星の金貨プロジェクト

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【 戦争される側から見た9.11後の世界 – 大義なき戦争が世界を滅ぼす】《前篇》

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所要時間 約 7分

国際テロの根本原因を解明しなかった人類は、一層愚かな選択を行った
増殖を続けるテロ集団と終わらない戦争、それを始めさせたのは大国の官制暴力
『テロとの国際社会の戦い』に対する反作用は12カ国でテロ事件を誘発、数えきれない一般市民の犠牲者を作りだした

ラミ・G・ホーリ / アルジャジーラ 2016年9月11日

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テロリズムはそれ自体忌むべきものです。
しかし人々や政府機関がこの問題に対処しなければならない時、理性や計算を忘れ、暴力に対抗するには暴力しかないと結論した挙句、テロや戦争を拡大し恒久化させるようなことがあれば、事態はなお一層悲劇的なものになってしまいます。
しかしアルカイダによるアメリカへの攻撃・9.11同時多発テロの発生から15年が過ぎた今、それは間違いなく現実のものになってしまいました。

2001年9月11日、私はボストンにいましたが、今週再びボストンに滞在しています。
ボストン市民のあいだには、奇妙な組み合わせによる複雑なムードが漂っています。
軍国主義的な勝利主義、混沌とした政治状況、そして新たなテロ発生に対する恐怖です。
国内での世論調査の結果、アメリカ国民の5割が新たなテロ発生に対し懸念を抱いていることが明らかになりました。

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2001年の同時多発テロは、この地球上の人類のバランスシートを概ねネガティヴで恐怖に彩られたものに変えてしまったことは、もはや疑いようのない事実のようです。

2001年同時多発テロ以降のアメリカの行動記録を検証すると、ひとつの到達点が見えてきます。

9/11からテロリズムに対するアメリカの行動のチェックは、1つの非常に大きい業績を登録します: 米国、そして世界各国はテロ防止対策を徹底的に強化し、2001年以降アメリカ本土におけるアルカイダ、あるいはISIL(別名ISIS)による組織的テロ攻撃は発生していません。

▽ ネガティヴなバランスシート

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しかしそれ以外の状況は悪化しました。

テロを生み出す土壌と政治状況が悪化する一方、アラブの地の中心部におけるアルカイダとISIL(別名ISIS)のテロの遂行能力と組織規模は、この15年間で確実に大きくなってきたのです。

アルカイダとISILに対する武力攻撃の内容と規模の拡大、そしてアジアからアラブに架けたイスラム社会における政治的抑圧と社会情勢の悪化が進めば進むほど、テロリスト達の勢力が拡大していくという皮肉な結果を生みました。

アメリカとその同盟諸国、西側各国からアジア、アラブの親米国家は過去20年間、テロリストたちに対し、お決まりの軍事作戦を秘密裏に進めてきましたが、アルカイダもISILもアラブの地から根絶やしにすることはできませんでした。

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事実、アメリカが主導する軍事攻撃『テロとの国際社会の戦い』に対する反作用は、12カ国においてテロ事件を誘発し、数千人に上る一般市民の犠牲者を作りだしました。

一時は追いつめられたアルカイダも今や息を吹き返したどころか勢力範囲を一層拡大させてしまい、さらに残虐なISIL(別名ISIS)を生みだし、まるでフランチャイズ・チェーンのように世界中に触手を広げ、各国で無差別テロを繰り返す一匹狼のテロリスト作りだしそのバックアップをしています。

2001年の同時テロを目の当たりにした私は、当時のアメリカの一般市民、そして政府関係者の反応がだいたい3通りに分かれていることに気がつきました。

アメリカ人の多くは、なぜアメリカがアルカイダが行なったような攻撃を受けることになったのか、その理由が解らずに混乱していました。
彼らは文献を検証するなどしてイスラム教を理解するための努力を重ね、なぜ一部のイスラム教徒が犯罪者と化したのか、理由を突き止めようとしました。

