ホーム » エッセイ » 【 複数の原発再稼働を目論む日本政府 】
マーティン・ファクラー / ニューヨークタイムズ 4月13日
2012年夏に発生する可能性のある電力不足を回避するため、日本の野田内閣総理大臣は自らの政権が2基の原子炉の再稼働を目指し、国内でほとんどの原子炉が停止している状態を解消すべく動き出す、と13日金曜日に述べました。
野田首相は、昨年福島第一原発の冷却装置を破壊した規模の地震や津波が襲っても、安全性が確保できるかどうかのコンピュータ・シュミレーションによる検証が完了したとして、西日本にある大飯原発3号機、4号機の再稼働を行うことを宣言しました。
野田首相は現段階で大飯原子力発電所の2基の原子炉の再稼働を行っても安全は確保される、という難しい説得を福井県当局とその有権者に対して行う、という厳しい役割を果たさなければなりません。
福島第一原発の事故により生まれた、一般国民の原子力発電の安全性に対する懸念は、定期点検のため次々と停止している原子炉の再稼働を妨げる結果となっています。
現在日本国内で稼働中の商業用原子炉は一基だけですが、5月初旬にはこの原子炉も定期点検のため停止する予定です。
国内の電力のほぼ3分の1を供給する原子力発電所がすべて停止すれば電力不足に陥るのは明らかである上、原油価格などの資源価格の上昇がそのまま日本経済に危険をもたらすことになる、と日本の産業界は警告しています。
枝野経済産業大臣は人々のエアコンの利用が集中する夏場、電力不足に陥る危険性が最も高くなる、と13日金曜日に発言を行いました。
枝野大臣は大飯原子力発電所と他の原子力発電所が再稼働できなければ、関西電力の電気供給能力が昨年の夏の80%にとどまらざるを得ない、と語りました。
「私たちは非常に深刻な電力不足のリスクに、直面していると言わざるを得ない。」
枝野大臣は記者団にこう語りました。
枝野大臣は終末一杯をかけて福井県を訪れ、地元自治体などに大飯原子力発電所の再稼働を受け入れるよう説得して回る予定だと語りました。
枝野大臣は福島第一原発の事故を受け、原子力発電所の安全確保のため新しい運営基準の策定を求めている福井県知事や大飯町町長と会談する予定です。
先週野田内閣は新たな安全基準を採用しましたが、津波に対する防衛策を強化するなど、様々な対策に関する計画書を策定するよう各電力会社にも求めました。
有効な対策を施すためには数年間の時間がかかる、という苦情を前に、政府はとにかく新基準の策定を急ぐように各電力会社に要請しました。
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下記のニュースには国内報道を見ている私たち日本人には、とりたてて新しいところも無いように感じます。
フェアウィンズ(アメリカ)のアーニー・ガンダーセン氏がその著書の中で
「日本の原子力行政は、国民の安全を最下位においている。」
と指摘していますが、まさにその通りのことが記事になっているだけのように見えます。
しかし『枝野大臣は大飯原子力発電所と他の原子力発電所が再稼働できなければ』という部分に要注意です。
これによって現政権が目指すのが、大飯原子力発電所だけではなく複数の原子力発電所の再稼働であることが見てとれます。
一カ所強行突破すれば、その後は、なし崩しに…
この「いつもの手」を許しては、世界中のメディアの
「日本では3.11を機に、これまでとは全く異なる、下からの、市民からの民主主義が盛り上がり始めている」
というせっかくの評価が、「しょせん一時的なものだった」と台無しになってしまいます。
せっかくの「日本の民主主義の進歩」を後退させないためにも、発言と行動、そして関心を持ち続けましょう。
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【 スペースシャトル・ディスカバリー、ワシントンに着陸 】
アメリカNBCニュース 4月17日
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