星の金貨プロジェクト

星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

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2001年9月11日 – 2011年5月1日

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所要時間 約 4分

5月2日のアメリカのABC、NBC、CNNなどのニュースはすべて、ウサマ・ビン・ラディン容疑者殺害のニュースで終始していました。街頭の様子を取材中のマイクには、群衆があげる歓声の凄まじい音圧がかかり、放送中の音声レベルが少しおかしくなってしまう程でした。

アメリカ合衆国 1940発行 ポニー・エクスプレス

アメリカ合衆国 1940発行 ポニー・エクスプレス

2001年9月11日、世界貿易センタービルに乗客を乗せたままの旅客機2機が体当たりし、ビルを倒壊させ、3,000人近い犠牲者を出した『アメリカ同時多発テロ事件』。その手口の残酷さ、結果の重大さにおいて前例を見ないテロ。何の罪も無い人々があらゆる残虐な方法で殺され、それらの人々がどれほどの恐怖を味わされ、そして本人はもちろん、たくさんの遺族の方々が絶望の縁に追い込まれてしまったかを考えるとき、ウサマ・ビン・ラディンは確かに「裁かれるべき」犯罪者でした。
しかし、ビン・ラディンは公の場で裁かれる事無く、殺され、そして海底へと消えて行きました。
今日はその事の是非は論じません。
ビン・ラディンは大量殺人を計画・実行し、そして10年後に殺されました。

しかし、ビン・ラディンを公判の場に引き出す事ができたなら、世界中に散らばっている事と考えられるアルカイダの組織をあぶり出す事ができたかもしれません。
各局のニュースでは『アメリカ同時多発テロ事件によって、アメリカ人が受けた心の傷は容易に癒えるものではない』と論評していましたが、であればなおさら事件の結末は、ビン・ラディン個人の抹殺で終わるのではなく、国際テロ組織アルカイダの壊滅で終わって欲しいと思います。
ここ数年の間にも、アメリカ国内では何度か大規模なテロ事件が未然に摘発されていたようですが、そうした事件が発覚するという事は、事件を画策する人間がいるという事です。
もっと問題なのは実行犯に志願する人間がいる、という事でしょう。
アルカイダの『リクルーター』は貧困に喘ぐ人々の中からテロ実行犯を育て上げ、殺人機械を作り上げます。そして殺人機械となった彼・彼女は『自爆』に多数の人々を巻き込む、という手法でテロを実行します。
始めから終わりまで人間性のかけらも無い行為の繰り返しです。
彼らはこれを『ジハード(聖戦)』と呼びます。
しかし『世界宗教』のひとつであるイスラム教が「無差別大量殺人」を聖戦とするはずが無いのです。事実、イスラム教の骨子は「社会に公正を実現し、ムスリム同士が相互に扶助し、生活において品行を保ち、欲望を抑制して、イスラームの教えにのっとって、あるべき社会の秩序を実現させようとするもの」であるとされます。そして「イスラム教では、無実の者を殺害することは一切禁じられており、クルアーン(コーラン)にも厳しく書かれている」とさます - Wikipedia - 。

アルカイダはイスラムが生んだのではなく、犯罪指向者がイスラムを利用して生み出したものなのです。
いつもいわれる事ですが、こうした問題を解決する答えを、私たち自身が持つ必要があるのではないでしょうか。
イスラムに対する正しい知識、後進国における貧困や教育の問題に対する正しい理解。
そしてこれらを解決したいと願う気持ちを。

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誰のために、何のために?!

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所要時間 約 4分

今日はゴールデンウィーク後半、なかなか自分たちでは遠出ができない後期高齢者の両親を車に乗せ、妻とともに山形県の日本海方面へ足をのばしてきました。幸い今年の連休は好天に恵まれ、山形県庄内地方にある物産館などは本当にたくさんの人出でにぎわっていました。
震災前は魚好きの父親のために、休日には時々宮城県塩釜市の仲卸市場に連れて行く事がありました。豊富な種類の新鮮な魚が、どれも安く手に入る事を喜んでいましたが、塩釜港も津波で深刻な被害を受け、再開はしたものの仲卸市場も従前通りとは行っていないようです。
それに4月に桜を見に出かけた際に仙台市宮城野区蒲生、岡田地区などの惨状を見て、両親とも相当な精神的ショックを受けたため、塩釜方面は避けた方が良いと思い、思い切って庄内の物産館まで、日本海の魚を求めに行ってきました。