ブッシュイラク戦争
そしてアメリカはその手に持った巨大な軍事力をアフガニスタンに対し、最大規模で行使したのです。
さらにその18ヵ月後には、イラクに対し大規模な攻撃を仕掛けました。
それは、国際的なテロ行為に対する20世紀で最大規模の、そして最も長期に渡る軍事作戦に拡大しました。
なぜそこまで大規模な軍事作戦が必要だったのか、公平な立場のアナリストやオブザーバーによって解明されなければならないはずですが、それはアメリカ社会においても、アラブ社会においても、公の議論が行なわれた事はありません。

〈 後篇に続く 〉

※この稿の筆者であるラミ氏は、ベイルートのアメリカ大学のイッサム・ファレス研究所のシニア・フェローです。
http://www.aljazeera.com/indepth/opinion/2016/09/911-terror-militarism-war-fear-160911055050615.html
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やっと【星の金貨】オリジナルサイト( kobajun.chips.jp/ )のウィルス駆除が完了、グーグルに再審査を求めブラックリストから外してもらうことができました。
色々ご迷惑をおかけし、大変申し訳ございませんでした。
これで、パソコンの方は警告が出なくなったと思います。
当面は【星の金貨NEW】( kobajun.biz/ )と内容を同期させながら、掲載を続けてまいりますが、【星の金貨NEW】の方がセキュリティレベルが高くなっていますので、できればこちらをご利用ください。
これからもよろしくお願い致します。

私はビン・ラディンが「殺害」された時、なぜ逮捕・拘禁ではなく特殊部隊による射殺なのか釈然としませんでした。
法による秩序が否定されてしまったと感じたからです。
私たちが暮らす社会の平和は法によって秩序づけられているのか、それとも『力』によってそれがなされてしまうのか?
不幸に突き落とされる人を一人でも少なくするために、私たちはどちらをえらぶべきなのでしょうか?

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【 9月14日の報道写真から 】

アメリカNBCニュース 9月14日

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台湾南部に襲いかかった台風14号。14日の高雄市内。
9月15日、倒壊した高雄港のブリッジ・クレーン。(写真下・以下同じ)
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http://www.nbcnews.com/slideshow/typhoon-meranti-strikes-southern-taiwan-n648456

【 9年に及んだアメリカの『秘密軍事作戦』史上最大量の爆弾を落とされた国民は今 】

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所要時間 約 4分

ロイター/AP通信/米国NBC 2016年9月6日

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9年間、米国はラオスで秘密の軍事作戦を行いました。
その結果、ラオス国民は1人当たり史上最大量の爆弾を落とされることになったのです。

ベトナム戦争が続いていた間、アメリカ空軍が投下した爆弾を門柱代わりに使っている自宅に立つ女性。2016年9月3日。(写真上)
1964年から1973年まで、米国軍用機は2億7000万発のクラスター爆弾を当時共産主義国家であったラオスに投下しました。
ラオスで不発弾処理にあたっている政府機関によれば、そのうち実に3分の1が不発弾でした。
結局、ラオス国民はアメリカが行なった『秘密の戦争』により、一人あたり世界史上最大量の爆弾を投下された国民になったのです。

