星の金貨プロジェクト

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【 2016年1月の日本の輸出実績、リーマンショック以降最大の落ち込みを記録 】

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所要時間 約 8分

輸出・輸入ともに減少という結果は、日本経済がこれから本格的な不況に落ち込むと予想する人々に、有力な論拠
減り続ける経済の再生に向けて日本政府が採りうる選択肢

ドイツ国際放送 2月18日

経済低迷
世界第3位の規模を持つ日本の経済状況を好転させるため、これまで政府は相次いで政策を打ち出してきました。
しかし中国と世界の主要市場からの重要が落ち込むなどし、日本の2016年1月の輸出実績はリーマンショック以降最大の落ち込みを記録しました。

日本経済は2015年10月以降4ヵ月連続で減少を記録し、2016年1月には対前年12.9%のマイナスを記録したことを、財務省の最新データ( http://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/gaiyo2016_01.pdf )が明らかにしました。
中でも対中国輸出は17.5%マイナスの8,600億円まで大幅な下落を記録し、世界第2位の規模を持つ経済がただでさえ不振が続いている世界経済に深刻な影響を与えていることが明らかになりました。
日本最大の取引相手への輸出低下は6ヵ月連続となりました。

証券02
「アジア本土、すなわち中国経済の成長の著しい鈍化による悪影響は、明らかに広がっています。さらに残念なことに、我々はその成長率の低下が下げ止まったという兆候を見出すことができずにいます。」HSBCのアジア経済共同調査責任者のフレデリック・ニューマンは顧客に対する分析報告書にこう記しました。

米国向けの輸出、5.3パーセントの低下、鉄鋼は44.2パーセント、自動車部品は13.5パーセント、それぞれ下落し、金額としては1兆1300億円を下回り、2ヵ月連続の減少となったと財務省が報告しました。

▽ 二重の脅威

2016年1月の輸出減少は、世界的な財政危機が襲った2009年10月のリーマンショック以来最大を記録しました。
しかし世界経済の不振は単に輸出産業にだけ打撃を与えている訳ではありません。

消費税引上直前上野アメ横
輸入総額も18%減少して6兆円下回りました。
液化天然ガスは55%の減少、原油も約44%減少しました。
2011年3月に発生した福島第一原発の事故以降、日本は電力確保のため輸入化石燃料への依存が一層高まっていたはずでした。
2ヵ月ぶりの6,460億円の貿易額の赤字転落によって、日本経済には二重の脅威が迫ることになりました。

『日本経済を待ち受ける大きな落とし穴』

先月日本銀行は日本経済を何とか上向かせようと、マイナス金利の導入という大胆な政策の導入を行いましたが、1月の日本の貿易額の大幅な縮小は、日本政府当局が採りうる対策の選択肢が増々少なくなってしまう懸念を拡大させることになりました。

株価暴落2016
日本経済は、2015年10月‐12月の第4四半期に年率換算で1.4パーセント縮小しました。
アナリストは2016年1-3月の第1四半期に日本経済は緩やかな回復基調に復帰すると予測していますが、輸出の不振と相変わらず弱含みの個人消費支出は、日本経済を何とか成長局面に戻そうと手を尽くす日本政府当局者の困難が並大抵のものでないことを物語っています。

オーストラリアのメルボルンに本社を置くⅠG証券のマーケット戦略部門の責任者を務めるクリス・ウエストン氏は、顧客に次のようなメールを送りました。
「日本の1月の取引実績はさんざんな結果に終わりました...。この結果は、日本経済がこれから本格的な不況に落ち込むと予想する人々に、有力な論拠を与えることになるでしょう。」

http://www.dw.com/en/japan-exports-slump-to-financial-crisis-lows/a-19055468
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たまたまこの【星の金貨プロジェクト】をグーグルで検索した際、「このサイトは第三者によってハッキングされている可能性があります。」との警告が付されていることに気がつきました。
確かに2月中旬一度十数時間閲覧不能になったことがあり、その前後動作が不安定になったことがありました。
この事態を受けサイトに関連するPCすべてを検査したところ、一台に「スパイウェアが潜んでいる可能性があります。」と警告が出ました。
直ちにウィルス・プログラムでこのPCのスキャニング/クリーニング/修復を行い、サーバー会社ともやり取りとし、この時点で問題は解決しているはずです。
それ以降は毎日各PCのスキャニングを欠かさないようにしていますが、今日まで問題は発見されていません。
ですのでこのサイトをご覧いただいても、ウイルスに感染する等のご心配はないと思います。
ご迷惑をおかけしましたが、以後もよろしくお願いいたします。

