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【 発生から2年、さらに明らかになる福島第一原発事故の真相 】〈第3回〉[フェアウィンズ]

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所要時間 約 9分

「水没が原子力発電にとってどれほど危険か、原子力規制委員会は事実を隠ぺい」
東京電力の最新公開資料を、ガンダーセン氏が詳しく検証
( ビデオ8:00 ~ )

アーニー・ガンダーセン / フェアウィンズ 12月17日

MORE LESSONS FROM THE FUKUSHIMA DAIICHI ACCIDENT: CONTAINMENT FAILURES AND THE LOSS OF THE ULTIMATE HEAT SINK from Fairewinds Energy Education on Vimeo.

ではここでいったん東京電力の報告書から離れ、原子力発電所で冷却水が使えなくなった場合何が起きるのか、その検証をする事にしましょう。
それは最終的放熱装置の動作不良と呼ばれる問題です。
さて、私は福島第一原発の事故の2週間後にCNNテレビに出演し、以下のように説明しました。
ディーゼルで動く冷却装置が水没したにせよ、していないにせよ、その取水ポンプが海沿いにある以上、津波による破壊を免れられるはずが無く、したがってメルトダウンはすでに起きている、と。

私はファイヴ・ア・クロック・シャドウという放送番組で、アメリカにあるフォート・カルフーン原子力発電所が水没した際の話をしたことがあります。
フォート・カルフーン原子力発電所は上流にあるダムの事故により、福島第一原発同様、水没してしまったのです。
原子炉の冷却装置のポンプが水没してしまいました。
この番組で私は、南部にあるオコニー原子力発電所もその上流に巨大なダムがあり、同じく水没と言う問題に直面したことがある事を指摘しました。

さて私は何をお話するつもりか、お分かりですか?
今年2012年、2名の内部告発者が現れ、原子力規制委員会が2011年、あらゆる問題の存在を把握していたとの告発を行いました。
2人はこれらの問題について内部で報告書を作成し、問題の存在を認識していたにもかかわらず、この問題に対するどのような対処も行わなかったと告発したのです。
彼らは監察長官あてに報告書を提出しました。
この中で2人は、原子力規制委員会が国内の23の原子力発電所における非常に重要な問題、『最終的放熱装置の動作不良』の問題の存在を隠し続けてきたことについて、調査を行うよう求めたのです。

監察長官あての文書の冒頭、こう書かれています。
「原子力規制委員会は安全に関する重要な問題の存在と、それに関連する事項を故意に曲げて解釈した。」
その問題とは、原子力発電所の安全にかかわる重要なものだと2人は述べています。
原子力規制委員会の隠ぺいにより、誰もこの問題の所在には気がつかずに来ました。
そうです、原子力発電所の安全を守る際、この問題は検証されずに来ました。
上流に大きなダムがある場合、その下流にある原子力発電所は、水没のリスクについて検証しなければならないのに、アメリカの原子力産業界はこの問題への対処、すなわち出費を行わずに済んだのです。

実は冷却装置を水没させる原因そのものの特定の方はさほど重要ではありません。
原因が津波である必要はありません。
オコニー原子力発電所やフォート・カルフーン原子力発電所のように、上流に大きなダムがあれば、あるいはオイスター・クリーク原子力発電所のように海沿いの原子力発電所は、ハリケーン・サンディがもたらしたゆうな高潮により、福島第一原発と同じ事故を起こす可能性があるのです。

いずれにせよ、アメリカ国内の原子力発電所に水没の危険性があるという事は、『最終的放熱装置の動作不良』の危険性がある、という事です。
実はこの問題にはすでに解決策があります。
緊急時に完全に水没していても稼働可能な取水装置があるのです。
この装置があれば、母なる自然から試練を与えられても、原子炉の冷却を続けることが可能です。
私はこの装置をきちんと設備することは、世界中の原子力発電所にとって大切な課題であると考えています。
2013年には原子力規制委員会もこの問題にきちんと向き合い、『最終的放熱装置の動作不良』の危険性に対策を国内の原子力発電所に行うことにより、福島第一原発と同じ型の事故がアメリカ国内で起きないよう、対策を実施することを望んでいます。

◇ 最後に ◇
皆さんがフェアウィンズの提供するビデオ等をご覧になる理由は、アメリカ国内、福島第一原発、そして世界中の原子力発電所に関し、正しい情報、的を得た情報提供を行っている、そのように評価していただいているからだと考えます。
私自身は無報酬でこの活動を行っていますが、私たちの活動を継続するには資金が必要です。
私も妻もボランティアでフェアウィンズの活動を行っています。
しかしそのことは、フェアウィンズの活動資金が充分に賄われていることを意味するものではありません。
そこで年末を迎え、みなさんにフェアウィンズへの寄付をご検討いただけるよう、お願いをしたいと思います。
ご覧いただき、ありがとうございました。
アーニー・ガンダーセンがお伝えしました。
〈完〉

http://www.fairewinds.org/content/more-lessons-fukushima-daiichi-accident-containment-failures-and-loss-ultimate-heat-sink
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ガンダーセン氏が解明した「福島第一原発の真実」はいくつあるだろう、と考えています。
しかしいくつか、などという事よりも、ガンダーセン氏がいなければこれほど早く、福島第一原発の状態について一般の人々が事実を知る事は無かっただろう、という事の方が重要です。
そしてガンダーセン氏の見解を世界に伝えたのが、アメリカのメディアとインターネットでした。

この間、日本のマスコミ、大手各社は何をしていたでしょうか?
政治家の後を追い回して「死の町発言」だの、そんな事ばかり問題にしていました。
「報道の良心」とは一体なんだろう?
真剣に考えたいと思います。

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【 これが富士山、真上からの姿 】

アメリカNBCニュース 12月20日
(クリックすれば大きな画像をご覧いただけます)

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(写真)ひとかたまりの雲が、日本の富士山の頂上を覆い隠しています。
この写真はデジタル・グローブのワールド・ビュー2号が、上空770kmの地点から撮影したものです。

衛星写真で見ると、綿のボールが富士山の真上に浮いているように見えるかもしれません。しかしこれは間違いなく雲です。日本一高い山に雲がかかっている様子を、普段は見ることのできない角度からとらえています。

この写真は今年の9月20日、デジタル・グローブのワールド・ビュー2号が撮影したものですが、同社の年間最優秀写真コンテストでの優勝候補筆頭となっています。
コンテストの中身については、デジタル・グローブ社のフェイスブックのページからご確認ください。
あなたも一票を投じることが可能です。
入賞作品は1月に発表予定です。

デジタル・グローブ社ではこの1年間に撮影された20枚の写真を厳選し、候補作品としました。その中からさらに5枚が選ばれ、決戦投票が行われています。
先週はこれとは別の写真をご紹介し、その中に巨大な影を投げかける東京スカイツリーの写真がありましたが、富士山の写真ほどの反響はありませんでした。
その理由は富士山の写真の雲の方が、神秘的だったから、という事のようです。
しかし高峻な山岳地帯では別に珍しいことでは無く、レンズ型の雲の発生は日常的に見られます(一見すると作り物めいていますが)。
それが、770㎞上空からだと、一種の不気味さも加わって来るようです。

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ほんとうの「今」を知りたくて、アメリカCNN、NBC、ABC、CBS、英国BBC、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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