ホーム » エッセイ » 今こそ日本人は、フクシマの『原点』に立ち戻れ《前篇》!金輪際、もう原子力災害には遭いたくない、そう決意した日本の人々
【原子力発電の無い日本で、本当にあったこと】
フクシマの放射線量は、チェルノブイリの5分の1か、それとも3倍か?!
フクシマの真実を、闇の向こうに隠したままの日本の政治
サミュエル・S.エプスタイン(シカゴ大学名誉教授、専門 : ガン予防学、公衆衛生学)
ハフィントン・ポスト
北日本にある福島第一原発で3基の原子炉がメルトダウンを起こし、別の1基では大量の核燃料が今にも崩壊しそうな原子炉建屋の上にある、という信じられない字が発生してから18カ月が経ちました。
今でこそ、爆発で吹き飛んだ原子炉建屋、宇宙服のような防護服を着込んだ緊急作業員、あるいは放射線測定装置で子供たちの被ばく線量を測定する係官などに関する報道量は明らかに減少しましたが、福島の危機は現在も進行中です。
福島第一原発の事故が新聞の第一面を飾ることは無くなりましたが、福島第一原発で起きたメルトダウンにより容易ならない状況が続いていることが、心に引っかかったままの人々が数多くいるに違いありません。
これは単なる放射能の漏出などと言うものでは無く、チェルノブイリと並ぶ史上最悪の原子力発電所事故でした。
当初メルトダウンを起こした原子炉は1基だけでしたが、結局3基の原子炉がメルトダウンを引き起こしました。
最初のメルトダウンによる使用済み核燃料プールへの影響はありませんでしたが、続く3号機原子炉建屋の爆発では、隣の4号機の原子炉建屋が吹き飛ばされ、大規模な放射能汚染が発生しました。
続く2号機のメルトダウンにより、原子炉を汚染源とする水質汚染が発生しました。
結局福島第一原発は各種の汚染物質を、世界最大の海である太平洋に流し込んだのです。
一体どれだけの量の放射性物質が、福島第一原発から大気中、そして海洋中に放出されたのか?
これは非常に答えの出しにくい問題です。
チェルノブイリと比較して、その20%から300%に相当する、と見解は大きく分かれています。
同様にどれだけの放射性物質が空気中、水資源の中、そして食物中に入り込んでしまったのか、現在も検証作業が続いています。
周辺住民が避難を強いられたような場所では、現在もなお高い値の放射線が検出されています。
そしてそれ以外の場所でも、放射線量が上昇し続けている場所があります。
なぜなら大気中を浮遊する放射性物質は約6日間で、アメリカ西海岸に到達し、約18日間で北半球を一周します。
事故後数か月を過ぎてもなお、通常より高い放射線量がアメリカをはじめ、北半球の各国で検出されました。
もちろん、最も深刻な問題の中に、人体への悪影響が含まれます。
一体何人の福島第一原発の作業員が、健康被害を受けたでしょうか?
そして、周辺住民は?
日本国内の他の場所で暮らす人々に、影響は無いのでしょうか?
大人と比べ、乳幼児や子供たちの具合はどうでしょうか?
そして具体的には、どのような健康被害が発生しているのでしょうか?
こうした大切な問題すべての答えが、闇の向こうにあります。
これまで、福島第一原発の事故発生以降、周辺各地の疾病発生率や死亡率がどのように変化したか、いかなる政府機関からも、自治体の保健機関からも、一切報告が無く、公表された資料もありません。
たくさんの真実が、厚生労働省が毎月そのホームページに掲載する、国内の死亡率のデータの中に葬り去られています。
福島第一原発の事故発生から12カ月間の日本人の死亡者数は、前年同期と比較し、57,900人増加しています。
このうち19,200人は地震と津波の被害を直接受けた人々ですが、残る38,700人の死亡原因は異なっています。しかし今のところ、理由は明らかにされていません。
これらの人々の死亡原因が放射能被ばくによるものするだけの証拠はありませんが、広範な調査が必要であり、死亡原因が科学的に解明される必要があります。
福島第一原発の事故は健康問題だけにとどまらず、世界中の政府の政策にも影響を及ぼしました。
事故後数日のうちに、ドイツ政府は国内の原子炉4基を永久停止 – 廃炉にしました。さらにメルケル政権は2022年までにドイツ国内のすべての原子炉を廃炉にする方針を公にしました。
ベルギーとスイスもほぼ同内容の原子力発電廃止計画を決定しました。
イタリアは現在稼働中の原子炉はありませんが、新たな原子力発電所の建設計画を白紙に戻しました。
フランスでは、新たに選出されたオランド大統領は、大統領選挙期間中、2030年までに原子力発電への依存率を現在の75%から50%に引き下げることを公約に掲げました。
日本では人々の意識の中に、大きな進展が見られました。
日本は第二次世界大戦中に広島と長崎に原爆を投下された経験を持つ、世界で唯一の被爆国ですが、今また3基の原子炉がメルトダウンする福島第一原発の事故という、原子力災害に見舞われてしまいました。
世論調査の結果は、日本人が金輪際、もう原子力災害などには遭いたくないのだ、という決意を持ったことを表しています。
首都東京ではものすごい数の人々が路上に現れ、政府に対し国内の54基の原子炉すべての廃止を求めて、デモ行進を行ったのです。
〈つづく〉
サミュエル・エプスタイン(医学博士)は、イリノイ州立大学シカゴ校の名誉教授で、全米ガン予防学会の会長です。
専門は環境科学、および職業病医療です。
代表的著作に、2005年の:キャンサー・ゲート『末期がんとの闘いに勝つ方法』、2009年の健康美容読本などがあります。
http://www.huffingtonpost.com/samuel-s-epstein/fukushima-nuclear-_b_1790423.html
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思いやりも、責任感も無い官僚主義など無縁。
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アメリカNBCニュース[メイキング・ア・ディフエレンス / この世界を変えて行く!]11月13日
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私たちは皆、『ウォール街を占拠せよ!』運動のことを鮮明に覚えています。この番組でも何度も取り上げました。
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