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【 国際報道写真コンテスト上位入賞作品 】《5》

アメリカNBCニュース 2月18日

press17
速報部門単作品第2位(写真上)コランタン・フォーレン / EPA(ヨーロピアン・フォト・エージェンシー)
2015年1月11日、シャルリー・エブド編集部襲撃に始まった、イル・ド・フランス一帯を襲ったテロリズムに対する抗議の意思を表明するため、集まったパリ市民。

総合部門単作品第3位(写真下・以下同じ)ジョン・J・キム / シカゴ・トリビューン
2015年11月25日、アメリカのシカゴで黒人青年が警官に射殺された事件に抗議するため、集まってきたデモ隊の青年とにらみ合うシカゴ市警の巡査部長。
press18
速報部門シリーズ作品第2位 : サミール・アルデュミー / EPA
2015年12月9日、シリアの首都ダマスカス東方のハモウリアの反政府市民グループの拠点への空爆の直後、爆煙の中から歩き出てきた男性。シリアで監視活動を続けるシリア監視人権機関によると、この爆撃による死者は子供を含め11人。しかしこの空爆がロシア軍機によるものか、シリア政府軍機によるものなのかは不明です。
press19
自然部門シリーズ写真第1位 : ティム・レーマン/ EPA
2015年8月12日インドネシア、カリマンタン(旧ボルネオ)島のグヌン・パラン国立公園内の熱帯雨林で、約30メートルの高さまで木登りをするボルネオ・オランウータン。
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http://www.nbcnews.com/slideshow/world-press-photo-awards-top-images-2015-n520731

【 日本のニュース解説者たちのクビキリ 】《後編》

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所要時間 約 6分

ジャーナリストに対する脅迫が日本社会の中で日に日に強まっている、前例の無い異常事態
日本のメディアのトップと政治家の仲良しぶりは、最先進国社会においてきわめて異質・異常

エコノミスト 2月20日

ニュース解説
テレビ朝日の古舘氏、TBSの岸井氏、NHKの国谷氏、すべてのケースが現在の安倍政権が政府批判に対していかに寛容でないかを証拠立てるものである、同じニュース解説者で岸井氏の同僚でもある佐高信氏がこう語りました。
その実例としてあげたのが、2012年首相の座に復帰した安倍首相がまずやったのが保守タカ派の『お仲間』をNHKの役員に就任させたことです。
国営放送の会長の座に就いた籾井勝人氏は、就任するやいなや、NHKの第一の役割は政府の方針を放送に反映させることだと主張したのです。

元官僚で退官後ニュース解説者に転身した古賀茂明氏は、今日日本においてジャーナリストに対する脅迫が社会の中で日に日に強まっていることは、前例の無い異常事態だと語りました。

そして2月9日、高市早苗総務大臣は、政治的中立を保たなければなら無いと定めた規則をないがしろにするテレビ局を閉鎖すると脅迫しました。
高市大臣は3人のニュース解説者の番組降板に関わる質問が行われた中、この発言を行いました。

SEALDs 5
日本における報道機関に対する政治的圧力は、新しい問題ではありません。
日本の全国紙5紙はそれぞれ主要全国放送の民放ネットワークのグループ企業です。
そして事実に対し掘り下げて分析することも、互いに異なった見解をぶつけ合うことも滅多にありません。
概ね言えることは、その性格は商業的利益を優先するため、時の権力者の意向を反映した番組作りをする傾向があるということです。