2016年9月3日ラオス、バンナピア、アメリカ軍が投下した爆弾を持って撮影に応じた43歳の女性。(写真下・以下同じ)
ラオスを訪問したオバマ大統領は、米軍の不発弾によって20,000人以上が死傷した事実を受け、これから3年に渡り9,000万ドル(約91億円)を追加援助すると約束しました。
「アメリカは第二次世界大戦中にドイツと日本に投下した以上の200万トンを超える爆弾をこの小さな国に投下したのです。」
オバマ大統領は現地でこう語りました。
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米国が投下した爆弾を半分に切って、プランターとして使われていた。2016年9月3日ラオス、バンナピア。
アメリカ軍によるラオス爆撃は北ベトナムに物資を供給していたホーチミン・ルートを破壊し、共産主義ゲリラを一掃する目的でCIAが計画し、実行されたものです。
その結果、ラオスには深刻な爪あとが残されることになりました。
所期の目的が達成できなくなったアメリカ軍は、ついには不要になった爆弾をラオス国内に大量に空からばらまいて捨てる行為までしてのけたのです。
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2016年9月3日ラオス、カチョ。廃棄物の中から金属を収集中、不発弾が爆発し両手を失った28歳の男性。
2008年に300人だった不発弾による死傷者は2015年には42人にまで減少した一方、子どもの犠牲者の割合は増加しています。
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2016年9月3日。回収されたアメリカ軍の爆弾の隣に座る仏僧の男性。
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2016年9月3日ラオス、バンナピア、米軍のが投下した爆弾の外殻を柱に使った自宅の前に立つ少年。
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2016年9月3日ラオス、ビエンチャン。不発弾によって足を失った人に提供するため、支援団体がストックしている義足。
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現在40歳のこの男性は、10歳の時に家族と農作業をしている時に左手を失いました。彼はシャベルで地面を掘っていたため、爆弾の存在に気づくのが遅くなってしまったのです。彼の母親は爆発当時の事を鮮明に記憶しています。
「爆発音がして驚いて駆けつけた私は、そこに息子が倒れているのを見ました。
近くにいた村の人が走って息子を近くの病院に担ぎ込んでくれましたが、手を切断するしかないと言われました。私はただ泣く以外、何もできませんでした。
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http://www.nbcnews.com/slideshow/u-s-bombs-scars-covert-war-still-raw-laos-n643386

【 問題は無くならない!5年が経ったフクシマ 】

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所要時間 約 9分

高濃度の汚染水で制御もままならない、世界史上2番目に最悪の原子力発電所事故の現場
345億円をかけた凍土遮水壁計画はすでに失敗に終わっている?

ジュリアン・ライオール / ドイチェ・ヴェレ(ドイツ国際放送) 2016年8月29日

福島IAEA
3月11日に襲った巨大地震によって引き起こされた巨大津波が重要な設備である原子炉冷却システムを破壊し、福島第一原発の3基の原子炉でメルトダウンが発生したことが日本の人々の記憶に刻まれてから5年5ヵ月の歳月が経過しました。
現場では大気中に放出された放射性物質を取り除き、原子炉の制御を取り戻そうとする作業が続けられています。

東京電力のプレス・リリースは、事故発生以来続けられてきた収束作業により、ゆっくりとではあるが確実に効果が現れていると主張しています。
しかし福島第一原発の事故以降停止している日本全国の原子力発電所を再稼働に対する支持を得るため、現場の回復が進んでいるという東京電力、そして原子力産業界の保証を日本の国民の誰もが受け入れたという訳ではありません。

「福島第一原発の現場には相互に関連する膨大な数の問題が存在します。中でも私たち日本人が直面する最も大きなものの一つに、敷地いっぱいに並べられた巨大な鋼鉄製のタンクにため込まれている高濃度汚染水の問題があります。」
京都に拠点を置く日本の反原発団体、グリーン・アクション・ジャパンのアイリーン・ミオコ-スミス氏がドイチェ・ヴェレの取材にこう答えました。
「福島第一原発の敷地内ではこれ以上の汚染水タンクのための敷地が無くなりつつありますが、高濃度汚染水が毎日増え続けている以上、東京電力はさらに多くの汚染水タンクを作り続けなければなりません。そして一部の溶接されていないタンクには、汚染水漏れ事故を繰り返してきたという記録が残されています。

凍土壁パイプ
▽『時を刻み続ける時限爆弾』

「福島第一原発の高濃度汚染水の実態は、カチカチ音を立てている時限爆弾のようなものです。しかし東京電力には今のところ、汚染水タンクをひたすら増設し続ける以外の選択肢は無い、そう見えます。」