プラハの街 チェコスロヴァキア1978年発行

プラハの街 チェコスロヴァキア1978年発行

物産館以外にも静謐な鶴岡市内、月山付近の山岳道路あたりの残雪、東根市の農産物直売センターなどをまわり、久々に震災から少し離れた1日を過ごすことができました。

そして帰路。
山形自動車道~東北自動車道~仙台のルートがもっとも早いのですが、連休でどの高速道路も交通量が多いため、あえて高速を使わず国道48号線経由で帰宅しました。
奥羽山脈を越え仙台市に入り、青葉区愛子地区に入ったあたりから、反対車線で山形方面に向けて交通渋滞が発生していました。渋滞は長く、車の進行速度もきわめて遅く、なかなか前に進んでいません。
ほとんどはレジャーとおぼしき自家用車でしたが、中に『災害派遣』の文字を掲げた濃いオリーブ色の自衛隊車両が何台も混じっています。そのほとんどが兵員輸送の大型トラックでした。
「そうか、この人たちは今日も休まかったんだ。」
進行方向から陸上自衛隊神町駐屯地の所属と思われます。

震災発生以来毎日、神町駐屯地からは宮城県沿岸の被災地に遺体捜索、がれき撤去などのため自衛隊の方々が出動しています。津波が襲った被災地の中でも、宮城県沿岸は一面がれきと重油まじりのヘドロで覆われた地区が多く、作業も臭気も、実に大変だと聞きました。
早朝からその作業を行い、疲れ果てて駐屯地に戻るのに、今度は渋滞で思うように帰る事もままならない。
その大変さは、すでにかつての日常を取り戻しつつある自分などには想像もできないものだと思います。
1日遊んで帰ってきた事が、何だか申し訳なく思われました。
無言ながらかける言葉も思い浮かばず、心の中で深々と頭を下げました。

渋滞のため、遅々として前に進む事のできない自衛隊車両を見ながら、ふと思いました。
「この人たちに出動や連日の作業を命じた人たち、彼らは本当に現場の労苦を思いやっているのだろうか?」と。
でも、こう思い返したのです。
「命じられたからやっている、というよりは、この人たちは可能な限り被災地の人々を支えたいのだ。その思いが無ければ、こんな苦労を何日も何日も果てしなく続けられるはずが無い。」と。
そう思って、もう一度心の中で頭を下げたのです。

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いずれハゲタカとハイエナは必ずやってくる

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所要時間 約 5分

東日本大震災の当日から数日間、仙台港付近では近くにあるキリンビール仙台工場が津波で破壊されたため、たくさんの缶入り飲料などが散乱していました。それを拾い集めて自宅に持ち帰る人も多数いて、窃盗なのかどうか問題になりました。法的には窃盗だろうし、ほめられた行為ではなかったかもしれません。しかし、これらを「返却」されたところで、キリンビール側とすれば商品として販売する事はできませんし、廃棄物として処分するにも多額の費用がかかります。中身を飲んだ後、空き缶はリサイクル等きちんと処理してもらえれば、「今回に限り不問」というあたりが妥当なのかもしれません。

赤十字寄付金付切手 1962年 フランス発行

赤十字寄付金付切手 1962年 フランス発行

しかし破壊された店舗の中に入り、商品等を持ち出すのは明らかに窃盗です。震災後数日して仙台市内のコンビニなどでは、店舗のガラス一面に内側から新聞紙が貼られ、異様な光景となりました。夜中新聞紙の隙間から中をのぞく人間や、駐車場に車を止め24時間態勢で店の周囲を見張る経営者らしき人の姿などは、文字通り「世も末」という感想をいだかせる光景でした。
しかし、こんな人たちとは比較にならない『悪』が今、闇の中で目を光らせていることを私たちは警戒しなければなりません。