その仲良しぶりは、最先進国社会において極めて異質・異常です。

今年1月、安倍首相は世界最大の発行部数を呼号する読売新聞のオフィスで、再び全国紙全国放送の経営者たちと会食しました。

安全保障法案03
9年前、安倍首相が辞任に追い込まれた時、実質的に首相の後継者に福田康夫氏を指名したのは読売新聞社の渡辺恒雄会長でした。
さらに渡辺氏は与党と野党による『大連立』を画策しましたが、この時は読売新聞社が日本の政治家たちに渡辺氏の意図するところを理解させることができず、事は失敗に帰しました。
東京のテンプル大学のマイケル・キューセック氏は今日日本のメディアは 「利害対立の概念を持っていない」と語ります。すなわち政府に全く迎合していると。

これらの事実すべてが、2011年以降続いている日本の『報道自由度』の世界ランクの低下を進めてきました。
そして今年、古賀氏が懸念するように日本の報道自由度は尚一層低下することになりそうです。
古賀氏は『報道ステーション』の解説者としてテレビ出演していた間、安倍政権と対立していました。
そして昨年末、安倍首相官邸の圧力により番組を去ることになったと主張しました。
古賀氏はあえてこの発言を行った目的は、安倍政権の干渉に対し、報道機関を結束させることにあったと語りました。

憲法解釈変更 7
しかしテレビ朝日の選択は安倍政権に対する謝罪、そしてゲスト出演者に対する管理を一層厳しくすると約束することでした。

そして今度は古舘氏が番組を降りることになりました。
安倍政権はメディアの動向に極めて神経質になっている、そして報道統制に成功している、古舘氏が語りました。

《完》
http://www.economist.com/news/asia/21693269-criticism-government-being-airbrushed-out-news-shows-anchors-away?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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【 国際報道写真コンテスト上位入賞作品 】《4》

アメリカNBCニュース 2月18日

press13
長期取材部門第2位(写真上)ナンシー・ボロウィック / EPA

この写真は『死に向かって生きる』と題された女性カメラマンの連作写真の中の1点です。
被写体は2人並んで末期ガンの治療を受けている彼女自身の両親です。
この連作は死と向かい合う人間の愛、人生、生活を見つめます。
そして2人の愛の強さへの記憶を讃え、それぞれの最後の1年間の、2人一緒の1年間の物語を綴っていきます。

総合部門単作品第1位(写真下・以下同じ)チャン・レイ / ロイター
2015年12月10日、スモッグに覆われた天津市内。
press14
日常生活連作部門第2位 : ケヴィン・フレイヤー / EPA
2015年10月30日、中国四川省カンゼ・チベット族自治州で、読経を終えた尼僧たち。
press15
スポーツ部門第1位 : ウラジミール・ペスニー / EPA
2015年2月15日、ロシア、ノヴゴロド州ベトルガでアイスホッケーの試合の準備をするヘッドコーチ。
press16
http://www.nbcnews.com/slideshow/world-press-photo-awards-top-images-2015-n520731

【 日本のニュース解説者たちのクビキリ 】《前編》

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所要時間 約 7分

日本の報道番組から一掃される安倍政権批判
予定原稿にない質問をした、それだけで安倍政権のスポークスマンの逆鱗に触れ、引きずり降ろされたニュース解説者
米英のキャスターに比べれば抑制の効いた日本の解説者の質問、にもかかわらず安倍首相官邸は激怒

エコノミスト 2月20日

ニュース解説
この10年間日本国内の数百万の人々は、テレビ朝日の夜の人気ニュース番組報道ステーションで、辛口のニュース解説者古舘伊知郎氏を見るため、テレビのスイッチを入れてきました。
しかし来月、古舘氏は番組を去ることになっています。

彼はゴールデンタイムに放送されている、比較的リベラルな番組を去ることになった3人の有名なニュース解説者のうちのひとりです。
番組を降りることになった3人全員が、日本の規準から見て政府の政策に厳しい立場を取る人々であることは偶然でも何でもありません。

この10年間日本国内の数百万の人々は、テレビ朝日の夜の人気ニュース番組『報道ステーション』で、辛口のニュース解説者古舘伊知郎氏を見るため、テレビのスイッチを入れてきました。
しかし来月、古舘氏は番組を去ることになっています。

報道ステーション
彼はゴールデンタイムに放送されている、比較的リベラルな番組を去ることになった3人の有名なニュース解説者のうちのひとりです。
番組を降りることになった3人全員が、日本の規準から見て政府の政策に厳しい立場を取る人々であることは偶然でも何でもありません。