環境グループは東京電力と日本の原子力事業を監督する立場にある原子力規制委員会に対し、このまま汚染水タンクの増設を続ければいつか福島第一原発の敷地がいっぱいになってしまった時点で、汚染水を太平洋に投棄せざるを得なくなることから、問題解決のための具体的方法を明らかにするよう求めています。
東京電力は8月初旬、それまでに福島第一原発の原子炉1、2、3、4号機のそれぞれの地下トレンチ(溝)から回収した汚染水が10,000トンに達したことを確認しました。
東京電力の担当者によれば、この他に各原子炉建屋とタービン建屋の地下からあふれ出した汚染水が約60,000トンあります。

「1号機と2号機、そして3号機の原子炉を冷却し続ける為に、毎日約100トンの水を注入しなければならず、汚染水が増え続けるのです。」
東京電力の担当者はドイチェ・ヴェレの取材にこう答えました。
「さらに一日あたり約150トンの地下水が、同じ場所に流れ込んでいることも確認しています。」

一部の汚染水については浄化装置を使って放射性物質を取り除く作業が行なわれていますが、発生する量があまりにも多いため、浄化処理作業はまったく追いつくことがてきないため、汚染水タンクの増設を続けなければならない状況にあります。

原子力規制委員会に助言を行っている専門家たちは、これ以上の地下水の流れ込みを遮断するため1~4号機の周囲の地下に凍土壁を作る計画を発表しましたが、これすら現在うまくいっていません。


▽ 凍土壁計画の『挫折』

橘髙義典(きつたかよしのり)「地中に凍土壁を築いて地下水の流れ込みを遮断する計画は、すでに失敗しています。」
首都大学東京の建築材料学が専門研究分野である橘髙義典(きつたかよしのり)教授は報告書の中でこう述べています。

東電スポークスマンは、345億円をかけた凍土遮水壁計画が失敗に終わったという見解に反発しました。
「私たちは現在、計画されている凍土壁全体を凍結させるプロセスの途上にあります。私たちが最初に着手したのは、海に最も近い部分です。そこから順次陸地に近い周辺部分に移動していますが、水位を一定に保ちながら、原子炉建屋周辺の一定の範囲内から汚染水が他の場所に漏れ出さないように確認しながら作業を進めなければなりません。現在未だ凍結していない場所が7か所ありますが、凍土壁が完成すれば、この対策が有効であったことを確認できると思います。」

このような状況の進展については、日本のメディアも、そして2011年以降原発事故の影響に何らかの形で苦しんできた一般国民もほとんど関心を示していません。
これに対し別のニュースが注目されることになりました。

8月20日、厚生労働省は、福島第一原発の事故発生直後に現場で事故処理作業に従事し、白血病を発症した男性に補償を行うことになったことを認めました。
この男性は50代、氏名は公表されていませんが、2011年4月から2015年1月まで福島第一原発の事故現場で働き、この間放射線に被曝したことによりガンを発症しました。
昨年10月にも福島第一原発の元作業員が白血病を発症して補償を受けましたが、これとは別に5人が健康被害による補償を請求しており、厚生労働省は現在その内容を精査しています。

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▽『最善を尽くす』

東京電力のスポークスマンは、同社が事故収束・廃炉作業の最終プロセスである原子炉内にあるメルトダウンした核燃料デブリの取り出し作業に着手できるよう、最善の努力を続けていると語りました。
実際にこれまでこうした作業には手が付けられておらず、どれ程困難な作業になるか、どれ程長い時間がかかるのか、問題の規模はきわめて大きなままです。
「私たちは溶け落ちた核燃料、すなわち核燃料デブリを取り除くための技術の完成と、すべての事故収束・廃炉作業の完了とが同時に可能になるまで30年から40年の歳月が必要だろうと予測しています。」
東京電力の担当者がこう語りました。

