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【 信じられますか?安全!ニッポンのゲンパツ : 避難区域への帰還2015 】《後篇》

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所要時間 約 7分

事故発生以降、福島県内の子供たち、青少年の間で甲状腺ガンの発症割合が異常に高くなっていることを確認
土地が安全になったのなら、なぜそこで収穫した農産物の放射線量の検査をしなければならないのか?
政府機関に対する不信感は、町や村の再建を不可能にする程、住民の間に広くかつ抜き差しならぬものになっている

エコノミスト 10月24日

楢葉町帰還住民
かつて福島第一原発の周辺で暮らしていた約80,000の人々のうち、多くの人々がすでに別の場所で生活を再建しました。
帰還を果たした人々の多くは高齢にさしかかっています。
地元自治体では帰還する住民は多くても半分程度と見積もっており、特に放射線による健康被害が発生しやすい子供たちがいる家庭は、二度と戻らない可能性がある考えています。

人びとが放射線による被害を恐れる大きな理由は、日本政府と東京電力が公表している計測値に対する不信、そして放射性物質がもたらす本当の脅威です。

10月20日には、福島第一原発で事故収束作業にあたっていた作業員が、メルトダウンによる放射性物質の放出と関連性があるガンを発症したと公表されました。
これは福島第一原発の事故とガンの発症との因果関係が公式に認められた初めてのケースですが、最近行われた医療調査では福島第一原子力発電所の巨大事故が発生して以降、福島県内の子供たち、青少年の間で甲状腺ガンの発症割合が異常に高くなっていることが確認されています。

人類の敵
2011年に発生した福島第一原発の事故へのその後の対応のまずさは、日本の原子力関係諸機関に対する一般国民の信頼を大きく損ねることになりました。
2013年田村町都路地区の再開を当局が認めたとき、住民は帰還することの安全性に不信を露わにし、もっと徹底した除染作業を行うよう要求しました。

避難命令が解除されて1年後、川内村の遠藤町長は政府機関に対する不信感は、もはや村がかつての規模を取り戻すことは不可能な程住民の間に広く、かつ抜き差しならぬほどのものになっていると語りました。

彼は29年前に世界最悪の原子力発電所事故を引き起こしたウクライナのチェルノブイリ周辺地区を視察しました。
そこで目にしたまるで墓場のようないくつもの捨てられた町や村は、逆に川内村再建の彼の決意を一層強いものにしたと語ります。

しかし帰還を果たした人々もその多くが、彼らに対して示された保証を果たして信じていいものかどうか、未だに迷い続けています。

汚染02
たくさんの人がこんな疑問を持っています。
土地が安全になったのなら、なぜそこで獲れた農産物はいちいち放射線量の検査をしなければならないのか、と。

楢葉町には旧都路村や川内村には無い、もうひとつの希望の光があります。
この町は福島第一原発の事故収束・廃炉作業、そして3.11の巨大地震・津波の被害が比較的軽微に済んだ福島第二原子力発電所に関連する仕事の恩恵を受けることが出来ます。

もうひとつ、楢葉町の喫緊の課題は新しい街灯を設備することです。
そのための資金は日本政府から出される助成金によって賄われます。
街灯が整備されれば町は蘇ったように明るくなり、その分住民の帰還が進むものと松本町長は期待を寄せています。

NBC 6
しかしいまは、すでにある街灯もほとんど点いてはいません。
夜は暗闇が支配し、不気味な気配があたりを支配したままです。

〈 完 〉
http://www.economist.com/news/asia/21676828-lack-trust-authorities-hindering-resettlement-near-fukushima-back-nuclear-zone?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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【 眠っている難民の子供たち…あなたが感じるものは何ですか?】《前篇》

アメリカNBCニュース 11月5日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)
難民子供 1
カメラマンのマグナス・ウェンマンが、大量の中東難民が移動を続けている中、最も弱い立場の子供たちが眠る姿をカメラに収め、その背景にあるものを伝えています。

5歳のワラアはシリアの自宅に帰りたいと願っています。
アレッポの自宅には彼女自身の部屋がありました。
自分の部屋で眠る時、彼女は泣くことはありませんでした。
ここ難民キャンプでは、ワラアは毎晩泣いています。
ワラアは夜が来るのが恐ろしいのです。彼女の家も部屋も爆破してしまったのは夜間爆撃でした。(写真上)

5歳のラマールがバグダッドの自宅で暮らしていた時には、人形たちやたくさんのおもちゃに囲まれて暮らしていました。
でもたった一発の爆弾がすべてを変えてしまいました。
爆弾が投下された時、家族は買い物に出ていました。
家に帰ると、そこはもう住める状態ではありませんでした。
祖母のサラはトルコからゴムボートに乗ってらエーゲ海を渡り、やっとの思いでハンガリーとの国境にたどり着きました。
しかしその国境は閉じられ、ラマールたち家族は野宿を続けています。
森の中で寝るのは怖いし、寒いし、そして悲しい…ラマールがこう話しました。(写真下・以下同じ)

難民子供 2
アフマド、7歳(セルビア、ホルゴスにて)
眠っている間ですら、自由にはなれない場合があります。
恐怖体験の再現が子供たちを苦しめています。
シリアのイドリブで暮らしていたアフマドが家に帰ってきた瞬間、爆弾がさく裂しました。彼は爆発の際破片に頭を強打されましたが、幸い命を取り留めました。
しかし弟はそうではありませんでした。
アフマドの一家は数年間戦争と隣り合わせの暮らしを強いられてきました。
しかし家を破壊されてしまった以上、もう選択肢はありませんでした。
彼の一家は逃げ出すほかなくなりました。
逃避行が始まって16日目、今アフマドは閉鎖されたハンガリー国境に通じる高速道路の脇のアスファルトの上で眠っています。
これまで家族はバス待合所で、道路で、そして森で眠ったとアフマドの父が説明しました。

難民子供 4
http://www.nbcnews.com/news/world/fleeing-childrens-sleeping-portraits-haunt-n458111





 

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