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【 福島第一原発で今も続く事故、そして危険、その真実 】《最終回》

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所要時間 約 12分

事故現場から取り出した核燃料を持っていける場所など、どこにも無い!
もはや日本には、どのような解決手段も無くなってしまった…
『国外への運びだし』を、必死に模索する日本
[対談 : アーニー・ガンダーセン氏&ヘレン・カルディコット博士]

フェアウィンズ 9月20日


ガンダーセン : 高速増殖炉のもんじゅは事故を繰り返すばかりで、これまでにかかった費用は、巨額という表現すら愚かしい程の恐ろしい金額になっています。

日本は地震が多発する島国であり、あちこちに断層があるため、事故現場から高放射性核廃棄物を取り出したところで、どこにもおく場所が無いのです。
日本は現在、これをモンゴルなどの国外に運び出す事が出来ないか、検討しているのです。

カルディコット : それは本当ですか?!

ガンダーセン : モンゴルは賢明にも、そんなものは要らないと言っています。
もはや日本には、どのような解決手段も無くなってしまいました。
日本の当局は決して認めようとしませんが、地球上で最も地震が多発する岩盤上に存在する国、それが日本なのです。

この問題に答えを出せる人間など、この地上に存在しないのです。

カルディコット : 私の祖国であるオーストラリアに送ろうなどと、言い出す人間が決していませんように…


ガンダーセン : 日本人はとにかくこの高放射性核廃棄物を国外に持ち出したい、その一念だと私は確信しています。
なぜならこれまで私が話をした地震学者は、口を揃えてこう語っています。
地震が多発する日本の国土に、核廃棄物を「安全に」保管できる場所などどこにも無い。
この高放射性核廃棄物は最低でも数千年間、理想的には25万年もの間、「安全に」保管し続けなければならないのです。

カルディコット : まさに。
オーストラリアでは国土の真ん中を通って、核廃棄物を輸送するための線路を建設した会社があります。
ハリバートンという企業です。
ハリバートンのCEOが誰だかご存知ですね、アーニー?

ガンダーセン : ディック・チェイニー。

ディック・チェイニー


カルディコット : カルディコット : ディック・チェイニー(アメリカの政治家、実業家。ブッシュ大統領時代のアメリカ合衆国副大統領)、その通りです。
彼こそはオーストラリアにとって、不吉な存在です。
ハリバートン社の鉄道線路のすぐわきに、先住民族であるアボリジニの人々が儀式を行う、マケイディー・ステーションと呼ばれる場所がある事がわかりました。
この場所は浅い帯水層の上に位置し、この帯水層はオーストラリアの砂漠地帯に古くから水を供給してきた、グレートアティジアン盆地の水脈とつながっている可能性があります。
そしてこの場所こそ、ハリバートン社が核廃棄物の一時保管場所を、建設しようとしている場所なのです。
ここにアメリカとオーストラリア間で現在も続いていると見られる、『国際原子力発電パートナーシップ』という名の協約があります。
ジョージ・ブッシュ元アメリカ合衆国大統領とジョン・ハロルド元オーストラリア首相が署名し、これにより諸外国の核廃棄物のオーストラリアへの持ち込みが可能になりました。
この『諸外国』にはアメリカも含まれるものと考えられます。
そして日本もこの協約に入り込む可能性があるのです。
なぜなら日本の原子力発電所の核燃料、ウランはオーストラリアで産出されたものだからです。
現時点で、オーストラリアにとって良くない諸条件が整いつつあります。

再処理施設内の核廃棄物。英国。


ガンダーセン : これまで原子力発電を支持する人間たちが、核廃棄物の保管は『もちろん』安全に行われていると、人々に信じ込ませようとしてきたことをお話ししました。
彼らは25万年もの間、高放射性核廃棄物を安全に保管する方法を知っているのです?!
そして同じ人間たちが、太陽光発電では夜通し充分な電力を供給することは不可能だと主張しているのです。
笑うしかないでしょう?!
人間が高放射性核廃棄物を25万年間も安全に保管する技術を持っているなら、再生可能エネルギーによる発電を軌道に乗せ、太陽光発電によって得られた電気を夜間利用することなど、簡単確実にできるはずです。

カルディコット : 太陽熱反応炉が現在スペインで建設されています。そして液体塩、融解塩による発電装置が建設されている場所もあります。
ですから、飽くまで原子力発電を推進しようとする人間たちが指摘する、再生可能エネルギーの欠点は『furphy』、ファーフィ、オーストラリアのスラングで言うところの『作り話』でしかありません。
そして最後にこうつけ加えさせていただきましょう。
原子力産業界が『安全だ』『安全は確保されている』という言葉を口にしたら、私は必ず、核廃棄物の問題について、人類はもうお手上げなのだという事を思い出すようにします。
そうそうこれも言わせてください、検査によってすい臓がんが発見されたら、そま人の余命は概ね半年です。
しかし私は腕の良い医者です、私に任せなさい、私が治療法を見つけてあげます。(笑)

