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新型コロナウイルス:ワクチン開発、最初に成功するのは誰なのか?《後編》

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所要時間 約 9分

同じワクチンを世界中の国々が同時に必要とする!懸念される物流パニック
ワクチンの無料接種を公約したトランプ、しかし無保険の貧しいアメリカ人には請求書?なぜ?
新型コロナ・ワクチン開発、最初に医療従事者全員へのワクチン投与を目指している世界協定
ワクチンだけが解決策ではない、すべての面の対策が必要



ドミニク・ベイリー / BBCニュース 2020年9月11日

▽ どれだけの金が動いているのか?

ワクチン開発に数千億円規模の投資が行なわれている一方で、供給を約束させるために数十億円の支払い契約がいくつも結ばれています。

接種一回あたりの費用はクチンの種類、製造元、そして購入量によって違ってきます。
たとえば、製薬会社のモデルナ社は、開発中のワクチン接種1回について32~37ドル(約3,500円から4,100円)で販売する意向だと伝えられています。

一方、アストラゼネカは感染拡大が続いていた最中、ワクチンは「実費」すなわち一投与あたり数ドルで供給すると述べています。

規模の上では世界最大のワクチンメーカーであるインドの血清研究所(SSI)は、GAVIとビル・ゲイツ&メリンダ・ゲイツ基金から1億5,000万ドル(約165億円)の資金提供を受け、開発に成功すればインドおよび中貧困国・最貧国において最大1億回製造販売すると表明しました。
同社は、投与一回あたりの価格は高くても3ドル前後(約330円)になると語っています。

しかしワクチン接種については、実際に料金を課される能性は低くなっています。



英国の場合、新型コロナウイルスCOVID-19のワクチン接種は国民健康保険(NHS)ヘルスサービスが担当します。
研修医、看護師、歯科医、獣医は大勢の人々に一斉にワクチン接種を行う際、NHSの担当スタッフと協力して実施する訓練を課される可能性があります。
現在協議が行われています。

他の国々の中でオーストラリア政府などは、国民へのワクチン接種は無料で行うことになるだろうと語っています。

世界中に均等にワクチンを配布する役割を担う重要な存在である人道主義組織を通してワクチンを接種される人々も、料金は請求されません。

米国では接種そのものは無料かもしれませんが、医療専門家は接種事業の管理に課金する可能性があり、無保険のアメリカ人にはワクチン請求書が手渡される可能性があります。



▽ 誰が最初に接種されるのか?

ワクチンを作るのは製薬会社ですが、誰が最初にワクチン接種を受けるかを決めるのは製薬会社ではありません。
「それぞれの組織または国は、最初に予防接種を受ける人とどのような態勢を整えるのかを決定する必要があります。」
アストラゼネカの副社長がBBCの取材にこう答えました。

最初の供給量は限られているため、死亡者数の削減と医療体制の保護が優先される可能性があります。

GAVI計画では、COVAX加盟国は所得に関係なく富裕国も貧困国も同様に、人口の3%に対し接種を行うために十分な量を受け取ることになりますが、これは最初に医療従事者全員にワクチン投与が可能になることを意味します。

ワクチンの生産が軌道に乗った段階で、割り当てられるのは人口の20%をカバーするだけの量のワクチンであり、これは65歳以上の国民および健康上の不安がある人々のグループが優先されることになります。



すべての加盟国がその人口の20%分を受け取った後、ワクチンはそれぞれの国の感染の拡大状況や差し迫った脅威など他の基準に従って配布されることになります。

加盟する国は9月18日までにこのプログラムに同意の上、10月9日までに加盟金の支払いを終える必要があります。
割り当てプロセスの他の多くの条件については、交渉がまだ進行中です。

「要するに唯一確実に言えることは、ワクチンの供給量は十分ではないということです。残りについてはまだはっきりしたことはわかりません。」
シマオ博士は言います。

GAVI計画は富裕国は10%から50%の間で国民にワクチン接種するのに十分な量を要求できるとしていますが、加盟国すべてが国民の20%に予防接種が出来る量を供給されるまで、それ以上を手に入れられる国はないと決めています。
バークレー博士はただし生産量の5%は感染状況が急激に悪化した国や、難民保護など人道支援を行なっている組織のために別に確保されることになると語りました。



▽ 世界に向けワクチンはどのように配布されますか?