こうした状況にもかかわらず、日本政府は現在、福島第一原発近くで暮らしていた住民たちに対し、環境中の放射線量は許容限度内に収まっているとした上で、避難している間の住宅手当並びに働くことが出来ないことに対する補償金も近々打ち切ることになると伝え、
実質的に帰還を強制する措置に出ています。

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「もう安全だなどと言われても、住民たち、特に子供たちを持つ家族の多くが元住んでいた場所にはもう戻りたくないと考えています。」
グリーン・アクション・ジャパンのアイリーン・ミオコ-スミス氏がこう語り、もうひとつの原因として日本の原子力行政に対する信頼性が欠如していることを指摘しました。
「住民たちはすべての筋書きが、2020年のオリンピック開催のために動いていると感じています。そして日本政府は東京オリンピックが開催される2020年までにすべてを正常な状態に戻すという国際的な公約を何としても果たさなければならない、その事をすべてに優先させていることはお見通しなのです。」

http://www.dw.com/en/problems-persist-at-japans-crippled-fukushima-nuclear-reactors/a-19510555

【『中国の脅威』と日本の記録的金額の防衛予算 】

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所要時間 約 9分

防衛省、中国の海洋活動と北朝鮮の核兵器開発計画に対抗、5兆1,700億円の年度予算を要求
安部首相の下、日本の軍事費は5年連続で増加 - ステルス6機で950億円ほか

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2016年8月31日

自衛隊海兵
日本の防衛省は、東シナ海で領有権を巡る紛争の原因となっている尖閣諸島の周囲で中国が軍事活動を活発化させている状況に対応するためとして、記録的金額の予算を要求しました。

防衛省は2017年の年度予算として5兆1,700億円を要求しました。
前年度の予算と比較して2.3%の増加、日本の安倍晋三首相が中国の海軍活動と北朝鮮の核兵器開発に対処するため日本の軍事力を強化すると誓って2012年末に権力を握って以来、日本の軍事費は5年連続で増加を続けています。

最新の概算要求は、防衛政策の焦点がロシアに接する北海道の北にある海上の国境から離れ、九州から台湾へと約1,400キロにわたってつながる南西諸島へと移される政策が継続して行われた結果です。
かつての冷戦時代、日本にとっての最大の脅威はソビエト連邦の軍隊だとされていました。

防衛省の今回の予算の購入弊社品目リストの中で多くを占めるのが、東シナ海で日本が実効支配するものの中国も領有権を主張している尖閣列島を含め、中国の潜在的脅威が大きくなっている東シナ海での軍事衝突を想定した装備です。

自衛隊行進
戦略の中心にあるのが、アメリカ海兵隊に倣った水陸両用戦闘部隊の創設です。
これは尖閣諸島(中国側名称釣魚列島)に対する侵略にいち早く対応することを目的としています。
もうひとつ多額の予算を必要とするのが、1兆円を超える経費を投入するアメリカ製の地対空ミサイル・パトリオットを改良したPAC-3ミサイルシステムのアップグレードです。
北朝鮮による核攻撃や通常兵器による攻撃、いずれにも最後の防衛線として設定されています。

ミサイル防衛システムについて日本政府の危機感が大きくなっている背景には、潜水艦発射型も含めた北朝鮮の弾道ミサイル技術が確実に進化し、日本の国土に着弾させることが可能になっているという認識があります。

アップグレードは領空内に入ってくるミサイルを目標とする補足範囲とPAC-3の能力を劇的に強化します。
尖閣諸島を囲む海域は豊かな漁業資源、そして海底には巨大な油田と天然ガス田があるとされています。
尖閣諸島は現在日本が実効排していますが、ここ数か月領海につながる接続水域に対し、中国籍の船舶の侵入が繰り返されています。
防衛省の幹部はこの尖閣諸島の防衛・哨戒能力を高めるため、950億円をかけて6機のロッキード・マーティンF-35ステルス戦闘機を、そして900億円をかけ4機のベル-ボーイングV-22オスプレイ垂直離着陸機と6機のボーイング・チヌーク・ツインローター・ヘリコプターを購入したいと考えています。