昨年、岸井成格氏はTBSネットワークの報道ステーションのライバル報道番組の中で、日本が海外での軍事活動能力を拡大するための安全保障関連法案の合法性について問いかけました。
しかしその問いそのものは、すでに日本国内の多くの憲法学者が行なっていたものと同じ内容のものでした。
しかし退官した法関係部門の元政府高官は、たとえ近隣諸国の軍事的圧力が増大し、日本が安全保障面での強化を行う必要があるとしても、安全保障関連法案そのものは憲法違反であることを認めていたのです。

しかし岸井氏の厳しい指摘は国内の保守派の反感を買い、報道解説者が守るべき中立を犯したと非難する彼らは岸井氏が編集委員を務めていた新聞社への広告出稿を差し止めるよう動きました。
そして現在TBSは岸井氏が番組をやめることを公表しましたが、同社は広告出稿差し止めの問題とは関係ないと語っています。
しかしそんな話を信じる人はほとんどいません。

クローズアップ現代
そして第3の事件の舞台は日本の公共放送局であるNHKです。
この件ではさらに名の売れた著名なニュース解説者を、放送の場から引きずりおろすことになりました。

国谷裕子氏は20年間、調査報道による番組『クローズアップ現代』の舵とり役として活躍してきました。
NHKは国谷氏がなぜ番組を去ることになったのか、理由を明らかにしていません。

しかしNHKの関係者たちは、国谷氏が昨年安倍首相に最も近い立場にいる菅義偉官房長官に対し行ったインタビューが彼女の番組降板の原因だと指摘しています。
菅官房長官は安倍内閣の運営に厳しい統制を敷き、さらには報道関係者のインタビューや取材に関しては、事前に詳細な内容説明を要求する事でも知られています。
しかし国谷氏は菅官房長官へのインタビューの中でこの原則を踏み越え、新たに制定される安全保障関連法案が日本を戦争に巻き込む可能性があるのではないかと迫る大胆さを見せました。

安倍 3
しかしそれでも唾を飛ばしながら政治家に詰め寄るイギリスやアメリカの報道関係者の対応に比べれば、国谷氏の質問は予定にはなかったものの抑制が効いたものでした。
しかし日本のテレビ報道関係者が政治家に対し強く詰め寄ることは、滅多になく、果然、菅官房長官の側近たちは激怒しました。

〈 後篇に続く 〉
http://www.economist.com/news/asia/21693269-criticism-government-being-airbrushed-out-news-shows-anchors-away?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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【国際報道写真コンテスト上位入賞作品】《3》

アメリカNBCニュース 2月18日

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一般部門単作品第1位(写真上)マウリシオ・リマ / ロイター
2015年8月1日、ハサカ郊外のYPG病院構内で、クルディスタン労働者党の投獄中のリーダー、アブドラ・オジャランのポスターの前で、医師の治療を受けるISIS(イスラム国)の若い戦闘員。
YPGはISISの兵員輸送車を待ち伏せ攻撃し、6人中5人を殺害しました。死亡した5人は爆発により外観が解らない程損傷し、全身にやけどを負った治療中の兵士1人だけが生き残りました。

自然部門第2位(写真下・以下同じ)ブレント・スタートン / ナショナル・ジオグラフィック
2015年1月7日チャドのザコウマで数週間に渡る象の密猟パトロールを終え、互いの乗馬技術を競いながらザコウマ国立公園に戻るレンジャー部隊の隊員。
press10
人物部門第2位 ダニエル・オチョア・デ・オルザ / AP
スペインのコルメナール・ビエホの町で開催される、春の訪れを祝うマヤ人祭では、毎年7歳から11歳の少女の中からマヤが選ばれます。
選ばれた少女は飾りつけられた祭壇の前で2時間の間じっと座っていなければなりません。
press11
速報写真第3位 ブレント・キリク/ AFP
2015年6月14日、トルコのサンリウルファ、アッカカレの国境フェンスを超え、違法入国するため持ち上げられるシリア人の女の子。
press12
http://www.nbcnews.com/slideshow/world-press-photo-awards-top-images-2015-n520731

【 安倍政権の政治圧力、ニュース解説者たちから報道と発言の場を奪う 】《後篇》

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所要時間 約 8分

政権の意に沿わないニュース解説者を降板させるというやり方で、自己検閲姿勢を強める日本のメディア
政府批判をすればすべて偏向報道だとする安倍政権の見解を受け入れることが、日本の報道なのか?

