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世界の最新健康ニュースから[抗ガン作用のある糖類]

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体内で化学療法の効果を増強し、腫瘍の成長を遅らせ縮小させる効果がある糖類の働きを確認
研究は初期段階、素人判断で抗ガン作用を期待しての使用は避けた方が賢明

アレックス・ターリエン / BBCニュース 2018年11月21日

写真:マンノースはサプリメントとして入手可能なほか、クランベリーなどの果物に含まれています

マウスを使った研究の結果、いくつかの栄養補助食品が数種類の癌の発症を防ぎ、さらには治療効果を高める可能性のあることがわかりました。
この実験は膵臓ガン、肺ガン、皮膚ガンを発症したマウスに、クランベリーおよび他の果実にも含まれているマンノースを与え、その効果を検証する形で進められました。

その結果、副作用が認められず、腫瘍の増殖が有意に抑制された結果を研究者たちは確認しました。
しかし人体における副作用についてはまだ最終的な確認は行われていません。
研究にたずさわった科学者は人体における試験を早急に開始したいと望んでいます。

健康食品として購入することが可能であり、尿路感染症を治療するためにも使用されることがあるマンノースは、腫瘍が人体内のグルコースを使って増殖しようとする働きを阻害する効果があると考えられています。

▽「最も効果的な利用法を求めて」

科学者らは、ガンの治療薬として最も広く使用されている2種類の化学療法剤であるシスプラチンおよびドキソルビシンを投与されたマウスに、さらにマンノースを与え、ガンの化学療法にどのような影響が及ぶのか、その可能性についても検証しました。
検証の結果、マンノースは体内で化学療法の効果を増強し、腫瘍の成長を遅らせ、縮小させる効果があることを確認したのです。
その結果、ガンを発症したマウスに対する延命効果を確認しました。

さらなる研究が進められ、膵臓ガン、肺ガン、皮膚ガンに加え白血病、骨肉腫(骨がん)、卵巣ガンおよび大腸ガンなどのガンに侵されている細胞に直接マンノースを投与する実験が行われました。
その結果は良好な反応を示した細胞もありましたが、反応しない細胞もありました。
細胞が抗がん作用を現すかどうかは、マンノースを分解する酵素が体内にどれだけ存在するかによって結果が変わるものと考えられています。

この研究で指導的立場にある英国ガンリサーチ、ビーストン研究所のケヴィン・ライアン教授は、マウスの体内で腫瘍が増殖しないようにするだけのグルコースのブロック効果を発揮する一方で、正常な細胞組織にほとんど悪影響を与えないようにするためのマンノースの投与量が確認できたと語っています。
人間の体はエネルギーを算出するためにグルコースを必要としますが、がん細胞も自己増殖を促進するためグルコースを利用することがわかっています。

「研究はまだ初期の段階ですが、将来的には患者の全身的な健康を損なうことなく、ガン治療のための化学療法の効果を高くすることができるマンノースの投与レベルを明らかにできることを願って研究を進めています。」

▽「個人で利用する際の諸注意」

抗ガン作用に関するマンノースのメリットの一つは、製薬会社によって製造される薬剤よりも安価であることです。

ライアン教授は、すぐにでも人間の患者を対象とした臨床実験を開始したいと考えています。
しかし、教授もその他の専門家も、今回の検証結果を見てガン患者がやみくもにマンノースの摂取を行わないよう警告しています。

英国ガンリサーチの主任看護師であるマーティン・レドウィック氏が次のように語りました。
「今回の研究結果は一部のがん治療の将来にとって非常に有望なものですが、その効果が確認されたばかりの初期の研究段階であり、まだ臨床試験が行われていません。」
「検証されていない副作用が現実に起こる可能性があるため、ガン患者はマンノースそのものを自己処方するべきでありません。」

食事内容の大幅な変更や新しいサプリメントの使用については、医師などの専門家と相談することが大切です。

ライアン教授は現在チームの研究スタッフは、次にマンノースの抗ガン作用が発揮されるガンと発揮されないガンがある理由を解明しようとしています。
今回の研究結果はネイチャー誌に掲載されています。

https://www.bbc.com/news/health-46291919
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この記事にもある通り、マンノースの抗ガン作用に関する研究はまだ初期段階であり、素人判断で使ってはいけないと繰り返し書かれています。
素人の方が抗ガン作用を期待して日常生活にとりいれて問題がないのは、[見慣れた野菜が癌の進行を止めてしまう働きについて]( https://kobajun.chips.jp/?p=29920 )の記事でもご紹介した通り、もともと体に良い野菜などの摂取量を増やすことではないでしょうか?

最大のガン予防法はストレスを軽減し、バランスの良い食事を規則正しくとること、そして食べ過ぎないことです。
前回ご紹介した[肥満とガン]( https://kobajun.chips.jp/?p=30097 )でも、肥満が人体の免疫機能を低下させることが最新の研究で明らかにされたことが紹介されていました。

食と体調管理こそ、ガンをはじめとする病気予防の王道だということを忘れないようにしましょう。
- あおい薬品薬剤師 小林裕見子 -







 

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