核ミサイル
尖閣諸島の領有権について話し合いの場を設けるよう要求する中国に対し、日本側は交渉の余地は無いと拒否を続けていますが、この間の2016年4月~6月までの間、中国機による領空侵犯に対する自衛隊の戦闘機による緊急出動は記録的な回数に上りました。
8月には日本の岸田外務大臣が在日中国大使を呼び出し、尖閣諸島周辺での中国船舶の領海侵犯の活発化が日中関係を「著しく悪化」させていると抗議しました。

一方同じ8月末、岸田外務大臣と中国の王外務大臣が会談し、尖閣諸島周辺での衝突が偶発的戦闘に急発展する事故を誘発しないよう、常にコミュニケーションできる通信手段を確保しなければならないという認識で一致しました。
「我々は両国が努力し、海上での偶発的衝突を避けるため、状況をしっかりと制御下に置かなければならないという認識で一致しました。」
中国の王外相は、東京で開催された日中韓外相会談の席上、記者団にこう語りました。

戦後日本の軍事行動に対して課された制約が不当で時代遅れだと考えている一団の保守的タカ派の政治家を代表する存在として、安倍首相は海外紛争の現場など日本の自衛隊が参加できる場所で国際的に大きな役割を演ずることを望んでいます。
2015年の夏、安倍首相が率いる与党連合は、日本が集団的自衛権を行使し、自衛隊がアメリカを始めとする同盟国の軍隊を援護する軍事行動を可能にする安全保障関連法案を可決成立させました。
これは国際紛争の解決手段として戦争を放棄している現在の憲法を解釈変更に基づくものであり、第二次世界大戦(太平洋戦争)以降初めてのことであり、国内が二分するほどの論争の的となりました。

憲法解釈変更 7
この法律によって自衛隊は幅広い軍事行動が可能になったにもかかわらず、安倍首相の最終目的は飽くまで憲法第9条の廃止にあるとする見方が有力です。
第二次世界大戦(太平洋戦争)直後、アメリカの占領下で制定された憲法第9条は、日本の軍隊の役割を専守防衛に限定しています。

https://www.theguardian.com/world/2016/aug/31/japan-defence-ministry-record-budget-counter-chinese-north-korea-nuclear-threat
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日本が何か差し迫った状況にある訳でもないのに、安倍首相はなぜ海外の紛争地に自衛隊を送りたがっているのでしょうか?
あえて現場の部隊を危機的状況に置くことにより、『もっと装備を充実させることが必要だ!』と主張するためだと私は考えています。
ではなぜ国内の福祉予算等を抑えてまで、公共事業と軍備への支出を増やし続けるのでしょうか?
かつて田中角栄首相が『日本列島改造論』を大鼓吹した結果、日本国内の建設業者の数が異常に多くなり、改造論が潰えた後も仕事を求めて圧力団体化し、高額な公共工事が次々と作りださざるを得ない状況にあると指摘した識者がいました。
その軍事版の圧力団体が軍産複合体です。
キューバ危機を平和裏に収束『させてしまった』ケネディ大統領に、当時のアメリカの軍産複合体が激怒したというのは有名な話です。
真相は不明のままですが、その後に起きたのがケネディ大統領の暗殺事件でした。

イスラム世界の紛争に他宗教社会は決して手を出してはならない、すなわち軍事介入すべきでないという指摘をした識者がいました。
現地の状況を徹底的に解析すれば、軍事介入以外に手段がないという解答は稀なのではないでしょうか?

