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【 複数の原子炉、同時メルトダウン 】&写真集【 犬たちの肖像 】

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所要時間 約 11分

原子炉の数が多ければ多いほど、「危険な」原子力発電所になる!

マシュー・ワルド / ニューヨークタイムズ 1月22日

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2011年に発生した福島第一原発の事故は、地震、洪水、その他の大災害が発生した際には、複数の原子炉が一度にメルトダウンし、発電所側は同時にそれらに対処しなければならなく可能性がある事を、アメリカの原子力産業界と規制当局に対し警鐘を鳴らす結果となりました。
現在アメリカの関係各当局は、この課題を解決するための作業に取り組んでいます。

福島第一原発の事故では3基の原子炉が同時にメルトダウンしましたが、原子力発電に批判的なあるグループが、アメリカ原子力規制委員会の高い地位にあるアナリストが、福島の事故が発生する4年前の2007年7月、すでにこうした事故が起きる可能性について言及していた文書が存在することを突き止めました。
この文書はさらに2008年8月、原子力規制委員会がその可能性がある事を公式に認めたことを証明していました。

しかし実際に福島第一原発の事故が発生するまで、アメリカの原子力産業界はこれといった対策も行いませんでした。

アメリカの憂慮する科学者連盟の原子力の専門家であるデイヴ・ロックバウムは、この問題について別の事実を例に挙げました。
スペースシャトル・コロンビアが帰還のため大気圏に再突入後空中分解を起こし、乗組員全員が犠牲となった事故で、コロンビアが軌道を周回している間、機体が損傷しているのではないかと疑う技術者が居たにも関わらず、NASAの幹部が仮に問題が発見されても出来ることはほとんどないとする立場から、調査を制限した事例です。

複数の原子炉が同時にメルトダウンを起こすことに備えることは、「事前の警告により、その心構えをする」よりも、「事前の警告により、それを防ぐための仕組みを作る」ことの方が効果的であると彼は考えています。

この警告は今となっては、予言めいたもののように聞こえるかもしれません。
しかし当時、「起こり得る事故」について述べていたものなのです。
すなわち、それ自身は極めて堅牢な作りを持っており、しかもそれぞれ独立している複数の装置が、何か一つのことがきっかけになって同時に作動しなくなる可能性について、検証するよう求めていました。
危機管理の専門家であるリチャード・シェリー氏は、地震や洪水は、通常使用している電源と非常用電源、その両方を一度に破壊してしまう可能性があると書いていたのです。

シェリー氏は福島第一原発で実際に発生した「発電所内全交流電源喪失(station blackout または S.B.O.)」について、すでにその可能性を指摘していたのです。
シェリー氏は「発電所内全交流電源喪失」が一系統の電源だけに留まり、発電所内の職員が他の系統の電源(たとえば携帯用の非常用発電機)を使ってディーゼル・ポンプなどを作動させれば、その時必要な危機に対応できるという考え方に疑問を呈していました。
複数の原子炉がメルトダウンを起こした場合には、現在の非常用設備だけでは対処しきれなくなるのではないかと考えていたのです。

アメリカ国内では、36か所の原子力発電所が、複数の原子炉を稼働させています。
いくつかの原子力発電所は3基を稼働させています。
そしてジョージア州オーガスタ(ゴルフのマスターズ・トーナメントの開催地)近くのヴォグトゥルでは稼働中の2基の原子炉に加え、新たに2基の原子炉が建設中です。

しかしもちろんまだ、「それみたことか!」と口にすべき事故は起きていません。
3基の原子炉がメルトダウンするなどという事故は福島で起きたことであり、アメリカ原子力規制委員会の管轄下では起きてはいません。
しかしロックバウム博士は、原子力規制委員会は安全性は確保されていると考えるのではなく、複数の原子炉の同時メルトダウンという問題が存在する、そのことを肝に銘じるべきだと指摘しました。

福島第一原発の事故の発生以前に、すでに複数の原子炉の同時メルトダウンという問題が提起されていましたが、原子力規制委員会の「標準的な安全基準」の中には未だに組み入れられていません。

ロックバウム博士と憂慮する科学者連盟は、過去にもこの問題について指摘を行ったことがあります。
原子力発電所の事故では、破片やがれきのために冷却水のポンプが詰まってしまう危険性があると指摘しましたが、15年間未解決のまま放置されています。

原子力規制委員会のスポークスマンであるスコット・バーネルは、2007年のメモの存在については別の見解を示しました。
彼は電子メールの中で、「複数の原子炉の同時メルトダウンという極めて小さな可能性」については、シェリー氏が初めてその指摘を行った訳では無く、原子力規制委員会もこの問題については検討を重ねてきており、その都度適切な情報分析を行ってきたと返答しました。

