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イギリスBBC放送 – 視点「考えうる東京電力の将来」(CLSAアジア太平洋マーケット)

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所要時間 約 6分

ちょうど福島原子力発電所の状態が流動的であるように、東京電力の財政的な見通しもそうなっています。
日本政府は、東京電力が原子力事故の被害者への補償を行うのを助けるための組織を作成する計画を発表しました。
ただし、この計画は法制化されるわけではなく、新しい組織の詳細についてはぎりぎり九つの要点に絞った、漠然とした枠組み以上のものではありません。これは与党民主党の中でも、どれほど多く論争があったかを証明するシグナルでもあります。
国会において検討されるときには、このプランははるかに大きい検証と、よりヒートアップした議論に直面するであろうことは明らかです。
このように東京電力の将来どうなるかは不透明ですが、いくつかのシナリオが現実化しそうな気配です。

シナリオ1 : 破綻
「容認できない」
東京電力は4,450万の需要家を持ち、その企業規模は日本の国内総生産の中で3番目の規模を持っています。
破綻すれば、東京電力はその地位を全て失ってしまう可能性があります。
したがって東京電力はこれまで通り管内に電力を供給するために、必要な燃料を確保し、支援を獲得するため奔走するでしょう。

シナリオ2 : 国有化
「あり得なくはない」
計画によれば、新体制の東京電力は優先株を発行する事により、(賠償のための)基金を設立する可能性があります。必要となりそうな金額のスケールを考えると、これは、事実上、会社が国有化されることを意味するかもしれません。
日本の政府はすでに東京電力の経営について監視を続けており、いったん公的資金が注入されることになれば、直接経営に関与することになる可能性もあります。これについてはほとんどの報道が、政府は国有化は避けたい意向の様である、と伝えています。


シナリオ3 : ゾンビ企業
「ありそうなシナリオ」
災害に関連するコストと原子力災害の補償のために、東京電力はおそらく何兆円もの新たな負債を抱え込む事になるでしょう。この金額は増大する燃料費を加えれば、東京電力は一年間に1兆円(122億ドル : 75億ポンド)の返済を迫られることになります。
東京電力は運転資金を確保する事はできるでしょうが、これだけの補償金の支払い義務を履行することは不可能です。
とりあえず現体制での経営が許されている間、会社が将来の利益にまでは手をつけずに返済するよう努力したとしても、数年間は黒字化の見通しが立たないでしょう。
つまるところ、返済義務を先延ばしする事は可能かもしれませんが、利益も配当も無い年が数年間続くだろう事は容易に想像できることです。

シナリオ4 : 抵抗
「未知数」
そしてあまり議論されていない事ですが、株主、債権者の利害から東京電力が抵抗姿勢を示す可能性もあります。
想定をはるかに超える天災によって引き起こされた事故による保証義務については、原子力事業者を免責する、という原子力関連法案のことです。
政府当局は今回の事例には当てはまらないとしましたが、法的な決定があった訳ではありません。
事故を起こした原子炉の設計が安全ガイドラインから外れたものである、と証明された訳でもなく、(原子力発電による)クリーン・エネルギー供給は間違いなく国の政策であったのです。
昨年には日本の経済産業省は2020年までに新たに9つの原子炉の建設を いました。同省は政府に対し、この件に関しては経済産業省の裁量に委ねるよう、求めてもいました。
長い目で見れば、福島第一原発とそれについて回る補償義務が構成する負の資産は、政府によって単に肩代わりされるだけである、という可能性もあります。

変わる国家、日本

すべてのエネルギー産業が変わろうとしています。
発電事業と売電事業の分離に関する議論が俎上に上り、原子力政策に発電所の周辺住民の意思が反映されるようになっています。
東電の将来についてどのような結論が導きだされるにしても、日本が検討しなければならない課題は山ほどあります。

※ペン・バワーズは東京を拠点に活動する、CLSAアジア太平洋マーケット(シンクタンク)のアナリストです。
ここに述べられた意見は、バワーズのものであり、特に記さない限りは、BBCによって提示するものではありません。
記事の内容は一般広報に基づいており、捜査機関、税務当局、法務機関等の資料に基づくものではありません。
この記事に根拠にしてのいかなる決断もすべきではありません。
必要な判断等は、その分野の専門家のアドバイスを得るなどの上、貴方自身の責任で行ってください。

今日の動画は本文とは直接関係ありません。
英国BBCは、アメリカABCやNBCと異なり、動画が添付されているとは限らないのです。
もっとも東電の動画は、もう......
そこで今日はNBC自身「めずらしい」と自画自賛の、最後のスペースシャトル・アトランティスの発射台までの準備の様子をご覧ください。
15台のカメラを使っての撮影だそうですが、こういうのは日本のニュースでは見れませんよね。
あのサンダーバードやSF映画よりずっと迫力があります! - 考えてみれば当たり前なんですが。

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