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2月17日

安倍首相03
「政権の意に沿わないニュース解説者を降板させるというやり方で、日本のメディアが自己検閲姿勢を強めていることを非常に心配しています。彼らは自分たちに権力を監視するという大切な役割について、まるで意に介していないように見受けられます。」

上智大学の政治学が専門の中野晃一教授は、古舘伊知郎氏、国谷裕子氏、岸井成格(しげただ)氏の3人のニュース解説者としての契約の打ち切りと安倍政権との関係について、直接の因果関係を証明することは不可能だと語りました。

「しかし安倍首相、そして特に菅官房長官が積極的にテレビ局のトップと歓談する機会を設け、その結果ニュース解説者たちに対する圧力がどんどん強まっていったという事例証拠は数多く存在します。」

昨年4月、自民党は委員会開催前にテレビ朝日とNHKの番組制作担当者を呼び出し、特にテレビ朝日については公平な政治報道を行なわなかったとして責め立てましたが、多くの専門家がこの事実を問題視しています。
早稲田大学のメディア学科の花田達朗教授は、こうした事実は『事実上の脅迫』に他ならないとして批判しました。

安全保障01
権力の濫用に対する公共利益の擁護者としてのジャーナリズムの役割を肝に銘じ、その信念に従って行動しようと決心した瞬間から3人のニュース解説者は攻撃目標とされてしまったのであり、今回3人がほぼ同時に契約を打ち切られることは偶然でも何でもないと、花田教授が指摘しました。
「3人が3人とも、自ら番組を降りるつもりが無かったことは明らかです。」

安倍首相が放送局などの編集報道の独立を巡る論議の的になるのは、初めての事ではありません。
安倍氏は2005年、NHKのスタッフに対し従軍慰安婦問題を扱ったドキュメンタリーの内容を変えるよう要求を行ったことを認めています。

2014年の後半、安倍首相が抜き打ちで衆議院選挙を行った時も、自民党は東京の各ネットワーク各局に対し、「間違いなく公正、中立、正確な」報道を要求する文書を送付しました。

安倍首相はさらに、公共放送のNHKの会長に、自らの取り巻きのひとりであり、同じ保守派の籾井勝人氏を据え、その番組編集方針に影響力を振るおうとしているとして批判を集めています。

会長に就任した籾井氏は、会見の席上中国との間で領有権を巡り紛争が起きている外交問題について発言した際、NHKは今後政府の意向に忠実に沿う形での報道を行うつもりだと語り、取材に訪れた世界各国のメディアを唖然とさせました。

反安倍01
「国際的な報道と国内報道とはおのずと異なります。」
籾井氏は次のように続けました。
「政府が『右』と言っているものを、われわれが『左』と言うわけにはいきません。」

安倍政権が2013年に成立させた特定秘密保護法もまた、日本の報道を脅迫するための手段のひとつであり、その成立は日本の国際的評価を一段と低下させることになりました。

日本は国境なき記者団が作成した世界的な報道の自由ランキングで、2005年には180ヵ国中12位という位置にいましたが、安倍政権下の2015年にはその順位を一気に61位にまで低下させました。

そして同じ2015年12月、日本の報道の自由に関する調査を行うため国連が特別調査官デイビッド・ケイ氏を日本に派遣すると発表しましたが、日本側は政府関係者が対応できないとして訪問が突然キャンセルされました。
これは日本政府が報道の自由に関する詳細な調査を拒否したものとして、改めて懸念を引き起こしました。
ケイ氏は2016年4月、改めて来日するため調整が行なわれています。

ヒットラー安倍
「今まさに行なわれている安部政権と保守タカ派グループによる日本の報道の自由に対する攻撃は、もはや右派、左派といった立場の違いに留まるものではありません。日本の民主主義、自由主義の根幹への破壊行為です。」
上智大学の中野晃一教授がこうに指摘しました。

