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【 福島第一・巨額の税金をつぎ込んだ賭けの結果は 】《1》

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事故当初と比べれば著しく減少した汚染水漏出、しかし現在も止まることなく続いている可能性が高い
稼働開始2ヵ月で完成するはずだった凍土壁、4ヵ月経過しても尚未完成
未だに増え続ける高濃度汚染水、福島第一原発の現場は汚染水タンクだらけ

マーティン・ファクラー / ニューヨークタイムズ 2016年8月27日

汚染水タンク2016
福島第一原子力発電所 — この問題については地上にはそれ程の設備が目立つわけではありません。
地上にあるのは2、3本のまっすぐに伸びた金色のパイプだけで、それよりは近くにあるはるかに大きな傷ついた原子炉建屋の方が圧倒的に大きな存在感を持っています。

強烈な印象を与えるはずのものは目に見えない地下で形を作っているのです。
それは深さは約30メートル、長さ約1,600メートルに及ぶ地下凍土壁、目的は現在も進行中し福島第一原子力発電所の状況を危機的なものにし続けている放射能汚染水の問題の解決することです。
公式名称は『凍土方式による陸側遮水壁』、しかし凍土壁の名の方が一般的なこの計画は、サイエンスフィクションかジェームズ・ボンドが活躍する映画の中の空想の産物のようにも受け取れます。

しかし5年前に地震と津波が引き金となって発生した福島第一原発の事故により3基の原子炉がメルトダウンし、その原子炉建屋の中に容赦なく流れ込む大量の地下水の流れ込みを遮断することを目的としたこの野心的である一方、批判も多いこの計画は、今現実になろうとしています。

日本政府が350億円の費用を負担して築かれる人工永久凍土壁は、メルトダウンした3基の原子炉を含む原子炉建屋がある場所一帯を巨大な長方形のバリアを作って隔離することを目的とします。


作業が順調に進めばこの秋にも実用化される永久凍土壁は、原子炉建屋の地下部分へのこれ以上の地下水の流れ込みを遮断するダムの働きをすることになります。
これにより毎日放射能汚染水が作り続けられている現在の状況を改善し、その漏出を改善する効果が期待されています。
汚染水の漏出は災害発生当初と比べれば著しく減少はしましたが、現在も止まることなく続いている可能性があります。

しかし凍土壁は費用が莫大な上に、非常に手間のかかる方法であり、その挙句効果が無い可能性もあると大きな批判を浴びてきました。
凍結のための電源を入れたにもかかわらず、4カ月経過しても尚完全に凍結していない部分がある事実を東京電力が公表した8月、その懸念は再び大きなものになりました。

批判の中には電源を供給されることによって凍結状態を維持するこの装置は、高さ約15メートルの津波によって電源を喪失し原子炉の冷却が出来なくなってメルトダウン事故を起こした福島第一原子力発電所と同じように、天災に弱い可能性があると指摘するものもあります。


福島第一原発を建設した東京電力は1960年代、海面に近い場所に原子炉を設置するため山を削り取る方法を採用しました。
このため、地下水をポンプでくみ上げることがより容易になりましたが、結果的に原子炉を地下水を大量に含む浸透性の高い地下の岩石層に近づけることになりました。
この地下水は主に隣接する阿武隈山脈に降った雨や融雪によって地下に流れ込み、そのまま太平洋に流れ込んでいます。

福島第一原発の原子炉建屋は2011年3月11日に事故を起こすまでは、何とかこうした地下水の流れ込みを防いできました。
ところが天災である東日本大震災の巨大地震、あるいは3基の原子炉が爆発・メルトダウンを起こしたことにより、原子炉を支える基礎部分に亀裂が生じ、地下水がより流れ込みやすい状況が作られました。
それ以降1日あたり約15,00リットルの地下水が原子炉建屋の地下に流れ込むという状況が作られたのです。

いったん原子炉建屋内に入り込めば、地下水はそのまま高濃度の放射能汚染水に変わり、存在そのものが福島第一原発の事故収束・廃炉作業の障害になってしまいます。
メルトダウンが進行していた当時、高温になって溶けだしたウラン核燃料は原子炉の鋼鉄製の床を溶かしてさらに下に向かい、基礎部分にも浸透して行ったと見られていますが、正確な状態も場所もほとんど解っていません。

汚染水排水設備01
溶け落ちた核燃料に直接触れることにより、高濃度に汚染された放射能汚染水が絶えず溢れだしている状況では、技術者もメルトダウンした燃料の状況を確認しようがないのです。

事故発生以来、原子炉建屋に5台のロボットが送り込まれましたが、きわめて高い放射線量と散乱するがれきが障害物となり、いずれも回収することはできませんでした。

冷却剤を満たしたパイプによって作られる凍土壁は、高濃度の汚染水の漏出を止めることも目的のひとつです。
この汚染水は核廃棄物の保管管理に関するきわめて厄介な問題も作りだしています。
東京電力は原子炉建屋に流れ込んだ地下水が太平洋に漏れ出さないようにいち早く回収し、敷地内に大量に並べられた専用のタンクに保管しなければなりません。
東京電力によれば福島第一原発の敷地内にはすでに1,000基以上の汚染水タンクが建造され、保管されている800,000トン以上の汚染水は、オリンピックプール320杯分の量に達しています。

< 2に続く >
http://www.nytimes.com/2016/08/30/science/fukushima-daiichi-nuclear-plant-cleanup-ice-wall.html?rref=collection%2Ftimestopic%2FJapan&action=click&contentCollection=world®ion=stream&module=stream_unit&version=latest&contentPlacement=1&pgtype=collection&_r=0
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【 アレッポの子供たち : シリア内戦の戦場での生活 】《4・最終回》

アメリカNBCニュース 8月22日

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現在、アレッポ市内の子どもたちの3分の1が2011年から始まった内戦発生後に生まれました。
日々繰り返される戦闘だけが、この子供たちが知っている『日常』なのです。
2016年8月20日、アレッポ市内の反政府勢力の支配地区で、破裂した水道管で出来た水たまりで水浴びをする男の子。(写真上)

2016年8月19日、破壊された家の外で遊ぶ幼い子供。(写真下・以下同じ)
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2016年8月9日、路上でサッカーに興じる少年たち。
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シリアのバシャル・アル・アサド大統領の政府軍によって破壊された自宅から身の回りの品を運び出す少年。
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2016年6月9日、看護婦から授乳される新生児。
この赤ちゃんはシリア政府軍がこども病院を破壊する前日、医療スタッフによって別の建物の地下に避難していました。
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2016年7月24日、こども病院の入口に積み上げられた土嚢。
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www.nbcnews.com/slideshow/aleppo-s-children-endure-life-syrian-war-zone-n636011



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