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【 日本にも、中国にも見えていない危険 : 尖閣列島 】

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所要時間 約 13分

中国と日本の間に高まる軍事衝突の危険、そして予想される悲惨な結末
世界には中国に警告する義務がある

エコノミスト 1月19日

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中国と日本は今、戦争に足を取られようとしています。

紛争の原因となっている島の海域、そして空域には中国の艦船や航空機が現れ、数十年にわたって続く日本の実効支配に対する揺さぶりをエスカレートさせています。
その行動は中国側の、血も凍るような理論によって裏打ちされています。
中華日報は日本こそ「本当に危険な存在であり、世界に対する本当の脅威」であると伝えました。
中国のタブロイド紙の環球時報は、軍事衝突の可能性はますます高まっており、我々は最悪の事態に備えなければならない。」と報じました。

中国は第二次大戦以降70年を経て初めて、日中間の軍事衝突に向け準備を始めたようにも見受けられます。

良く知られているように、中国と日本ではその歴史と領土問題に関し、認識が明らかに異なっています。
領土問題のほとんどは、東シナ海に浮かぶ5つの小さな島から構成される、日本が実効支配し尖閣諸島と呼び、中国も領有権を主張しダイユウ諸島と呼ぶ島々に関するものです。

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経済的に深い結びつきを持った両国は、これまでこの問題にあえて触れずに、いずれかに帰属することも明言しないことにより、紛争が起きないという事を学習してきました。
少なくとも日本と中国いずれにとっても、あいまいなままにしておく方が賢明だったのです。

しかし、2012年9月、当時の日本の野田首相が尖閣諸島の3島を国有化したことで、様相は一変しました。
その措置は右翼であり、常に中国に対し無用の挑発を行ってきた石原慎太郎東京都知事の手に、尖閣諸島の所有権が落ちないようにするための措置でしたが、やり方があまりにも稚拙でした。

一連の日本側の動きに対して中国は、領有権の正当化を図るため日本が反中国の陰謀を巡らせたものだと批判しました。そして尖閣諸島付近で日本の実効支配に対し風穴を開けようと、海と空から揺さぶりをかけたのです。
まず日本が主権を主張する海域内を巡視艇に航行させ、12月には哨戒機による領空侵犯を行い、日本側は戦闘機を緊急発進させました。
この月、日本と中国の戦闘機が尖閣諸島周辺の公海上空で、互いの後ろを取り合おうと空中で激しく争いました。

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日本側の報道は、次回このような事態が発生した場合、威嚇射撃を命令すべきかどうか検討に入ったと伝えました。
中国側の将官は、そうなれば実際の戦闘状態に入ると警告しました。
中国がこうした兆発を続ける限り、一触即発の事態が続くことになるでしょう。

今週、アメリカ政府の高官が、タカ派色の強い安倍政権にくぎを刺すため急きょ来日しました。
日本が中国に攻撃される事態が発生すれば、アメリカ軍は直ちに軍事行動を開始しなければなりませんが、たとえ限定的とはいえ中国との紛争に巻き込まれることは、アメリカとしては何としても避けたいところです。
しかし、度重なる中国の挑発に対し、日本が反発する気持ちも理解できます。
安倍首相はこの10年間国防予算の削減を続けてきたが、今年から増額に転じると明言しました。
安倍首相は今週、同じく中国の対外強硬路線を懸念する主な東南アジア諸国を訪問し、関係強化に乗り出しました。

安倍氏の東南アジア諸国への働きかけは、その機がまだ熟していませんでした。
これは、尖閣諸島をめぐる問題で中国に対する有効な手立てがない現在において、日本政府として他に打つ手がないことを示しているのかもしれません。
今週発行された中華日報の紙面は、日本政府がいったんは中国との関係修復に動いたものの、政策上矛盾があるとして取りやめになった事を伝えました。

中国は日本について『脅威』であるという言い方をしますが、中国とは異なり、1945年以降日本が武力を行使したことは一度もありません。

1979年、中国の一方的な進行によって始まった中越戦争

1979年、中国の一方的な侵攻によって始まった中越戦争。一カ月で中国が敗退。


中国は国内に不満が鬱積し政情不安に陥ると、いつも決まって中国に対し敵対的行動を行ったとして日本を非難します。
一方日本側は、日本の機能しない政治と不振が続く経済という弱点を利用する中国のやり方に対し、苛立ちを募らせています。

中国は他国の発展や繁栄を喜ばないように見受けられます。
その盲目的愛国心の元となっているものもはっきりしません。
この盲目的愛国心のもとが、まったく明白であるというわけではありません。
一部の人々がインターネット上でエスカレートさせている超国家主義的感情に、政府が原子力発電号している可能性すらあります。

▽ 再び悲惨な歴史を繰り返すな

この100年間の東アジアの歴史も無視できません。
第二次世界大戦以前、日本はアジア大陸への侵略を正当化するため、日本は国内で国家主義を煽り、ヨーロッパ諸国がアジア諸国で容赦ない搾取を行っており、日本が攻撃対象としているのは、そうした残忍野蛮な行為なのだという宣伝工作を行いました。
現代の中国が海上での拡張政策を推進し、それを正当化するやり方は、これに著しく似ています。
これから中国が引き起こす可能性がある紛争とそのやり口は、過去にその実例が存在するものなのです。

それは中国自身にとって危険なだけでなく、東南アジア全体の平和と経済発展を脅かすものです。

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中国のこの姿勢についてアメリカを含む世界各国は、たとえその意図について邪推され批難を浴びせられることになっても、手遅れになる前に中国に対し警告を行う義務があります。