「私は日本の報道の自由、表現の自由を守るため、報道機関が連携しようとしないことに大きな失望を感じています。政府批判は何でもかんでもすなわち偏向報道だとする安倍政権の見解を、各報道機関が黙って受け入れているとしか思えません。
政府の政策をそのまま受け入れる報道を行うことが、賞賛に値する、中立の立場のジャーナリズムだとされていることは、まさに憂うべき状況だと言わなければなりません。」

〈 完 〉
http://www.theguardian.com/world/2016/feb/17/japanese-tv-anchors-lose-their-jobs-amid-claims-of-political-pressure
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【国際報道写真コンテスト上位入賞作品】《2》

アメリカNBCニュース 2月18日

press05
日常部門第1位(写真上)ケビン・フレイヤー / ロイター
2015年11月26日中国山西省の石炭火力発電所の脇を荷車を押して進む男性。
中国はこれまでずっと石炭火力発電に過度な依存を続け、全世界の二酸化炭素(CO2)排出量のほぼ3分の1は中国によるものです。
多くの科学者と環境保護主義者が、有毒物質と合わせたこの排出について、地球温暖化の主原因として挙げています。

速報写真第2位(写真下・以下同じ)ロベルト・シュミット / AFP - EPA
2015年4月25日正午、すさまじい音を立てながら土砂と雪崩が一緒になって、エベレストのベース・キャンプ南側に迫る瞬間をとらえた写真。
この雪崩で少なくとも22名が死亡しました。
雪崩はこの日ネパールを襲ったマグニチュード7.8の大地震によって引き起こされたもので、国全体では8,000人以上が死亡しました。
press06
一般ニュース部門第1位 セルゲイ・ポノマリョフ / ニューヨークタイムズ - EPA
2015年11月ギリシアのレスボス島のスカラ村の海辺に到着した中東難民。
域内を自由に行き来できる欧州連合の入り口として、警備の手薄な、そしてトルコ沿岸から肉眼で見える場所にあるギリシャの島々は、難民にとってフランス、ドイツ、スウェーデンなどの国々への脱出ルートの入り口となっています。
press07
長期取材部門第3位 デイヴィッド・ガッテンフェルダー/ EPA
この写真は『北朝鮮 : 金個人崇拝国家の生活』と題されるシリーズ写真の中の1点です。
カメラマンは北朝鮮の都市と農村で市民生活、軍の式典などを撮影し続けました。
北朝鮮は世界で最も孤立した、そしてきわめて情報の少ない国のひとつです。
部外者が国内を自由に行き来することはできないため、その日常が紹介されることも稀でした。
デイヴィッド・ガッテンフェルダーは粘り強く交渉を続け、これまで40回以上北朝鮮に渡りました。この写真は2008年2月から2015年5月の間に撮影されたものです。
press08
http://www.nbcnews.com/slideshow/world-press-photo-awards-top-images-2015-n520731

【 安倍政権の政治圧力、ニュース解説者たちから報道と発言の場を奪う 】《前篇》

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所要時間 約 7分

安倍政権の閣僚、放送法を曲解し放送局を脅迫
本人たちの意思ではないニュース解説者たちの番組からの降板

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2月17日

安倍首相03
もしアンドリュー・マー、エミリー・メイトリス、アンドリュー・ニールなどの口うるさいニュース解説者が一斉にテレビのブラウン管から姿を消したら、英国の政治家たちは間違いなく大喜びすることでしょう。
しかし日本では現実に鋭い質問をすることで知られるニュース解説者が、実際にテレビ界から追いやられる運命に見舞われました。

古舘伊知郎氏、国谷裕子氏、岸井成格(しげただ)氏の3人は、鋭い質問をすることで知られ、ニュース解説者として高い評価を得てきました。
目前に迫っている夜間に放送される報道番組からの降板は、単に彼らが職を失うという事だけに留まりません。
公正な報道を貫こうとするニュース解説者や番組に対し、偏狭で狭量な安倍首相とその協力者である与党議員たちがあからさまな報道規制を行なおうとしているとの批判が高まっています。

安倍政権NO!
つい先週、高市早苗総務大臣はメディア組織に対し明白なメッセージを送りました。
政府機関からの警告にもかかわらず政治問題について繰り返し『公正な報道』を行なわなかった放送局に対しては、その放送免許を取り上げることも辞さないと関係議員に語ったのです。
日本の放送法の下では、総務大臣には政治的に中立を守らない放送局の放送免許を停止する権限があります。

