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第56回世界報道写真コンテスト2013

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所要時間 約 11分

アメリカNBCニュース 2月15日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

[01]
スポーツ・アクション部門第1位 『パク・ジャウィ水牛競争』
ウェイ・セン・チェン(マレーシア)
JO01
騎手の足は水牛の胴体に装着されたハーネス(引き具)を踏みしめ、その手は尻尾を握りしめています。そしてその表情は、水田の中を駆け抜ける危険なレースを無事完走した安堵感と喜びで満たされています。
パク・ジャウィ水牛競争はコメの収穫期の後、村同士の間で勝敗が競われるインドネシアの行事で、毎年見る方も参加する方も夢中になります。
2012年2月12日、インドネシアの西スマトラで撮影。

[02]
日常生活部門第1位 『ミレッラ』(シリーズ作品)
ファウスト・ポダヴィーニ(イタリア)
JO02
彼のシリーズ作品『ミレッラ』の中の一点です。
ミレッラの夫ルイージは重度のアルツハイマーを患っています。
ルイージの病状は大変重いものですが、ミレッラは少しでも回復することを願い、自身何とか前向きになろうと努力をしながら毎日献身的な看護を行っています。
その姿には、夫への愛といたわりの真情があふれています。
健常者なら数分で出来ることも、痴呆に侵された人はものすごく時間がかかることがあり、そのことが周囲の人をいらだたせます。
ミレッラは71年間の彼女の人生の中、43年間をこの世でたった一人愛する人のために捧げ、数々の困難を乗り越えてきました。
その思い出はたくさんの笑いと感動的な出来事に満たされています。

しかし6年前、その生活は一変してしまいました。
彼女は今、その生活のすべてを夫への献身的な介護に捧げているのです。
2010年7月1日、ローマ市内で撮影。

[03]
速報ニュース部門第2位 『死に至る戦い』
ファビオ・ブッチャレッリ(イタリア)AFP通信社
JO03
自由シリア軍の兵士がアレッポ市内のスレイマン・ハラビ地区で、政府軍との戦闘のため、配置につこうとしています。
2012年10月10日撮影。

[04]
ニュース部門第3位 『津波の後の日本』
ダニエル・ベレフラク(オーストラリア)ゲッテイ・イメージ・ニュース・サービス
JO04
2012年3月7日、根こそぎにされた松の木の下半分が、陸前高田市の海岸に打ちあげられていました。
一年前、巨大地震が引き金となった津波が東北地方太平洋岸に襲いかかり、15,848名の命を奪い、3,305人が行方不明となり、この地では未だに苦しい生活がつついています。
数千の人々が仮設住宅暮らしを強いられたままです。
行政はこの地の経済と日常生活を取り戻すために、積み上がる廃棄物をどう処分するか、難しい課題に直面しています。

[05]
速報ニュース部門第2位 『尋問』
エミン・ウーズメン(トルコ)
JO05
シリアの反政府勢力の兵士たちは、夜になると政府軍への内通者の逮捕を行います。
この日逮捕された2人の容疑者は有罪を宣告され、夜を徹しての拷問を受けました。
拷問を行う方も疲れ切ってしまい、途中兵士が交代し、拷問は2013年1月31日に終わりました。
48時間後、捕えられていた2人は釈放されました。
シリア、アレッポ市内。

[06]
スポーツ・アクション部門第2位 『黄金の一突き』ロンドン・オリンピック、フェンシング
セルゲイ・イルニンスキー
JO06
ロンドン・オリンピックのフェンシング男子フォイルフルーレ決勝で、エジプト代表のアラーエルディン・アブエルカッセムがドイツ代表のペーター・ヨピッヒ相手に勝利を決めた瞬間。
何年間もかけてトレーニングを行い、数千回に及ぶ試合をこなした上で、出場者は数百回の勝利を積み重ねて初めてオリンピックの表彰台に立ち、金メダルを受け取ることが出来るのです。


[07]
肖像写真部門第2位
ステフェン・チョウ(マレーシア)スミソニアン・マガジン
JO07
中国の現代美術家アイ・ウェイウェイ(艾未未)の肖像写真。
2012年2月6日、北京にて撮影。

[08]
現代問題部門第1位『ピンク色の選択』
マイカ・エラン(ベトナム)
JO08
ベトナムのダナン市内で共同生活を始めて1年になる2人の女性が、放課後テレビを見ながらくつろいでいます。
ベトナム社会は伝統的に同性愛者に対し、厳しい目を向けてきました。
長年人権問題についての指摘と批難を受けてきたベトナムの共産党政権ですが、ここに来て同性愛婚に対して検討を始めており、もし法律的に認められればアジアで最初の例になります。