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【 ロンドンの大火350周年 】

アメリカNBCニュース 9月5日

ロンドンの大火01
テムズ川の川面に浮かべられた17世紀当時のロンドンの街並みを再現する長さ約120メートルの模型に、2016年9月4日火がつけられました。
この模型は1666年に発生したロンドンの大火を記念するためにロンドン市内の若い失業者たちが雇用され、アメリカのアーティスト・デイビッド・ベストの設計に基づき数か月かけて制作されたものです。
火がつけられた木製の模型は当時の大火さながらに、完全に燃え落ちました。

ロンドンの大火02
大火事は1666年9月2日未明、リン・レーンのパン屋の店から出火し瞬く間に旧市街の木造建築物に燃え広がりました。
火事は遠くローマ時代に建設された壁の内側の旧市街を荒れ狂いましたが、驚くべきことに死者の数は6名に留まったと記録されています。
古い時代の中世紀のセントポール大聖堂はこの火災によって完全に破壊され、現在残っているのは建築家クリストファー・レンがデザインし、再建された建物です。


http://www.nbcnews.com/news/photo/anniversary-great-fire-london-marked-n642901

【 福島第一・巨額の税金をつぎ込んだ賭けの結果は 】《3》

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所要時間 約 8分

永続的な解決手段が求められているのに、なぜ複雑な分脆弱性が高い方法がとられるのか?
福島第一原発の敷地を埋め尽くす程溜まってしまった汚染水は、どうやって処分するのか?

マーティン・ファクラー / ニューヨークタイムズ 2016年8月27日

汚染水タンク2016
凍土遮水壁が汚染水を逆流させる恐れがあることについて原子力規制委員会は鹿島に対し、原子炉建屋の山側に6カ所の『水門』を設け、原子炉建屋内の汚染水がほとんど無くなるまで開けたままにしておくよう指示しました。

8月東京電力は原子力発電に対し、海側に計画していた凍土遮水壁が99%完成したと報告しました。
残り1%を凍結できなかったことについて、半世紀前原子力発電所を建設した際に地中に残されたがれきや砂を含む数か所を凍結させることが出来ず、その部分で地下水が急流となってしまい凍結が出来ない状況にあると説明しました。
この数か所の凍土壁の『穴』について、東京電力の山岸広報担当官は速乾性のセメントを使って埋める作業を試みたと語りました。
「徐々に温度が下がり始めたことが確認できました。」

02 Spiegel
たとえセメントによって遮水性能が向上したとしても、計画そのものの有効性を疑っている人々はどれだけの期間凍結を維持できるか疑問を持っています。
そしてこうした凍土策は、建設現場などでは通常一時的なものと用いられているだけだと指摘します。
パイプを冷却するために使われる冷媒塩液(ブライン)は腐食性が強く、いずれ配管系統の破壊や漏出事故が発生する可能性があるとも危惧しています。

大きな地震に襲われた場合には再び電源喪失の事態に見舞われる可能性があり、さらには非常に放射線量の高いという悪条件の下で正常な機能を維持し続けることが出来るかどうかは現時点で不明です。

NRC Barett
「永続的な解決手段が求められているのに、なぜ複雑な分脆弱性が高い方法で壁を作らなければならないのでしょうか?」
民主党政権下で建設大臣を務めた馬淵澄夫氏がこう語りました。
彼は汚染水問題について、スラリーウォール(9.11テロ攻撃の際破壊されずに残った)の建造とトレンチ内には液体コンクリートを充填する一般的工法の採用を求めてきました。

これに対し凍土壁建設の現場で指揮を執る鹿島のエンジニアである阿部勲氏は、パイプが腐食したことが解ればその交換を簡単にできる方法を採用しており、それによって耐久性を高めることが可能だと語りました。
さらに阿部氏は埋め込まれたパイプはノーパンクタイヤと同じ自動修復方式を採用しており、地震によって損傷した場合にはそこに流れ込んだ水を直ちに凍結させることにより、遮水壁の密閉性が保たれることになっていると語りました。
そして電源が喪失する事態に陥っても遮水壁が溶け出すまでには何ヵ月も時間がかかり、技術者が対応策をとるための充分な時間が確保されるはずだと語りました。