太陽熱反応炉


ガンダーセン : この場にお招きいただき、ありがとうございました、ヘレン。

カルディコット : 改めてお礼申し上げます、アーニー。
皆あなたに感謝しています。

カルディコット : 今日、『もし地球を愛するなら』にご出演いただいたのは、アメリカで30年間原子力工学に携わり、様々な場でアドバイザーとして活躍しておられるアーニー・ガンダーセン氏でした。
彼は最も人気のあるゲストです。
福島の現状について分析し、その将来を見通すのに、これ程適任の方は他にはいらっしゃいません。それはあなたが今日、お聴きになった通りです。

〈 完 〉

http://www.fairewinds.org/ja/content/ongoing-damage-and-danger-fukushima
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長い連載が終了しました。
最後までお読みいただいたみなさんに、翻訳の行き届か無い点が多々あったことにつき、お詫び申し上げます。

それにしても現在日本が、本当に容易ならない状況にあることが解りましたし、お分かりいただけたと思います。
アーニー・ガンダーセン氏とヘレン・カルディコット博士は、原子力発電に対する世界の良心を代表する存在として、福島第一原発の事故発生以来、あらゆる場で、あらゆる問題の存在について指摘を繰り返されてきました。
その指摘が、たとえば国内では京都大学の小出裕章氏のような方の指摘と重なるとき、私たちの胸に危機の本質が刻まれることになりました。

今回の連載でも度々指摘がありましたが、日本の政界、そして原子力産業界の『エイタブリッシュメント』の危機感の無さ、正しい認識の欠如は、それ自体が日本の危機だという事を痛感しました。

日本で原子力発電が開始されて40年以上が経っても、本当の意味での「最終処分」の手がかりさえつかめない高レベル放射性核廃棄物。
それを日本全土で作り続け、『世界有数の地震の巣』の上に大量に抱え込んでいる日本。
地震、大火災などが発生して対応を誤れば、たちまち破局を迎える環境で暮らしているのが、私たち日本人だという指摘は、『重い』などというありきたりの言葉では表現できない程深刻です。

「政権を奪還したら、再び全国の原子力発電所を再開するだけでなく、新規建設もどしどしやる。」
こんな考えを持っている政治家たちを、これ以上権力に近づけてしまったら、日本は太平洋戦争を上回るリスクを抱え込んでしまうことになるでしょう。
こんな考えを持つ政治家には一票たりとも票を入れさせない、その覚悟を固め、発信し、行動することの大切さを、今痛感しています。

第9回の掲載が、手違いにより時間がずれてしまったことをお詫び申し上げます。

なお、後日、10回分の要約版を作成し、後日を前篇・後篇ぐらいに分けて再掲載したいと考えています。
よろしくお願いします。

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【英国首相と蔵相が殴り合い! ただし『飼い猫』の…】

ピート・ジェリイ / アメリカNBCニュース 10月17日

(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)


英国デイビッド・キャメロン首相の飼い猫ラリーと、ジョージ・オズボーン財務大臣の飼い猫フレイアが、それぞれの官邸があるロンドンのダウニング街の路上で戦いました。

英国政府の首相と国の金庫番を務める財務大臣は、ダウニング街の隣り合った官邸で暮らしています。
首相は長年に渡り、彼の政府の金庫番が公正な男であることを認めてきました。

しかしそれぞれの官邸 – ダウニング街10番地と11番地として知られています – から飛び出してきた2匹の飼いネコどうしはそうはいきませんでした。
2匹は路上で出会うやいなや、派手にパンチの交換を始めたのです。

しかし勝負はあっけなくつき、ラリー(デイビッド・キャメロン首相の飼いネコ)は、フレイア(ジョージ・オズボーン首相の飼いネコ)からおもいきりのどを引っ掻かれました。
目撃者によればこの後ラリーは戦いをあきらめ、すばやく安全な我が家 – 首相官邸へと撤退して行きました。
どうやらこうした戦いでは、フレイアの方が一枚上手のようです。

ラリーはロンドン市内にある犬と猫のための動物避難所から2年ほど前にダウニング街10番地に連れて来られましたが、しばしば痛い目にあわされているようなのです。
ラリーはダウニング街10番地に潜り込もうとしたネズミを、少なくとも一匹はつかまえたことがあり、その方の腕前については誰もが認める所です。

しかし、彼のダウニング街10番地での暮らしは、順風満帆とは言えないようです。
テレビリポーターのせいで、鼻血を流したこともあります。

英国の政権にとって実に得難いこのPR写真の撮影に成功するまで、数か月もの努力を必要とした、とザ・ガーディアンが報じました。





 

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