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【 アノニマス集団、イスラエルに『サイバー戦争』を宣戦布告 】

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所要時間 約 9分

イスラエル国内のサイトに、4,400万件のサイバー攻撃

ジョンD.サッター、アメリカCNNニュース 11月20日
※アノニマスの本来の意味は『匿名の』。ここではインターネット上で、政治的意図をもってハッカー活動をする集団のこと。



デジタル時代には、戦争は地上で行われるとは限りません。
イスラエル政府は、先週ガザ地区に空爆を開始してから、総計4400万件を超えるサイバー攻撃を受けたと、18日日曜日に発表しました。

アノニマスの名で知られるハッカー集団は、イスラエルのいくつかのサイトをダウンさせたり、パスワードを流出させるなどのサイバー攻撃を行い、パレスチナの人々に対してイスラエルが行った「野蛮で、残忍で卑劣な行為」に関し、その非を鳴らしました。

イスラエル情報省のカルメラ・アヴナー長官は日曜日に開かれた記者会見で、現在イスラエルは3正面作戦を余儀なくされている、と語りました。
「第1が現実の戦闘、第2が世界のソーシャル・ネットワーク上での戦い、そしい第3がサイバー攻撃です。」
「ハッカー集団は現在使用されているイスラエル政府の各ウェブサイトに対し、つながりにくくするよう攻撃を仕掛けています。現在ガザ地区で起きているような衝突があると、こうしたサイバー攻撃が増え、攻撃の内容もエスカレートする傾向にあります。このようなわけで今回もまた、私たちは政府関係のコンピューターシステムを守るため、重要な戦いを行っています。」


イスラエルとハマスの軍事部門は、相手の残虐性を訴えるためあらかじめ用意された写真を、ソーシャルメディアを使って拡散したとして、双方とも批判を受けています。先週の14日水曜日に始った暴力の応酬によりイスラエルでは3人が死亡、パレスチナ側の犠牲者は100人に上っています。

サイバー攻撃の有効性については、様々に取りざたされていますが、イスラエル側は今回の攻撃のほとんどが失敗に終わっていると語りました。

イスラエルのユーバル・スタインニッツ財務長官は、書面で以下のように声明を発しました。
「私たちは現在、この数年間取り組んできたコンピューター防御システムの開発成果を享受しています。しかしそのために費やした時間と労力は膨大なものでした。」

ロイター通信によれば、今回の攻撃では、ひとつのウェブサイトが10分間だけダウンしました。


これに対しアノニマス側は650に上るイスラエルのウェブサイトのリストを公表し、いずれもダウンさせるか、内容の毀損を行ったと主張しています。
「彼らはいくつものウェブサイトをダウンさせ、データベースを削除してしまい、そして関係者の電子メールアドレスやパスワードを流出させました。」
16日金曜日、ケイシー・チャンが技術系のサイト、ギズモード(Gizmodo)にこう記しました。
「とんでもない、攻撃の成果です。」

月曜日の朝、ツイッター上にアノニマスによる一本のフィードが流されました。
別のハッカー集団が、マイクロソフトが運営するイスラエル版の多数のサイトを破壊したと伝えていました。この中には、Bing、MSN、Skypeなどが含まれています。
月曜日の朝、Bingを利用しようとしたイスラエル国内の利用者は、そこに検索エンジンの代わりに反イスラエルのスローガンがでかでかと掲載されているのを目の当たりにしました。


この件についてマイクロソフト社の広報担当者が電子メールで、以下のようなコメントをCNNに寄せました。
「マイクロソフトはサイトの毀損状況と、修復すべき内容について把握しています。現在完全復旧のための作業を続けています。」
「現時点においては、顧客情報が流出したという事実は把握していませんが、状況に応じて適切な手を打って行くつもりです。」

アノニマスグループに関係するサイトには、新たな脅迫メッセージが掲載されました。

「2012年11月は、イスラエル国防軍、同インターネット・セキュリティ部門、そしてイスラエル政府にとって、忘れることが出来ない月になるだろう…」

外部の専門家はこれを、デジタル・ウォーズがエスカレートする兆候だと見ています。
「いまや彼らの戦いは、ジャンク・データの洪水をあふれ返らせて、目的のサイトにアクセスできなくする『接続妨害』戦術を越えてしまいました。彼等にとって侵略可能なサイトに手当たり次第にアクセスし、そこにあるイスラエル当局者、あるいは協力者の個人情報を流出されるという戦術に転換したのです。」
アンディー・グリーンバーグがフォーブス誌にこう書きました。


一方、別の専門家はこれまでのアノニマスによる脅迫は、そのほとんどが『はったり』に過ぎなかったと語りました。
「かつてはネット世界にその才能と団結力を誇示したアノニマス集団も、現在はそれ程でもなくなりました。彼らの一番新しい取り組みであったオンライン十字軍の運動も、さほどのことも無く立ち消えとなっています。」
19日月曜日、サム・ビッドルがギズモード(Gizmodo)にこのように記しました。
「これはサイバーウォーズというよりは、他にも同調者が現れ、ハッカー攻撃がエスカレートするように扇動するための、プロパガンダの一つでしょう。」

ハッカーグループは、今回のキャンペーンを『#OpIsrael』(イスラエル作戦#)と呼んでいます。

ギズモードとは別の技術系サイトの次世代ウェブ(TheNextWeb)には、こう書かれています。
「イスラエル政府がほぼ間違いなくデータベースの復帰夕作業を行っていると考えられることから、今回のアノニマスによる攻撃が、いつもの大量のデータを送りつける単なるばか騒ぎ以上のものであることが想像できる。」
「『#OpIsrael』は複数のハッカーが、現実世界に被害を及ぼすことを意図しているように見受けられる。
サイトの表示が不可能になった際に表示される『404エラー』、少なくともそれ以上の結果を求めていることは確かである。」

イスラエル軍の空爆にさらされるガザ市内。11月18日。


グリーンバーグはフォーブズ誌の記事の中で、アノニマスによる攻撃を、中東で実際に人命が失われていく戦闘と比較しています。サイバー攻撃は主張は明らかではあっても、実際に人間の肉体を傷つけることが決して無い点が重要だと述べています。

「もちろんアノニマスによる攻撃を、ガザ地区におけるイスラエル、パレスチナ双方の血で血を洗う抗争と比較することはできません。」

http://edition.cnn.com/2012/11/19/tech/web/cyber-attack-israel-anonymous/index.html?hpt=hp_c1
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【拡大し続けるイスラエル・パレスチナ間の暴力】

アメリカNBCニュース 11月19日


パレスチナ側からのロケット弾攻撃が続く中、コンクリート製の退避壕の中で妹を抱きしめる少女。11月19日イスラエル、アシュドット郊外。


イスラエル軍の空爆により犠牲となった人々の、合同葬儀の様子を見守りながら涙を流す、ガザ地区のパレスチナ人の女性たち。11月19日、ガザ地区。


自分たちが通う大学をイスラエル軍に破壊された大学生たちが、門の残骸を抱えて抗議している。
11月19日、ガザ地区、ビルザイト大学。


イスラエル軍の空爆により、自宅を破壊されてしまった女性。11月19日、ガザ地区。


パレスチナ側からのロケット弾攻撃で自宅を破壊された女性。11月16日イスラエル、アシュケロン郊外。

http://msnbc.msn.com/id/49836828/displaymode/1247?beginSlide=1






 

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