調査・原子力規制委員会
安部首相は凍土壁の機能が完全になるのは2021年を予定していると語り、原子炉建屋の損傷と修理のため東京電力にさらに5年間の時間的猶予を与えました。
しかしこの見解に対しては疑問を持つ人々も多く、とてもその時間内での実現は不可能だと考えています。
安部首相自身も凍土遮水壁の建造は、莫大な規模になってしまった汚染水問題を解決するために必要ないくつもの対策の中のひとつの方法に過ぎないことを認めています。

鹿島も凍土遮水壁を建造する前に、昨年太平洋側に従来型工法により福島第一原発の敷地を囲う鋼鉄製の壁を地中に建設しました。
東京電力はこの鋼鉄製の壁の建造により、すでにかなりの量の汚染水の漏出を止めることが出来たと語っています。

しかし複数の科学者は、福島第一原発から漏れ出した汚染水はすでに地層の奥深くまで浸透し、太平洋の沖合で海洋に噴出している可能性があると語っています。
科学者たちはすべての汚染水の漏出を断ち切る唯一の方法は、原子炉建屋すべてを徹底的に修理することだと指摘しました。

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そして遮水凍土壁が設計通りの機能を発揮しても、東京電力にはこれまで福島第一原発の敷地内にたまった膨大な量の汚染水をどう処分するのかという問題が残ります。
東京電力はこの汚染水から1種類を別にしてすべての放射性物質を取り除くことが出来るフィルタ・システムを設備しました。
除去できないのは放射性水素、いわゆるトリチウムです。

日本政府も東京電力もこの処分方法について具体的なプランはまだありません。
希釈した上で太平洋に直接投棄するというプランは地元の漁業関係者が反対しており、国際社会からも批判を浴びる危険性があります。

今のところ、地中の凍結が始まったらしいという事を目で実際に確認できるのは、地中まで伸びているパイプの地上部分の表面に氷の粒が出来始めている事だけです。
そして1か所では、4号機の新たな原子炉建屋が姿を現しました。
津波が残した巨大な爪あとが確認できる6階建ての巨大な立方体の建物です。

4号機01
「水は私の足の下の地下3メートルほどの場所を流れています。」
白い防護服とマスク、そしてゴーグルで身を護る東電原子力・立地本部の岡村祐一本部長代理がパイプのそばに立ち、こう語りました。
「目には見えませんが、水は止まることなく流れ込み続けているのです。」

〈 完 〉
http://www.nytimes.com/2016/08/30/science/fukushima-daiichi-nuclear-plant-cleanup-ice-wall.html?rref=collection%2Ftimestopic%2FJapan&action=click&contentCollection=world®ion=stream&module=stream_unit&version=latest&contentPlacement=1&pgtype=collection&_r=0
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【 2016年8月の宇宙写真 】《2》

アメリカNBCニュース 2016年8月31日

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8月19日NASAの宇宙飛行士ジェフ・ウイリアムスとケイト・ロビンスは5時間58分間の宇宙空間での作業をこなし、国際宇宙ステーションに新しいドッキング・アダプターを設置することに成功しました。このアダプターは、将来ボーイング社とスペースX社の宇宙船から乗員を乗り組ませるために使用されます。(写真上)

8月19日NASAの宇宙飛行士ジェフ・ウイリアムスがツィートに添付して公開した満月の写真。(写真下・以下同じ)
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8月25日ジェフ・ウイリアムスがツィートに添付して公開したユタのグレンキャニオン国立レクリエーション・エリアの写真。
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8月13日にイタリアのアルプス山脈にあるバグヌール・アルペン避難小屋の背景の空に広がるペルセウス座流星群の星の軌跡。長時間露出撮影。
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http://www.nbcnews.com/slideshow/month-space-august-2016-n640836

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ほんとうの「今」を知りたくて、アメリカCNN、NBC、ABC、CBS、英国BBC、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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