2012年8月にはベトナムでは初となる、同性愛者の存在を認めるように訴えるためのパレードが、ハノイ市内で行われました。

[09]
総合問題部門第1位
ミカ・アルバート(アメリカ合衆国)フリーランス・ドキュメント写真
JO09
ケニアのナイロビ市内、約100万人の人々が暮らすスラム街の近くにある広さ30エーカー(約12ヘクタール)のゴミ捨て場で、ごみを拾って生計を立てている一人の女性が、雨あがりのひと時、寸暇を惜しむようにして本に見入っています。
彼女は工場向けの部品カタログですら、見るのを楽しみにしています。
「来る日も来る日もごみをより分ける生活以外の世界が、本の中にはあるでしょう?!」

[10]
総合ニュース部門第1位 
ロドリーゴ・アブドゥ(アルゼンチン)AP通信社
JO10
写真の中で涙を流す女性アイーダは、2012年3月10日にイドリブ市内でシリア政府軍が行った砲撃により自宅を破壊され、重傷を負いました。
彼女の夫と2人の子供たちはこの砲撃で、致命的な重傷を負ってしまいました。

[11]
人々の肖像部門第3位
イローナ・シュワーク(ポーランド – アメリカ)レドュー・ピクチャーズ・フォト・エージェンシー
JO11
カイラという名の少女が、彼女そっくりの人形を抱き、祖先の肖像写真の前に立っています。
「アメリカン・ガール」という名の人形は、持ち主そっくりにカスタマイズできる人気商品です。
2012年2月19日マサチューセッツ州ボストン。

[12]
自然写真部門第1位『ロス海の皇帝ペンギン』
ポール・ニックレン(カナダ)ナショナル・ジオグラフィック
JO17
2011年11月18日、南極のロス海で泳ぐ皇帝ペンギンの群れを撮影した写真です。
いくら動物生理学が進歩しても、南極の氷が失われ、その生態系が破壊されていくのを座視していてはどんな意味もありません。
動物生理学の新たな研究結果により、皇帝ペンギンは羽の中にためた空気の泡をまき散らすことにより、通常の3倍のスピードで泳ぐことが出来ることを明らかにしました。
泡がペンギンの羽と冷たい海水の間の抵抗を減少させ、海中での加速を可能にしているのです。
ペンギンたちは時速30キロのスピードで泳ぎ、ヒョウアザラシの襲撃から身を守ったり、氷の上に飛び上がったりしているのです。

[13]
第56回国際報道写真賞大賞 
ポール・ハンセン
JO18
2012年11月20日パレスチナ、ガザ市内。
幼い子供たちの遺体が叔父たちに抱かれ、埋葬される前にモスクで埋葬のための儀式を行うため運ばれて行きます。
子どもたちの家はイスラエル軍のミサイル攻撃により破壊され、2歳のスハイーブ・ヒジャージーと3歳の兄、マホメットが死亡しました。
子どもたちの父親も死亡し、母親は集中治療室の中です。

http://www.nbcnews.com/id/50822547/displaymode/1247?beginSlide=1
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今日は毎日掲載している方の写真集の拡大版をもって、本日の掲載とさせていただきました。
一枚一枚の写真に、言葉では尽くせない程のドキュメンタリーが盛り込まれています。
NBCのサイトでは18点が紹介されていますので、興味をお持ちの方は上記のURLをクリックし、NBCのスライドショーをご覧ください。

個人的に一番感動したのは[2]、一番好きなのは[9]です。
いずれも暮らしていくのに厳しい環境の中、人間としての尊厳を失わない気高い姿に感動しました。

そして大賞の[13]、この時の報道は【星の金貨】でも昨年11月にお伝えしました。
(【 戦争とは何か?! そんなことも解らぬうち、殺されてしまったこどもたち 】 http://kobajun.chips.jp/?p=6399
戦争とは結局、無関係な子供たちの命まで、容赦なく奪っていくものなのだという事を如実に物語っています。
2歳や3歳の子供たちに無残な死に方をさせることに、いったいどんな意味があるのでしょうか?

この時のCNNが世界に向けた報道の事を思い出しました。
「暴力を止めさせるため、あなたが声を挙げてください!」( http://kobajun.chips.jp/?p=6399

そしてツイッターやフェイスブックでの発信を始め、世界中から膨大な数の抗議がイスラエル政府に向けられました。
イスラエル政府も自国の立場を擁護するため、ツイッターなどをフル活用しましたが、今度はアノニマス集団がイスラエル政府に対し『電子戦争』の宣戦布告を行う( http://kobajun.chips.jp/?p=6375 )など、インターネットの世界での反イスラエル「活動」は拡大の一途をたどりました。
ここにおいてついにイスラエル政府は戦争の継続を断念し、戦闘行為の停止に追い込まれたのです。





 

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ほんとうの「今」を知りたくて、アメリカCNN、NBC、ABC、CBS、英国BBC、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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