5月2日月曜日、4兆円を超える第一次補正予算が参議院を通過しました。
東日本大震災からの復興のためには、国などは東北地方に対し巨額の投資をせざるを得ません。
こうした巨額の金が動く時、必ずその場に現れる『悪』がいます。
折しもテレビでは、災害地の復興のため5月の連休を返上して稼働する企業について報道されました。
また、被災地に関わりを持つ企業の中には、業務再開にあたり、まず被災地への無償提供するための製品を製造する事にした所もあります。
しかし残念ながらこうした善意のスタンスとは正反対の考えを持つ人間がいます。
ある者は政商として現れ、ある者は復興・建設にあたり法外な報酬を求めたり、あるいははっきりと詐欺などの反社会性力として現れます。
復興の中心を担うのは各自治体になりますが、自治体の金の使い方についてはその「ユルさ」がこれまでも指摘されて来ました。加えて解決しなければならない案件は山のようにあり、加えて人手不足の問題もあります。その分『悪』がつけ込む隙は大きくならざるを得ません。警察などはもちろん目を光らせるでしょうが、動けるのは往々にして被害が発生してからになります。

こうした『悪』が被災地に入り込めないようにするのは、今度の震災で再確認された地域の「連帯」であり「絆」であるはずです。
私が子供時代を過ごした昭和30年代は、日本の街町はそれこそ無数の連帯によって形成されていました。
ある日小学校低学年だった私が住んでいた町を歩いていたとき、背広を来た知らない男性に道を尋ねられました。すると近くで立ち話をしていた主婦3人程が走り寄って来て、男性を詰問し始めました。
「あんたどこの人?!」
「この子に何の用なの?!」
折しも子供の誘拐事件が発生し日本中の話題となっていました。
主婦たちは男性が本当に道を尋ねているのだと納得すると、今度はうるさい程詳しく道順を説明し始めました。
このようなコミュニティでは、犯罪目的で子供に手を出せるものではありません。

これから被災地に流れ込むお金につられて、ハゲタカやハイエナのような人間が入り込んでくるかもしれません。
被災地の復興や被災地で苦しんでいる人々に渡るべきお金を、こうした人間たちに奪われないようにするために、私たちは「連帯」や「絆」の大切さを再認識していかなければなりません。

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「またか…」と、「まだか?!」

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所要時間 約 4分

そろそろ全国ニュースなどで東日本大震災が取り上げられると
「またか...」
と、被災地以外ではそう思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そうした思いをべつに責めるつもりで書いているのではありません。
被災地の真ん中にいても、毎日繰り返されるACのCMにはちょっと閉口しています。
地震とその被害が日本全国に及んでしまっては、日本の復興は何倍にも困難なものになってしまいます。

1984年フランス発行【解放40年】レジスタンスとノルマンディー上陸 ナチスドイツ占領下のフランスでは、女性を含め多くのフランス人が地下組織をつくり、「まだか?!」と、連合軍のヨーロッパ本土への上陸を待ちながら抵抗を続けた。1944年6月、ついに連合軍はノルマンディー上陸作戦を成功させるが、それまでに数多くのレジスタンスが命を落とした。

1984年フランス発行【解放40年】レジスタンスとノルマンディー上陸 ナチスドイツ占領下のフランスでは、女性を含め多くのフランス人が地下組織をつくり、「まだか?!」と、連合軍のヨーロッパ本土への上陸を待ちながら抵抗を続けた。1944年6月、ついに連合軍はノルマンディー上陸作戦を成功させるが、それまでに数多くのレジスタンスが命を落とした。

関東以西が健全に機能しているおかげで、東北の復興も早まることになります。
そのことは被災地の人間すべてがわかっていると思います。

ただ今回の大震災は東北に集中し、その被害は近代になってからの日本人が経験したことが無いのはもちろん、想像すらできないものだった為、被災地とそれ「以外」の地域のギャップも大きなものになってしまっています。
私は震災以来、私は新聞を読んで、デレビを見て、涙のにじまない日は1日もありませんでした。中でも津波で奥さんと息子さん2人ともを亡くしてしまった、名取市職員の男性について報じた新聞記事などは、内容を思い出すたび泣けてしょうがありませんでした。
しかし私個人がいくら涙を流したところで、それは私という一個の人間の生理現象であって、被災地のすべての人が望んでいる復興には、何の役にも立ちません。
それでも、今回の報道を見るたび
「またか...」
と、涙と縁が切れません。

