どころか、オイラーの定理ほかの説明をされたのですが、理解できず、途中で遮らなければなりませんでした。
振動波の解析に関連があるようだ、というところまでしかわかりませんでした。
お詫び申し上げます。
そして以下のニュース。
21世紀の資本主義の正体を垣間見るような内容です。
かつての資本主義の資本は、一面では社会資本に通じる部分があり、資本の拡大が国民生活の向上と結びつく部分があった。
すつての日本で、高度成長により社会資本の整備が進み、国民全体の生活水準も上がったのが、その例です。
ところが、新自由主義の台頭以来、資本と実物経済とのかい離が始まり、資本の拡大イコール資本の自己肥大に過ぎなくなってしまった。
まさに以下のニュースで『ある人』が語るアメリカ資本には、自己の資産価値の拡大にばかり目が行き、アメリカの実体経済を活性化させ、国の立て直しに貢献しようなどと言う動機がまるで見えません。
この日本の資本家たちは、どうでしょうか?
最近やたらと声高に、当然のようにこの国の未来に関する発言を繰り返していますが、その本音がどこにあるのか、私たちは見極める必要があります。
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【 オバマ大統領の勝利。『ウォール街を占拠せよ!』の宿敵、金融界はどう出るか?!】
アメリカNBCニュース 11月7日
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サバンナ・ガスリー :
福島第一原発4号機使用済み核燃料プール、日本人が知らない本当の危険《前篇》
http://kobajun.chips.jp/?p=5995
日本のマスコミが沈黙して語らない当たり前の情報。すべての日本人がいま知る必要があることです。
福島第一原発の4号機のヤバさ わかりやすいです。日本人こそが あたりまえのこととして 知ってないと おかしいですね。