「これは放送局に対する脅迫に他なりません。」
日本民間放送労働組合連合会は声明を発表しました。
「(高市総務大臣の)発言は法律を完全に曲解しており、私たちはこの発言を直ちに撤回するよう要求します。」
今後日本で公正中立なインタビューとして認められたものと同等の報道が、イギリス国内で価値のある政治報道と認められることはまずなさそうです。
そのような逆境の中にあって3人のニュース解説者全員が、政権の意向に諾々と従おうとする日本のテレビ各局の他の報道関係者とは異なる道を選択したことについて、議論することを求めました。

古賀氏 2
ニュース解説者に対する一連の圧力事件の中心にいるのが、テレビ朝日の夜の人気ニュース番組、報道ステーションの古舘伊知郎氏です。
昨年春の放送された番組の中で、解説者のひとりで安倍政権への批判を強める古賀茂明氏が、政権閣僚の圧力によって降板させられることになったと主張しました。

岸井成格氏の場合は、昨年安倍首相率いる自民党が議会で安全保障関連法案を強行採決したことをTBSネットワークの報道番組、ニュース23の中で批判し、安倍政権をチ支える立場の人間たちを怒らせました。

しかし番組を降板させられる中で最も衝撃的なのは、国営放送NHKのニュース解説番組、クローズアップ現代の国谷裕子氏のケースでしょう。
彼女の『罪状』は、安倍首相に最も近い立場にいる菅義偉官房長官にインタビューを行った際、安全保障関連法案についてあらかじめ予定していなかった追加質問を行い、菅官房長官を怒らせてしまった事です。

これらの圧力について渦中のニュース解説者たちはコメントを拒否しています。
しかしこうした問題の専門家たちはこれら一連の降板劇の前、安倍首相が第三者をシャットアウトして上でテレビ各局の最高経営責任者たちを夕食会に招き、その後それぞそれのキャスターを見舞ったのが今回の降板劇であると語っています。

古賀氏 1
「番組を降りるというのは、彼ら自身の決断によるものではないのです。」
エセックス大学人権センターの藤田さなえ氏がこう指摘しました。
「しかし彼らの上司が、安倍首相の『お供達』である放送局のトップからの圧力にさらされることになり、番組を追われることになったのです。」

〈 後篇に続く 〉
http://www.theguardian.com/world/2016/feb/17/japanese-tv-anchors-lose-their-jobs-amid-claims-of-political-pressure
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【 国際報道写真コンテスト上位入賞作品 】《1》

アメリカNBCニュース 2月18日

press01
5,775人のカメラマンから82,951の作品が寄せられ、2015年度の国際報道機関写真コンテストの上位作品が決定しました。
自然部門単作品第1位(写真上)ロハン・ケリー / ロイター
2015年11月6日オーストラリア、シドニー郊外のボンディ・ビーチに不吉な乱層雲が近づいてくるのに気がつかず、日光浴を続ける人々。
1年間に2、3回しか見られない珍しい気象現象で、海からやって来たこの乱層雲は空を覆い、この後シドニー一帯に激しい雷雨をもたらしました。

自然部門単作品第2位(写真下・以下同じ)クリスチャン・ツィーグラー / ナショナル・ジオグラフィック
2014年11月29日のマダガスカル、モンターニュ・ダンブレ、長い舌を伸ばして昆虫を捕まえるメスのフサエカメレオン。
press02
スポーツ部門第2位 クリスチャン・ボブスト / EPA
2015年4月5日シエラレオネ、ダカールのデンバディオプ・スタジアムでのレスリングの試合。
press03
ニュース速報部門第1位 ウォーレン・リチャードソン / ロイター
2015年8月28日のハンガリー・セルビア国境で、有刺鉄線の間から赤ちゃんを手渡す男性。
press04
http://www.nbcnews.com/slideshow/world-press-photo-awards-top-images-2015-n520731

このサイトについて
ほんとうの「今」を知りたくて、アメリカCNN、NBC、ABC、CBS、英国BBC、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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