中国国内は最早、その常軌を逸した行動をいさめられるような雰囲気ではなくなっているのです。

http://www.economist.com/news/leaders/21569740-risks-clash-between-china-and-japan-are-risingand-consequences-could-be
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中国は、日本にとって永遠の課題でしょう。
しかしこの記事を見る限り、その対外強硬路線は狂気の様相を帯びているかもしれません。
日本の立場から考えると、刃物を振り回す狂人に対して、同じく刃物を持って立ち向かう事の危険、そして愚かさを言われているようにも思えます。

中国の国内事情については、日本と同じ物差しで考えると、誤った結論にたどり着く可能性があります。
13億(戸籍のある人間のみ。実数は14億とも、15億とも言われる)の多民族が膨大な面積の国土に、ある場所ではひしめき合い、ある場所では点在する国家は、社会階層的にも複雑な構成を持っています。
これをほぼ単一民族がほぼ同質の環境の中で、全国同じような行政機構のもとで暮らす日本と比較はできません。
単純な分析と直截な対応は、事を誤る恐れがあります。

中国は戦後毛沢東の政権下で、日本人に対する怨恨にとらわれるなという教育を行いました。

しかし江沢民のあたりから、その様相が一変します。
江沢民はその出自の特殊さから(実の父親は日本の特務機関の協力者)、日本を敢えて仇敵視する姿勢を見せたものと思われ、さらには天安門事件に象徴される国内の民主化運動から国民の目を逸らすため、『反日愛国教育』に乗り出しました。
そして「抗日戦争勝利50周年」にあたる1995年から、徹底した反日教育を推進したのです。

尖閣問題が沸騰し、中国各地で反日暴動が過激化した際、その中心となった『若者』たちはまさにその教育を受けて育った世代でした。

だからといって、これからの日中関係が、第一次世界大戦後のドイツ・フランスのようになったのでは、私たち日本の国民が、そして中国の国民も不幸になるばかりです。

記事中にも出てくる、今回の事件の張本人とも言える石原慎太郎氏は、今週始まった国会の場で日本が武力強化を行い、強硬路線の外交を行わなければ『世界の侮りを買う』と言っていますが、その『世界』とはいったいどの国のことでしょうか?

ここまでフランス、アメリカ、ドイツ、イギリス各国の代表的メディアの記事をご紹介してきましたが、その記事のどこにも、日本は防衛力強化を急ぐべきだという考えを持っている国など登場しませんでした。
氏が語る『世界』とは、世界の国家主義者の集まりの事でしょうか?

良識ある意見、それはこれまでご紹介した記事の方だと思います。

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この地球上で、ほんの数人だけが目にすることが出来る『秘密の花園』

マティアス・ウィーツ
/ 私たちの素晴らしい地球【 骨の折れる研究、極点探査 】
(写真をクリックすれば、大きな画像をご覧いただけます)

氷の花園
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撮影した『氷の花』の写真をインターネット上で公開した瞬間から、ボウマンと彼の同僚たちの名は世界的に有名になりました。
氷の花は氷点下の極寒の海に生息する微生物によって作られる、きわめてデリケートな氷の芸術です。
氷の花は新しい氷の上に湿った霧が流れ込み、空気が飽和状態になった時に形成されます。
核になる微生物などのまわりに、氷の表面を漂う水分が集まってたちまち成長し、その過程で塩分や海洋バクテリアもその中に取り込んでいきます。
氷の花は南極・北極両方で見られますが、詳しい生成過程はまだ明らかになっていません。

花の香りをかいでごらん
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研究生であるジェフ・ボウマンが、新しくできた氷の上に腹ばいになり、今回の探検の目的である氷の花のサンプルを収集しています。
彼は休暇の間、カヤックで急流下りをするのが趣味ですが、南極ではその急流下りの際に身に着けるゴアテックス製の完全防水のスーツを着用しています。
しかし摂氏マイナス12度以下の南極ではそのスーツも物の役には立ちません。
そのため彼は氷の中に出かけていく時は、その上にさらに防寒着を着込むことになります。
写真のように氷が見た目ほどの厚さが無い可能性がある場合、体を絶対に濡れないようにするための衣類を身に着けることは、命に関わる問題なのです。

でも、文字通り『身も凍る』体験
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一時間半以上、腹這いになったまま氷の中のサンプル収集を続けていたボウマンは、心身ともにくたびれきってしまいました。
それでも彼はこう言いました。
「さて、もう少し頑張りましょうか。」
「氷の中に入って、周囲にある氷の花のサンプルを掬い取って、全部持ち帰ることにしましょう。」

花の『栽培』に成功!
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ワシントン大学の研究室に戻ったボウマンと彼の同僚たちは、研究室の冷凍庫を使って氷の花の再現に成功しました。
今や、生命の謎のひとつが解(溶)けようとしています。

ホーム・スイート・マックマード
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ボウマンと彼の同僚たちは2011年、極地探検隊が海の氷を採取することを目的に、南極のマックマード基地を訪れました。
マックマード湾に面したこの場所は、気温が摂氏マイナス35度まで下がることがあります。

両極端
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こちらは2009年にボウマン達が北極で海氷の採集を行った時の写真。

表面ばかりでは
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極点における氷の採集は表面の氷を集めるわけではありません。
何十センチも氷を掘り下げていき、その下にある氷をドリルを使って採集するのは、本当に骨の折れる仕事なのです。
しかしその苦労が実り、彼らはこれ程の極寒の中でも微生物が生存していることを確認したのです。

まる一日がかりの仕事
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研究者たちは採集した海氷を溶かし、フィルタを使ってバクテリアを採取します。フィルタはそのまま、ワシントン大学の研究室へと送られるのです。
写真はボウマンと採集した氷柱です。

http://www.ouramazingplanet.com/4038-polar-research-image-gallery.html





 

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