しかし、涙ばかり流していても何の貢献もできません。
「自分も何かしなければならない」と、気ばかり焦ります。
被災した友人のもとを見舞って、足りないもの、手に入らないものなどを届けたりしていますが、宮城県・岩手県・福島県沿岸部の方々の復興はまだ始まったばかりです。
福島県南部沿岸では原発の問題がある為、手を付けることすら許されません。
いっこうに先の見えない問題の解決について、
「まだか?!」
という思いを、毎日強くされているに違いありません。

ゴールデンウィークに入り、全国からボランティアの方々が続々と被災地に入って来られました。
ボランティアの方に、津波で泥まみれになった家を片付けていただいた被災者は、皆一様に涙を流して感謝していました。
世界のメディアが賞賛した「被災しても互いに思いやることを忘れない東北の人々」の心と、ボランティアに訪れた人々の善意がつながりました。

でも、選挙の時にまで『善意』を持ってはいけません。
政治家に対してはその資質とこれまでの履歴に対し、冷静な判断を下さなければなりません。
でないと、人々の善意を利用したり、踏みにじったりする人間を権力の座に送り込んでしまうことになります。

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ようこそ、5番、7番、8番へ

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所要時間 約 3分

『病膏肓(やまいこうこう)に入る』ということわざがありますが、クラシック音楽が趣味、と言い切る人は大体もうこの段階に入っている人が多いと思います。

ベートーヴェンホール落成 1959年西ドイツ発行

ベートーヴェンホール落成 1959年西ドイツ発行

この道の私の先輩はシューベルトの交響曲第9番『ザ・グレート』とプラームスのヴァイオリン協奏曲のレコード・CDは、発売されたものはすべて集める、というのが目標です。私が確認した時点ではシューベルトの方は8割、ブラームスの方は残すところあと2、3枚になっていて、日本でも有名なクラシック・レコード専門店から「おそらくアナタが日本一」という太鼓判を押されていました。それぞれ二百数十枚をコレクションしていました。
まあ、これなどは特殊中の特殊な人で、普通は音楽を楽しめばいいのです。
クラシック音楽にはじめて興味を持ち、ベートーヴェンの『運命』『田園』『合唱』やドヴォルザークの『新世界』などをしっかり聴いて、「クラシック音楽って、思ってたよりずっと迫力があって、面白いな ... 。さて、次は何を聴いたらいいんだろう?」ということになって、いよいよ『マニアへの道』への扉を開ける瞬間、あなたを待っているのがこれ、というのが今日のテーマです。
これ、とは
▼ ベートーヴェン交響曲第7番
▼ ドヴォルザーク交響曲第8番
▼ チャイコフスキー交響曲第5番
の3曲の交響曲です。
いずれも、
▽ 魅力的で一度聴いたら忘れないメロディーがふんだんに出てくる
▽ 全クラシック作品中でも一、二を争うエネルギッシュで、ど迫力の展開
▽ 華麗でドラマティックなエンディングで曲を締めくくる
などの特徴を持っています。
いわゆるクラシック音楽の醍醐味、というヤツを存分に堪能できる作品ばかり。
だいたい、この3曲を体験し終えたあたりで、
「クラシック音楽って、何とエキサイティングで、スケールが大きくて、感動的なんだ!」
ということを痛感するようになります。
気取ってる、とか、古くさい、とか、退屈、なんて言葉がまるで当たったいないことに開眼し、
「次は ?! 次は ?!」
ということになって、アクセル全開になっていきます。
この後出会うのが
シューベルト/交響曲第9番『ザ・グレート』
メンデルスゾーン/交響曲第3番『スコットランド』
シューマン/交響曲第3番『ライン』
ブラームス/交響曲第2番
ドヴォルザーク/チェロ協奏曲 ロ短調
ブルックナー/交響曲第4番『ロマンティック』
マーラー/交響曲第1番『巨人』
あたりになると思うのですが、その話はまたこの次に。

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