ホーム » エッセイ » 世界の最新健康ニュースから[キャベツ&ブロッコリー]

世界の最新健康ニュースから[キャベツ&ブロッコリー]

読了までの目安時間:約 6分

英国BBC電子版 2018年8月15日


今日は英国BBC電子版から、「全く副作用のない」大腸がんの抗ガン剤についてです。
皆さんは抗ガン剤が毒ガスをアレンジしたものだということはご存知ですか?
そんな話を聞けば副作用があって当たり前、と思われるでしよう。
でも大腸がんに限ってのことのようですが、全く副作用のない抗ガン剤があることがわかりました。
しかもとても身近に…

季節季節の露地物野菜にはその季節に必要な『解毒剤』が含まれている、という話をご存知ですか?
ただし、季節外れのハウスものは?です。
畑でしっかり育てられた季節季節の野菜を、たっぷり食べるよう心がけましょう。
(あおい薬品薬剤師 小林 裕見子)

[見慣れた野菜が癌の進行を止めてしまう働きについて]

ジェームス・ギャラガー

科学者たちがキャベツ、ブロッコリーなどの野菜が、なぜ大腸がんのリスクを減らすことができるのか解明できたと公表しました。
アブラナ科の野菜(キャベツ、ブロッコリー、大根、小松菜など)は腸のために良いことは間違いがありませんが、それを科学的に説明すると一般の人にとっては少々難しくなりすぎるかもしれません。

英国のロンドンにあるフランシス・クリック研究所のチームは、アブラナ科の野菜が人間の体の中で消化されていく過程で、いわば『抗癌剤』が生成されることを発見しました。
英国がん研究所も多種類の野菜を食べることのメリットはたくさんあるとの見解を明らかにしています。
この研究は実験室でマウスと成長過程にある腸を研究材料に使い、野菜が腸の内面をどのように変化させるかに焦点を当てたものです。
皮膚と同様に腸の表面は、4~5日のサイクルで絶えず再生されています。
しかしこの絶え間ない再生を健康な状態で続けるためには、腸内の環境が高いレベルで整えられる必要があります。
そうでないと、がんや腸の炎症を発症する可能性があります。

また、イニミニュティ誌に掲載された研究では、アブラナ科野菜に含まれる化学物質が腸内環境を整えるために不可欠であることが証明されています。

▽ がんを予防するための調理のポイント                                                                              
研究者たちは、アブラナ科の野菜を噛むことによって生成されるインドール-3-カルビノールと呼ばれる化学物質を解析しました。

研究者の一人、ギタ・ストッキンガー博士は次のように語りました。
「アブラナ科の野菜は過度に調理されてい方が腸のために良く、特にブロッコリーは水に浸さないようにすべきです。」

この化学物質は消化器系を通過していく際、胃酸によってより有効な働きをするようになります。
大腸では、腸管を再生する幹細胞、および炎症を制御する免疫細胞の機能を活性化させることができます。

この研究では、遺伝子によってがん発症のリスクの非常に高いマウスであっても、インドール-3-カルビノールを多く含む食事を与えると癌の発症が防ぐことができることが実証されました。

この食事を与えられなかったマウスの腸細胞では、細胞分裂がうまくいかなくなる状況が確認されました。
ストッキンガー博士は次のように述べています。
「マウスが腫瘍(癌)を発症し始た後でも、インドール-3-カルビノールを多く含む食事を与えるインドール-3-カルビノールを多く含む食事を与えることにより、腫瘍の進行を止めることができることが確認できました。」

次のような状態が続くようだと、大腸がんの可能性があります。
便に血液が混じる
トイレに頻繁に行くなど、排便習慣が変化した
おなかの痛み、腸の膨満感または不快感

ストッキンガー博士は今回の発見が「楽観主義のたまもの」だと述べました。
研究の結果を見てストッキンガー博士は食事の際に肉の量を減らし、野菜をこれまで以上に食べるようになりました。

ストッキンガー博士はBBCに次のように語りました。
「食習慣に関してアドバイスしたいことがたくさんあります。ただしその原因と結果が何であるかは非常に混乱しており、明確ではありません。」
「しかし理由なしで私が野菜の摂取量を増やしたわけではないことはお分かりでしょう?」
「今回の研究では、アブラナ科の野菜がなぜ大腸がんの進行を止めることがてできるのかを分子レベルで解明しました。」

英国がん研究所のティム・ケイ教授は、
「コのマウスを使った研究では、キャベツやブロッコリーのような野菜には食物繊維が豊富なだけではなく、大腸がんのリスクを軽減するのに役立つ上、がんの発症や進行を止める分子レベルの物質を持っていることが明らかにされました。
今後の研究ではこれらの野菜に含まれる分子が人間にもに同じ効果をもたらすかどうかを確認することになるでしょうが、結果を待つまでもなく野菜をもっとたくさん食べるべき理由はすでに十分にあります。」

https://www.bbc.com/news/health-45171651






 

この記事に関連する記事一覧

comment closed

このサイトについて
星の金貨プロジェクト、リニューアルしました。 これからは薬剤師・小林裕見子がメディアが言えない健康の真実を発信していきます。
サイトマップ
星の金貨プロジェクトのサイトとしてスタート、2024年6月よりあおい薬品の薬剤師・小林裕見子の発信ページに変身しました。
最近の投稿
@idonochawanツィート
健康関連リンク
アーカイブ