この問題はどのワクチンが成功するかにかかっています。

世界的に通用するワクチンとなるためには多くの条件を満たさなければなりません。
まず妥当な価格である必要があります。
次に長期にわたる免疫を生成するだけの有効性が必要です。
さらにシンプルな冷蔵流通システムが必要であり、製造業者は増産要請に迅速に応えられるよう、充分な生産規模を実現しなければなりません。

WHO、ユニセフ、国境なき医師団は適切な温度管理の下でワクチンの有効性を確保するため、工場から現場にワクチンを移送する冷蔵トラックや太陽光発電冷蔵庫など、いわゆる「コールドチェーン」態勢を整備しています。

世界中にワクチンを配布するには『8,000機のジャンボジェットを必要とする』と言われています。

したがって既存の流通ルートに新たなワクチンを追加することは、すでに困難な状況に直面している担当者たちにとっては大きな物流上の問題に直面させられることになりかねません。



ワクチンは冷蔵保存が原則であり、その温度は通常摂氏2度から8度の間です。
こうした問題ほとんどの先進国ではそれほど大きな課題ではありませんが、インフラが弱く、電力供給と冷凍技術が不安定な国や地域では「大きな課題」となる可能性があります。

「コールドチェーンの下でワクチンを維持することはすでに各国が直面している最大の課題の1つであり、ここに新しいワクチンが加わることによって事態は悪化することになるでしょう。」
国境なき医師団の医療顧問バーバラ・サイッタ博士がBBCの取材にこう語りました。

「コールドチェーン設備を拡充し、常時燃料を確保し(電力がない場所でも冷凍庫と冷蔵庫を稼働させるため)、壊れた場合は直ちに修理・交換を行い、必要な場所にワクチンを迅速に輸送する必要があります。」

アストラゼネカは開発中のワクチンについて、摂氏2度から8度の温度で移送保管するためのコールドチェーンが必要になるだろうと示唆しました。

しかし、現在候補に挙がっているいくつかのワクチンは、ウルトラ・コールドチェーンを必要とすることがわかってきました。
希釈して接種する直前まで、マイナス60℃以下で保管しなければならないのです。

「エボラ出血熱のワクチンをマイナス60℃以下以下で保管を続けるために、特別なコールドチェーン機器を設備して保管および輸送を行う必要がありました。さらにこの新しい機器をすべて使いこなせるようにスタッフを訓練する必要もあったのです。」
バーバラ・サイッタ博士がこう語りました。



接種対象となる人々の方にも問題があります。
ワクチン接種プログラムは通常子供たちを対象としているため、新型コロナウイルスのワクチン接種を行う組織は通常予防接種プログラムの一部ではない人々にどのように趣旨を伝えるかの計画を策定する必要があります。

世界が科学者が成果を挙げるまで待たされている間にも、さらに多くの課題が持ち上がっています。

そして、ワクチンは新型コロナウイルスに対する唯一の武器ではありません。

「ワクチンだけが解決策ではありません。」
WHOの事務局長補佐のマリエンゲラ・シメオ博士がこう語りました。
「まずは検査・診断が必要です。死亡率を下げる方法も必要です。そのためにはワクチンと治療法の両方が必要です。」
「さらにそれ以外に、ソーシャル・デイスタンスを確保したり、混雑した場所を避けたりするなど、あらゆる予防策が必要なのです。」

https://www.bbc.com/news/health-54027269

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ほんとうの「今」を知りたくて、アメリカCNN、NBC、ABC、CBS、英国BBC、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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