この回答にロックバウム博士は疑問を呈しました。
「もしシェリー氏が2007年に行った指摘を、原子力規制委員会がしっかりと受け止めていれば、今頃はどの原子力発電所も、複数の原子炉のメルトダウンに対する備えが万全になっていたはずです。」
彼はこう語りました。
「原子力規制委員会は本当に、シェリー氏の指摘を真剣に受け止めていたのでしょうか?だったらなぜ、同じ原子力発電所内に3基も4基も原子炉を作る事はきわめて危険なのだと、警鐘を鳴らさなかったのでしょうか?」

http://green.blogs.nytimes.com/2013/01/22/an-early-nuclear-warning-was-it-for-naught/
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アメリカ国内の原子力発電所では、同じ敷地内には普通、3基も4基も原子炉を建設したりしない。
この記事を読んで、改めてその事に気がつきました。

福島第一原発の原子炉の数が6基もあるというのは、世界の『常識』から言うと、きわめて異常、もっとはっきり言うならきわめて危険な構造だったのです。
ところが、日本国内の原子力発電所を見てみると…

いちいち書きませんが、日本の原子力発電所の場合、2基というのは『少ない方』なのではないでしょうか?
ただでさえ「世界で発生する巨大地震の20%が集中する日本の国土において、『安全な』原子力発電所の稼働の保証などありえない」(インデペンダント http://kobajun.chips.jp/?p=3811 )のに、同じ敷地内に3基も4基も原子炉がある原子力発電所は、世界の常識から見て「きわめて危険な構造」を持っていることなるのです。

下の写真集に話題を転じましょう。
ニューヨーカーの写真集を見て、その質の高さに正直舌を巻きました。
見た目がかわいい動物写真ならこれまでたくさん見て来ましたが、あたかもその内面まで(?)描き出したような写真をこれだけまとめて見るのは初めてです。
「これほどの肖像写真、人間の自分だって持ってはいない…」
思わずそうつぶやいてしまいました。

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写真集【 犬たちの肖像 】
その驚きのクオリティ

ザ・ニューヨーカー 2月13日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

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先週末、年に一度開催されるウェストミンスター・ケンネルクラブ・ドッグショウへの参加準備のため、何百という犬とその飼い主たちがベンシルヴアニア・ホテルに集まって来た時、写真家のランドン・ノードマンと彼のチームは、3日間の間スタジオに缶詰めになり、犬たちのポートレート写真を量産することになりました。

普段はニューヨーカーのために都会の写真を撮り続けているランドン・ノードマンは、決して動物写真に不慣れな訳ではありません。
実際、彼が初めてニューヨーカーに掲載した写真は、ある人物とコリー犬とのエピソードに基づくものでした。
ウェストミンスター・ケンネルクラブ・ドッグショウでの写真撮影も2010年、11年に続き、3度目という事になります。
昨年秋にはユーロ・ドッグ2012のイベントのため、ルーマニアを訪れています。

※ウェストミンスター・ケネルクラブ・ドッグショー
ウェストミンスター展とも呼ばれる。アメリカのウェストミンスターケネルクラブが主催し、ニューヨーク市マディソン・スクエア・ガーデンで行われる。出陳資格はチャンピオン犬であること。世界で初めてチャンピオン犬だけのドッグショーを行ったショーでもある。

それでは今週、彼が撮影した写真をご紹介しましょう。

冒頭の写真 : ポメラニアンのソフィア。

イビゾン・ハウンドのジャッキー(写真下・以下同じ)。
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雪が大好きなセントバーナードのラルフ。
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コリー犬のラッシー。同じ名前のテレビ・スターの10代目の子孫。
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ミニアチュア・ブル・テリアのキッド。2012年のベストブリード賞を獲得。
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1歳のアイルデール・テリアのジェイデン。
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ポインターのブラック・アルダー・ダシーネル・ハムレット。
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4歳のボーダーコリーのイジー。
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イングリッシュ・セッターのダズル。
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ブルドッグのヘイゼル。
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http://www.newyorker.com/online/blogs/photobooth/2013/02/slide-show-portraits-from-westminster-dog-show.html#slide_ss_0=1

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第137回ウェストミンスター・ケンネルクラブ・ドッグショウ

アメリカNBCニュース 2月13日

オールド・イングリッシュ・シープドッグのワッガー。
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テリヤ。
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ポメラニアン
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ベアデッド・コリー
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