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「1兆円をかけて生み出されたものは事故と1時間の発電」
ワシントンポスト 1月31日
▽ もんじゅが生み出したもの - 事故、論争、そして発電時間1時間の電気
敦賀市、日本
日本が長い時間と莫大な予算をつぎ込んで開発を目指してきた超効率的原子炉 – 一時は日本の未来のエネルギー源としてもてはやされていたモデル – は今や失敗の瀬戸際に立たされ、新しい政府は際限も無く増え続ける維持費用に頭を痛めています。
高速増殖炉を開発するための40年も続いているプロジェクトが、130億ドル(約1兆円)以上を費やしてこれまで生みだしたものは、事故、論争、そして発電時間1時間の電気だけでした。
先月、政府はプロジェクトについて大幅な予算削減を決定し、11月には原子力関係機関のトップは計画を廃棄する可能性について示唆しました。
しかし、日本初の高速増殖炉計画の放棄は、すでに福島第一原発の事故により大きな打撃を受けている日本の核開発計画に、別の衝撃を与えることになります。
なぜなら高速増殖炉は燃料問題に関し、日本に半永久的な解決手段を与えるはずだったからです。
理論上、高速増殖炉は従来型の軽水炉が副産物として出すウランとプルトニウムを燃料として稼働します。
そして高速増殖炉は再び燃料として使用可能な核燃料を、使った以上に作り出します。
これを燃料として利用する、というサイクルを永遠に繰り返すのです。
これにより日本は、国内にエネルギー資源が無いため高額な対価を支払い、世界中から燃料を輸入している状態から脱出できるはずでした。
「高速増殖炉は100年から200年にわたり、日本に電力を供給し続ける夢の原子炉になるはずなのです。」
日本原子力研究開発機構の高速増殖炉研究開発センター所長の近藤悟氏が今週、インタビューにこう答えました。
「こんなに時間がかかるとは考えていませんでした。」
『もんじゅ』の名で知られる日本のたった一基の高速増殖炉プロトタイプ(試験炉)は、280メガワットの発電能力があり、東京から西に約250kmの海岸沿いの敦賀市にあります。
高速増殖炉は現在準備中ですが、現地の担当者ははたして稼働できるかどうか不明だ、と語りました。
▽ 無駄な支出 - 70年も遅れている実用化
決定は国内総生産に対し、世界最高の債務を抱え、無駄な支出を極力減らそうと取り組んでいる日本政府が行います。
コスト削減に専門に取り組む委員の勧告に基づき政府側は昨年12月、2億7,500万ドル(約210億円)の年間予算に対し、20%の大幅削減を行いました。
さらに2012年の稼働のために取り置かれていた予算も全額カットしました。
一部の政治家は、現在稼働中の原子炉の安全対策に予算を追加しなければならない現在においては、この予算額でも多すぎる、と語っています。
「日本にはもう高速増殖炉は必要ありません。」
国会議員であり、原子力問題に詳しい河野太郎氏がこう語りました。
「もんじゅを維持していくためだけに、年間数十億円の政府予算が費やされて行きます。きちがいじみたことです。一切動く様子も無いものに、毎年多額の費用をかけているのです。」
〈続く〉
http://www.washingtonpost.com/world/japan-losing-hope-for-its-pricey-dream-reactor/2012/01/26/gIQAktERTQ_story.html
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ズブズブとズルズルは日本の原子力業界のトレード・マークのようです。
原子力安全保安院と電力業界のズブズブ、そしてこのもんじゅのズルズル。
だめな事はだめ、と一線を引く事ができない日本の原子力業界、そしてそれにどこまでも引きずられていく日本の政治。
記事中『20%の大幅削減』とありましたが、それでも80%の168億円という莫大な金額が今年1年で「消えて」いってしまいます。
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【 ますます追いつめられるシリア市民 】
アメリカNBCニュース 2月24日
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